ジョブチェンジ

~ルイージ視点~


いやぁ、大変だった。まさかあの後ワルイージに勝負を望まれるとは…。しかも兄さんをかけて!


本当に勝てて良かったよ…。これで奴は一週間兄さんに近づけない。やったね!


でも…、その死闘のせいでお昼はおろか、もう夕方近くになってしまった;


兄さん、待っててくれてるのかな…?;


そうお思いつつも、家のドアを開ける。


ガチャ


「ただいま」

「あ、ルイージ!」


兄さんは僕のもとへ駆け寄ってきた。


良かった!兄さん待っててくれてた!


「ごめんね遅くなって;」
「本当だよ!」


やばい!怒られる!;;


「今何時だと思ってるんだい!?どれだけ心配したか…」


あれ…?


そう言う兄さんの目からうっすらと涙が…。




…あ、あれ?僕兄さん泣かせちゃった!?;


「ご、ごめんよ兄さん!;」

「うっ…帰ってきたらいないし、お昼にも帰ってこないしさ、ずっと胸に手をあててさ、…本当に心配したんだから;」


兄さんは半ば泣きながらそう告げた。


そうか、兄さんはずっと待ってて、胸に手をあてて、僕がくたばってないか本当に心配してたんだ。



あぁ…




心配されるってこんなに嬉しいことなんだ。





「ごめんね兄さん、心配かけて」




ギュッ…



「?//;」



僕は兄さんを思いっきり抱き寄せた。



「そしてありがとう、こんなに心配かけてくれて」

「…う、うん//;」


あれ?凄く素直…


「僕さ…、思ったんだ」

「?」

「待ってる時、ルイージも僕が冒険に出てる時こんなに心配して待ってるのかなって」

「…うん」

「だから、僕も君にたくさん謝らなきゃいけないなって…」


そう言って兄さんは俯いた。僕のこと考えてくれたんだ。…すごく嬉しい。


「いや、兄さん。いいよ謝らなくて」


「?」


「兄さんは冒険するのが仕事。それで僕は、僕たちの家を守ることが仕事。まぁお互い配管工の仕事があるけどさ」


「仕事…?」

「うん、仕事。だからいいんだよ、謝らなくて。…でも」

「?」

「…帰ってきたら、今みたいに甘えさせてね」
(心も体もね…)←

「うん…分かった」
(きっと寂しいんだねルイージは…。また帰ってきたときにはご飯作ってあげよう)



きっと兄さんは、ただ冒険から家に帰るのではなくて、僕が兄さんのことを心配しているこの家に帰るのだと思うんだ。


なんとなくだけど、心配されてそう感じたんだ。



だって



愛してる人に心配されるなんて、こんなに嬉しいことはないんだから。




おわり


次、あとがきとおまけ
5/6ページ
スキ