一面に見える真っ青な海。
少し視線をずらせば、綺麗な砂浜が広がっている。
木々は青々と茂り、まるでリゾート地の様な場所である。

時折森の奥から聞き慣れない何かの音＿＿あるいは声だろうか＿＿がして少し不気味なのを除けば、だが。
でもそれが、此処の美しさをより引き立てている気もするので…まぁ五分五分といった所だろう。




『いやここ何処だよ！！！！』



私は誰に当てるでもなくツッこんだ。
けど、普通に家にいた筈が目を覚ましたら見知らぬ場所にいたなんて…そりゃ誰でもこうなるだろう？
ならない？いやなるんだよワトソン君。


…少なくとも私は……ね？




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『…とりあえず人探すか』

一息ついて、ひとまずの目標を決める。
このまま此処にいても何の解決もしなさそうだし、例え何らかのドッキリだとしても、一般人の私だけ置いておく事はないだろう。
早い所現地の人を見つけて、この恐ろしい状況を終わらせてほしい。



なんて事を思っていた時期もありました。
そんな数時間前の私に言ってやりたい

人 っ 子 一 人 居 や し な か っ た と！！

家もなけりゃ、人が生活している様な痕跡もない。
あるのはナニカがいる気配だけ。
微かに聞こえる荒い息遣いは肉食動物か何かか？
考えるだけで恐ろs〈ｶﾞｻｯ〉

『ｱ"ｱ"ｱ"ｱ"ｱ"ｧ"ｧ"ｧ"！！！！！』

後ろを振り返る事なく走りきった私は、きっと人生の最高記録を叩き出した事だろう。




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夜の帳が落ち、辺りはすっかり真っ暗だ。
昼間に頑張ってかき集めて起こした焚き火以外の灯りは、いくら見渡しても見付かりそうにない。
パチパチと木の弾ける音が心地よくて、段々と瞼が重くなる。
僕もう疲れたよパトラッシュ…

そんな現実逃避をしている間にも、恐らく肉食動物であろう奴らは私の近くにいる様だ。

いつ襲われるかも分からず、かといって逃げ込める場所がある訳でもないこの島で眠れる筈はなく＿＿


＿＿私の不眠不休の恐怖の日々はこうして、幕を開けた。