迷い鳥
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もういっその事死んでしまおうか…そんな事を考えていると、視界に何かが映った。
船ではない、それにしては小さすぎるだろう。
あれはなんだ?
よせばいいのに、私はまた、必死に目を凝らして見たのだ。
目に入ったのは青いシャツに白いベスト。
段々近づいてくるソレに、つい最近も見たなと、既視感を覚える。
あれは…恐らく、
__海軍
すぐに決めつけるなんて、正常な判断では無かったかもしれない。けれど、そんな余裕は私にはなかった。
脳裏に浮かんだその二文字に、私は駆け出した。もちろん海から来る誰かの方じゃない、散々怯えてきた森にだ。
呆けている間にずいぶんと距離を縮めていたらしく、そいつ__背格好からして男だろう__の姿が少し分かったのだ。
女だったらまだ違ったかもしれない、でもあれはきっと、いや絶対に男だ。
嫌だ、もうあんな事をされたくない、やめて、いやだ__
足に小石が食い込み、小枝が刺さる。
服を一切纏わぬ体に容赦なく草木が傷を付ける。
だが、そんな事も構わずに、私は無我夢中で逃げた。
後ろから、
「ちょっと!?」
とか何とか声が聞こえるが、そんな言葉に耳を貸すものか。
幸いにも、以前の薪集め等の為に入ったお陰で、森の何処に通れそうな場所があるかは少し分かる。
男は初めて来ただろうから、その点を踏まえると多少は有利だ。
追い付かれる前に、奥へ、もっと奥へ、…
以前見た際より広く葉を広げた森は、何となく、私を歓迎している様に見えた。
.
.
気が付けば、島を探し回った時には見なかった洞窟へ来ていた。
はて、こんな場所はあっただろうかと思案する間もなく、後ろから男の声が聞こえる。
気にする暇はない。
一か八か、私は目前に悠々と口を構える洞窟へ身を隠した。
.
.
入り口を見た時から薄々感じてはいたが、どうやらこの洞窟はかなり大きいらしい。
進めど進めど、終わりが見えて来ない。
日も届かなくなり、真っ暗になった視界に不安を覚えるが、後ろには戻れないのだ。
恐怖と限界、そして寒さで震える体に鞭を打ち、ただひたすらに、奥へと走る。
.
長い間__と感じただけで、実際は数分かも数秒かもしれない__走り続けたが、体はもう少しも動かない。
悲鳴を上げ続けていたのを無視して此処まで来たのだ、当たり前だろう。
でも、あの男はまだ追ってきている筈。
_逃げなくちゃ、そう思った瞬間、目の前が光った。
船ではない、それにしては小さすぎるだろう。
あれはなんだ?
よせばいいのに、私はまた、必死に目を凝らして見たのだ。
目に入ったのは青いシャツに白いベスト。
段々近づいてくるソレに、つい最近も見たなと、既視感を覚える。
あれは…恐らく、
__海軍
すぐに決めつけるなんて、正常な判断では無かったかもしれない。けれど、そんな余裕は私にはなかった。
脳裏に浮かんだその二文字に、私は駆け出した。もちろん海から来る誰かの方じゃない、散々怯えてきた森にだ。
呆けている間にずいぶんと距離を縮めていたらしく、そいつ__背格好からして男だろう__の姿が少し分かったのだ。
女だったらまだ違ったかもしれない、でもあれはきっと、いや絶対に男だ。
嫌だ、もうあんな事をされたくない、やめて、いやだ__
足に小石が食い込み、小枝が刺さる。
服を一切纏わぬ体に容赦なく草木が傷を付ける。
だが、そんな事も構わずに、私は無我夢中で逃げた。
後ろから、
「ちょっと!?」
とか何とか声が聞こえるが、そんな言葉に耳を貸すものか。
幸いにも、以前の薪集め等の為に入ったお陰で、森の何処に通れそうな場所があるかは少し分かる。
男は初めて来ただろうから、その点を踏まえると多少は有利だ。
追い付かれる前に、奥へ、もっと奥へ、…
以前見た際より広く葉を広げた森は、何となく、私を歓迎している様に見えた。
.
.
気が付けば、島を探し回った時には見なかった洞窟へ来ていた。
はて、こんな場所はあっただろうかと思案する間もなく、後ろから男の声が聞こえる。
気にする暇はない。
一か八か、私は目前に悠々と口を構える洞窟へ身を隠した。
.
.
入り口を見た時から薄々感じてはいたが、どうやらこの洞窟はかなり大きいらしい。
進めど進めど、終わりが見えて来ない。
日も届かなくなり、真っ暗になった視界に不安を覚えるが、後ろには戻れないのだ。
恐怖と限界、そして寒さで震える体に鞭を打ち、ただひたすらに、奥へと走る。
.
長い間__と感じただけで、実際は数分かも数秒かもしれない__走り続けたが、体はもう少しも動かない。
悲鳴を上げ続けていたのを無視して此処まで来たのだ、当たり前だろう。
でも、あの男はまだ追ってきている筈。
_逃げなくちゃ、そう思った瞬間、目の前が光った。