腰が酷く重く、ズキリと鈍い痛みが走る。
視界は霞んでおり、体のあちこちがベタベタで、所々に青痣や切り傷がある。
服は何故か無惨に切り裂かれ、その役目を果たせずにただの布切れと化していた。

…あれから暫（しばら）く、何日経ったのかすら分からない。
いつの間にか気絶していた様で、目が覚めた時には男達の姿は消えていた。
動ける間に食べれそうな果物や火を起こせそうな物を探し、海の近くで過ごしていたのだが…
集めたソレはほぼ全て消えており、最初に起きた時同様、何もない状態だった。
こりゃ幸いと持っていったのか、それとも此処に留まっていたのか…私には知る由もない。

それに、襲われる前までずっと私を見ていた気配も消えていた。
恐らく海軍（あいつら）に捕まり、その食料にでもなったのだろう。
今なら例え火が無くとも眠れるかも知れないが…万が一に備えて、それにまた彼奴らの様な輩が来るかもしれない事に怯えて、来る日来る日を凌（しの）いだ。

瞼が降りそうになる度、自分の体をつねり殴り、海水を被って耐える。

そんな事を続けていた私の体と心はもう、生きているのが不思議な程に、ボロボロだった。