サイズ変更
「はははは!箪笥の角に…ふふふ」
「笑うな!!!だから診てもらいたくなかったのだ!ったくもう!;」
「ごめんごめん、でも実は僕も他人の事言えないんだ。ほら」
そう言ってマリオは右手をクッパの前に出した。
マリオの右手の人差し指には湿布が巻かれてあった。
「?湿布貼ってるではないか」
「うん、突き指しちゃったんだ;」
「ほう、貴様がか。どうしたんだ?」
「今背が大きくなっちゃただろ?そのせいで自分の間合いや距離感が変わっちゃってね;さっき机にある物を取ろうとした時、いつもの感覚で取ろうとしちゃったから勢い余って人差し指を机にぶつけちゃったんだ;」
「成程な;」
変わるというのも大変なことなのだな。
「でも」
「?」
「これ位はしょうがないさ。折角憧れていた身長になったんだし」
そういう彼は嬉しそうに微笑んでいた。
だが、クッパには何処となく違和感を覚えた。
奴は…迷っているのではないか?
「…貴様は」
「?」
「貴様はこれからどうするのだ?」
「え?」
「元の身長に戻り、今まで通りの生活を送るか、その身長のままで生きていくか」
「…」
「まぁ我輩は、どちらでも構わん。姿は少し変われど貴様は貴様なのだからな。だが…」
「?」
「貴様は小さいからいいのだと思うぞ」
「…。どういうこと?;」
「貴様は小さいことにコンプレックスを持っているようだが、そのお陰でここまで来れたのではないか?」
「ぁ…」
「小さいからこそジャンプや知識、素早さで補った。そしてこの我輩に勝った。そんな問題をバネにして頑張ってきたから、今貴様はここにいる。違うか?」
「…」
「まぁ何よりも…」
スッ…
クッパはマリオの頭を撫でた。
「小さい方が撫でやすいしな」
「や、止めてくれよ!子どもじゃないんだから//;」
「いいではないかこれ位」
「と、とにかく!」
「?」
「ありがとうクッパ。でも僕は前から決めてたよ。元の姿に戻るって」
「それならすぐに戻ればいいではないか」
「うん。でも…、嬉しかったからさ大きくなれて、だからいつ戻るかちょっと決めかねてたんだ」
「そうか…」
「でもね、君に言われてやっと決心がついたよ。
…僕もう元に戻るね」
マリオがそう言った瞬間…
ポワーーー…
「「!?」」
急にマリオ自身が光り始めたのだ!
「な、なんなのだ!?」
「僕にも分からない;」
2人がびっくりしている時…
ピカーーーー!
「おわっ!」
「うわっ!」
光がより一層輝きを増した。
眩しすぎてクッパも思わず目を瞑るほどだ。
そして光は段々弱くなり、音もなく消えていった。
マリオは無事なのか?
そう思いつつクッパは目を開けた。
すると…
「おぉ、マリオ、無事…お?;」
「?どうしたの?ってあれ…?」
「「元に戻ってる!」」
マリオはいつもの身長に戻っていた!
その分着ていた服がだぼだぼになっていた。
「これ魔法だったんだ…」
「確かに、我輩たちの目を欺くとはかなりの上級魔法だな。」
「うん…。…でもまさかすぐに戻れるとは思ってなかったよ;」
「まぁ、戻れて良かったな」
「…うん!」
そう言う彼は何の混じりっ気のない笑顔。
奴はこうでないとな。
そう内心ほっとしているクッパだった。
「じゃあこの服をマルスに洗って返さないとね」
「ていうことは今着替えるのか?」
「?そうだけど…」
「よし!早速脱げ!我輩が手伝ってやる!」ニヤニヤ
「いやいいから!自分で出来るってうわっ!ちょ、だ、うわあああああああああああ!!」
この悲鳴の数分後、聞きつけたルイージ達がやってきたことは言うまでもない。
おわり
次、あとがきとおまけ