緑の奴
ギシ…
「…!?;;」
ベットの上に仰向けに寝かされた。
そして、そんな僕の上に跨ってきたのは…
「兄さん…」
紛れもない、僕の弟のルイージだった…
《緑の奴》
「…!!;」
僕は必至に抵抗した。これから起こるであろう、奴がとる行為から逃げたいが為に。
「無駄だよ兄さん…」
帽子を取られたせいで、どんなに足掻いても僕は、奴の下から少しも動けておらず、僕の両手首を掴む奴の手さえも振り払えていなかった。
状況からしたら奴の言うとおりだ。…でも、こんな状況だからこそ諦めたくなかった。
とにかくこの状況から、これから起こることから逃げたかったんだ。
「兄さん」
「?」
ルイージは僕を呼んだかと思うと、いきなり僕の顔に近付いてきた。
「!?」
これから起こりうる事を予想した僕は顔が近付くのを避けようと、目をつぶり顔を横へ背けた。
それが仇となった。
…レロ
「!?//;」
突如、耳に感じる生温かい感触…!
ぬめっとしたもの…いや舌が、僕の耳に這いずっているのだ!;
れろ…びちゃ…
「ひっ!…やめっ…!いやあ…!//;」
生々しい音を出しながら、舌で耳をつついたり、耳たぶを甘く噛んだり、中に舌を突っ込んだりと、執拗なまでに責め立ててくる。
気持ち悪いのに、何故こんなに感じ、自分からこんな声が出てしまうのか。
「フフ…、兄さんったら可愛い」
「な!?//;」
何を言っているんだこの男は…!?//;
自然と顔が赤くなってくるのが嫌でも分かった。
耳を舐めるのを止めてくれたのはいいが、動けないというのには変わりない。内心焦っている僕に対し、奴はこの状況を楽しんでいるかの様な、とても嬉しそうな表情をしている。
そして、その嬉しそうにほほ笑みを投げかける奴の眼つきは、いつもの、内気で優しい彼のものではなく、欲情・煩悩をむき出しにした1人の男の眼付だった。
そう、まるで、捕えた獲物を捕食しようとする獣。一言で言えば、卑らしい…。それにつきてしまう。
(なんで、そんな目で僕を見るんだ…!?//;)
そう、違うんだ。
その眼つきを向ける相手が…!;;
違うはずなのに…
チュ
「!?」
油断してる隙に起きた、いきなりのキス。
そして、ビックリしている僕の口の中にいきなり入ってくる嫌な感触…。
さっきにも感じたそれから逃げたいのに、奴は僕を離すことなどせず、舌を、歯を、口内の全てを舐めまわすのだ。
「ん…んん//;」
どんどん深く、激しくなってきた…。僕も耐えきれず、口から声が漏れていく。
どうしよう…。こんなにも気持ち悪くて嫌なのに…。
「はぁっ…!んっ…//;」
なんでこんなにも、こんな声が出てしまう程感じてしまうのか…?
やだ…、感じれば感じる程…力が抜けてくる…。
逃げる為の力、気力どちらもそぎ落とされていくかのようだ。
そんなことを考えていた矢先…
ぎゅっ!
「!?」
痛いっ!;
急に手首から痛みが走った!
…との同時に、奴が僕の口から離れた。お互いの口が銀の糸で繋がれていた…が、それどころじゃなかった。
さっきまで奴に握られていた手首が、今度は縄で縛れていたのだ!しかも硬く!そのせいで今も痛い。
い、いつの間に結んだんだ…!?;
「兄さん、気付かなかったの?」
そう言う奴はまるで勝ち誇ったかのような顔だ。言い方といい、その見透かしてる感といい、どうにも腹が立つ。
「そうかぁ、そんなに僕とのキスが気持ち良かったんだ」
「そ、そんな訳…;」
「あるって」
「!?;」ビクッ
いきなり遮られたその言葉は、いつもとは違うどすの利いた声。思わず驚いてしまった。
「兄さんが飲んだ珈琲の中に媚薬を入れといたからね」
「え!?」
だからこんなに感じやすくなっているのか!
「ほらそれに…」
ぎゅっ!
「ひゃっ!?」
奴は僕の胸を抓った。そう、僕の胸の突起に。
服の上からなのに抓られただけで思わず自分でもびっくりしてしまう程の声が出てしまった。
「ほらね…こうやっただけでも凄いだろ?」
「う…//;」
「フフフ、恥ずかしがることはないよ兄さん。ここには僕達しかいないんだし、それに…」
ルイージは僕の耳元にまで近づきこう囁いた。
「…これからもっと、そんな声を出させてあげるよ…。恥ずかしがることなんて忘れる位にさ…」
それは…、僕にとって絶望でしかなかった。
力尽きたのでここまで←
あとがき
いやはやごめん、力尽きた;続きは…今は書く気力が無い;うーん、要望があったら書こう。そうしよう←
兄さんは、いつもは彼とか呼んでいるのに、この状態になった弟のことを奴って呼んでたらいい。
で、弟はそんな兄の心境を手に取るように分かっちゃって、色々ヤッてみたくなっちゃてたら面白い。
勿論そんな彼は兄を他の輩に取られないよう必死なんですね。
うん、にやにやが止まりません←