目覚めは突然に〈下〉

~医務室~


医務室に戻ると、もうリーダーは作業を終わらせたらしく、資料などを片付けていた。



「もう終わったのか?」


「うん、終わらせたよ」



そう言いながらリーダーは資料を資料棚にしまい、白衣を脱ぎ、ハンガーに掛けていた。



なんだか急がせてしまったようだが…、まぁ気にしない←



俺はリーダーの片付けが終わるのを見計らい…



「リーダー」

「?」

「ほれ」



リーダーに酒を手渡した。



「ありがと…って、あれ?さっきスネークが持ってたお酒じゃないのかい?」



そう、リーダーに渡したのは缶のカクテルチューハイだ。



「あぁ、俺の酒はアルコール度数が高いやつだからな、弱いあんたには低いチューハイの方がいいだろう?それに、今日は飲むというよりもあんたと話がしたいからな、すぐにできあがっても困る」


「ぁ、そうか、ありがと」


そう言いリーダーは俺に微笑み返してくれた。



この微笑みは俺だけのものであることに喜びを噛み締める。



俺とリーダーは、2人で窓際のベッドに腰掛け、すぐ近くの窓から星空を眺めながら晩酌をし、話をすることにした。



ここが1番窓に近くて見やすいからだ。



「じゃあ、乾杯」

「乾杯」ニコッ



カン!



俺はここに来るまで持っていた愛用の酒、そしてリーダーはカクテルチューハイで乾杯だ。



酒が俺の渇いた喉を潤してくれる。



口全体に広がる風味と旨味。



そして喉にくるカーッとなるような辛さ。



これがまたうまい。
酒はこうでなくてはな。



まぁ、人それぞれだが少なくとも俺はそう思う。



「リーダー、どうだ?飲めそうか?」

「うん、これなら飲めそうだよ」

「そうか、良かった」



「…最近のスネークは偉いよ」

「?」

「だってここ最近全くサムスにストーキングしていないようじゃないか。皆も感心していたよ」

「そ、そうか?」

「うん!きっとこれならサムスにアプローチしても、問答無用で黒焦げにされることもないと思うよ」

「あぁ、そうだな…」



あぁ、そうか…



今まで俺は、サムスの事でリーダーに愚痴を聞いてもらったり相談に乗ってくれていたから当然のことなのか…。




その後、俺とリーダーは取り留めのない話を暫くの間楽しく話していた。




「あ」



突然リーダーが少し驚いたように声をあげた。



「?、どうした?」

「凄い…1缶飲めちゃった…!」



リーダーは嬉しそうに、そして少々驚いたようにそう言った。



それ程まで酒に弱いとは…



「良かったなリーダー」

「うん!これもスネークのお陰だよ!こんなに長い間お酒飲みながら話しているのに、潰れないなんて凄いや」

「酒は基本、こう、ほろ酔い状態になりながら、誰かと気分良く語ったりする為のものだと俺は思っている」


「へぇ…、今まで散々飲んだくれて騒いだ挙げ句、場外乱闘するまで暴れてたのは何処の誰かなぁ?」

「うっ!?;;」

「ふふっ、冗談だよ。今のスネークは違うもんね。そうだな、僕ももうちょっとお酒の飲み方を変えないとねぇ」

「そ、そうか…;」







その時である







バチッ!
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