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迷い鳥

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主人公の名前

気まぐれだった。

いつもの如く、嫌な事務仕事から抜け出して何とな~く愛用の自転車で近海を散歩していたら、そこそこ小さな島が視界の先に入る。

こんな所に島なんてあったっけ?

海軍大将として、大体の地形は覚えている。
それがマリンフォードの近くなら尚更の事。

だが、ここら辺にこんな島は無かった筈だ。
木々がおいおいと繁る様からも、最近出来た訳ではない様に思う。
だが幾ら記憶を辿っても、新しく島が出来ただとか、そんな報告は受けていない。

そして何より、この島には驚く事にログが無いのだ。

念の為にと警戒しながらも、キコキコと自転車を漕いで近づいていく。

段々と島の様子が分かる距離になった時、視界に何かが入った。
よくよく見ると人の様で、向こうも此方を見ている。
原住民か?遭難者か?
そんな疑問を抱えつつ、ある程度距離が縮まった頃___


突然相手が走り出した。


何事かと周りの気配を探るも、何かがいる様子はない。

「ちょっと!?」

どこ行くのよ、なんて声を掛けたが相手には聞こえていないのか__あるいは聞こえないフリをしているのか__、そのまま走り去って行く。

その尋常じゃない様子に漕ぐスピードを上げ、島に着くと共に自転車を半ば乗り捨てる様にして、急いで追いかける。


視界では見付けきれないが、足跡や音、気配を便りに何とか洞窟の奥まで追い付き、その岩陰から人影を探す。
道中も声をかけてみたが、やはり反応は無かった。

真っ暗だった洞窟が一瞬光り、その眩さに思わず目を覆う。
探す事ばかりに気を取られていた為か…防ぐのが少し遅かった様で、視力回復に暫く時間を要した。

ようやくはっきりと見え始めた視界でもう一度覗き混むと、探していた人影が何かを食べている事が伺える。
そういえば、__今更の確認だが__背は高い。だが髪も長い。
女性の様に丸くはないし、かといって男の様に筋肉質でもない。
女か、男か。

ていうかあんなに急いでいたのに此処で食事?とか、疑問の山は直ぐに掻き消えた。

目の前の人物がいきなり頭を抱え込み、苦しそうな声を漏らす。
驚きに目を見張ると、そのまま倒れ込む人物
地面に体を打ち付ける寸前に何とか滑り込み、事なきを得た。

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