無自覚と嘘
「お前は何を言ってるんだ!?俺はそのソファからどけと言ってるんだ!;」
「そうだけど、僕だって読み途中だし、今この部屋から出たくないんだ;それに、ここは僕のお気に入りだからね」
「だから、それは関係ないと…」
「それは、お互い様だと思うよ?」
「ぐむ…まぁ、そうだが…;」
「大丈夫だよ!このソファちょっと大きいし、僕も静かにしてるからさ、お願い!」
「!?;」
そう言いマリオは俺に手を合わせた。奴は座ってるのもあり、自然と上目使いだ。
…何故かコイツは、誰に対しても分け隔てなくこんな風に接している。勿論、魔王である俺に対してもだ。
何故だ?俺は恐怖の魔王だぞ?普通怖がったりおののくだろ;
普段こういう風に接してもらうことに慣れていない俺にとって、コイツの対応には若干の戸惑いがあった。
さて、どうすべきか…;
「…本当に五月蝿くしないんだな?」
「うん!約束するよ!」
「……はぁ;仕方ない。だが五月蝿くしたらこのソファから即刻退いてもらうからな」
「本当!?ありがとうガノン!!」
そう言うマリオは本当に嬉しそうだ。
「ふん;」
まぁ……悪い気はしない。
こうして俺はマリオと共にソファに座り本を読むこととなった。