無自覚と嘘
~スマブラ館図書室~
キィィ…バタン
扉を閉めた途端、ここは別世界だ。
館にある筈の騒ぎ声がここまで届かないため、この館では無縁の筈の、昼間独特の静けさが約束されている。
いくつもある大きな窓には白いレースのカーテンがかけられ、日光は取り入れられているものの、若干の薄暗さは否めない。
窓は閉まっているせいか、古い本の匂いが部屋全体を包んでいた。
静けさとは無縁のスマブラ館においてこの部屋はまさしく別世界。
だから俺もたまにここに来る。今日のようにな。
部屋の大きさは…そうだな…、図書館と言える程の広さではないが、図書室としては広いほうだと思う。←
ここにある本は全てマスターがあらゆる世界から持ってきたそうだ。
ジャンルも小説から資料図書、辞典、漫画、絵本等々多岐にわたる。
何か読みたいものがあったら、マスターに頼めばその本を入れてくれるそうだが、俺はそこまでして読もうとは思わない。
「さて、新しく入った本は…」
そう言い向かったのは小説ジャンルの棚。その中にNEW棚があり、そこに新しく入った本が並べられる。
読むのだったら断然推理もの。それしか読む気はしない。
見るジャンルは1つだけなので、見たい本はすぐに見つかった。
「お、あった。入っていたのか。ではこれでも読むとするか」
読む場所は決まっている。図書室の一番奥にある大きめのソファ。
一番奥なのでここまで来る奴はほとんどいない。1番邪魔されずに読めるのはここなのだ。
本を手に持ち、お気に入りの場所へ向かった。
のだが…
「…」ウトウト
…そこには先客がいた。
赤い帽子に青いオーバーオールに髭。
スマメンのリーダーのマリオだ。
本を読んで…はおらず、どうやら読み途中でこくりこくりと微睡に落ちている状態のようだ。そのせいか、俺が来たことには気づいていない。
まぁ、おねむの所悪いのだが、ここは俺の場所なので早速退いてもらうことにした。
「おいマリオ」
「わわ!?;」ビクッ
いきなり声をかけたからか、本人は相当驚いたようで身体が一瞬はねた。
「ぁ…ガノン…;ビックリしたぁ、僕寝てたんだね;」
「あぁ、まぁな;」
「…で、どうしたんだい?僕に何か用事?」
「いや、俺はお前に用事がある訳ではなく、お前が座っているそのソファに用事がある」
「ソファに?」
「そのソファは俺のお気に入りだ」
そう言いながら、俺は手に持っていた本をマリオに見せた。
だが、奴は俺も思ってもみないことを言ってきた。
「あぁ、君"も"ここでいつも読んでいるんだね」
「…。…も?;」
ま、まさか…
「うん。僕もここがお気に入りなんだ」
「…!」ガーン
ま、マジかよ!;
何ということだ…。そんなこと今の今まで全く気が付かなかった…;
…だが…、かと言ってここでおずおずと引き下がる程、俺には融通の利く頭など持ち合わせてはいない。
「…ふん、だからと言って俺はそのソファをお前に譲る気はないぞ?」
「ぇえ?;僕まだ読み途中なんだけどな;」
「そんな事俺には関係ないのでな」
「うーん…;」
マリオはしばらく考えると何か思いついたのか、自身をソファの隅へ移動し…
「隣どうぞ。一緒に座ろう」
そう言ってきた。
・・・。
「はぁあああ!?;」
キィィ…バタン
扉を閉めた途端、ここは別世界だ。
館にある筈の騒ぎ声がここまで届かないため、この館では無縁の筈の、昼間独特の静けさが約束されている。
いくつもある大きな窓には白いレースのカーテンがかけられ、日光は取り入れられているものの、若干の薄暗さは否めない。
窓は閉まっているせいか、古い本の匂いが部屋全体を包んでいた。
静けさとは無縁のスマブラ館においてこの部屋はまさしく別世界。
だから俺もたまにここに来る。今日のようにな。
部屋の大きさは…そうだな…、図書館と言える程の広さではないが、図書室としては広いほうだと思う。←
ここにある本は全てマスターがあらゆる世界から持ってきたそうだ。
ジャンルも小説から資料図書、辞典、漫画、絵本等々多岐にわたる。
何か読みたいものがあったら、マスターに頼めばその本を入れてくれるそうだが、俺はそこまでして読もうとは思わない。
「さて、新しく入った本は…」
そう言い向かったのは小説ジャンルの棚。その中にNEW棚があり、そこに新しく入った本が並べられる。
読むのだったら断然推理もの。それしか読む気はしない。
見るジャンルは1つだけなので、見たい本はすぐに見つかった。
「お、あった。入っていたのか。ではこれでも読むとするか」
読む場所は決まっている。図書室の一番奥にある大きめのソファ。
一番奥なのでここまで来る奴はほとんどいない。1番邪魔されずに読めるのはここなのだ。
本を手に持ち、お気に入りの場所へ向かった。
のだが…
「…」ウトウト
…そこには先客がいた。
赤い帽子に青いオーバーオールに髭。
スマメンのリーダーのマリオだ。
本を読んで…はおらず、どうやら読み途中でこくりこくりと微睡に落ちている状態のようだ。そのせいか、俺が来たことには気づいていない。
まぁ、おねむの所悪いのだが、ここは俺の場所なので早速退いてもらうことにした。
「おいマリオ」
「わわ!?;」ビクッ
いきなり声をかけたからか、本人は相当驚いたようで身体が一瞬はねた。
「ぁ…ガノン…;ビックリしたぁ、僕寝てたんだね;」
「あぁ、まぁな;」
「…で、どうしたんだい?僕に何か用事?」
「いや、俺はお前に用事がある訳ではなく、お前が座っているそのソファに用事がある」
「ソファに?」
「そのソファは俺のお気に入りだ」
そう言いながら、俺は手に持っていた本をマリオに見せた。
だが、奴は俺も思ってもみないことを言ってきた。
「あぁ、君"も"ここでいつも読んでいるんだね」
「…。…も?;」
ま、まさか…
「うん。僕もここがお気に入りなんだ」
「…!」ガーン
ま、マジかよ!;
何ということだ…。そんなこと今の今まで全く気が付かなかった…;
…だが…、かと言ってここでおずおずと引き下がる程、俺には融通の利く頭など持ち合わせてはいない。
「…ふん、だからと言って俺はそのソファをお前に譲る気はないぞ?」
「ぇえ?;僕まだ読み途中なんだけどな;」
「そんな事俺には関係ないのでな」
「うーん…;」
マリオはしばらく考えると何か思いついたのか、自身をソファの隅へ移動し…
「隣どうぞ。一緒に座ろう」
そう言ってきた。
・・・。
「はぁあああ!?;」