目覚めは突然に〈下〉

~スネークの部屋~


あれから幾度とチャンスを伺いチャレンジしてみたが、全くと言っていい程話せず今日一日が終わった…。


くそっ!あいつらことごとく俺の邪魔しやがって…!



まぁ、裏を返せば、あいつらもリーダーの気を引く為に頑張っているって事だ。


「はぁ…」



ボスッ



俺はため息をつきながら、ベッドへ仰向けに倒れ込む。




見えるのは何も無い天井。


そして時計の時を刻む音が、静まりかえった部屋の中で響いている。



会えない時間が愛を育てるとはよく言ったものだ。



リーダーが恋しくてしょうがない…。




畜生…、俺、末期だ…;




自虐感に浸っていながら、俺はふと窓を見た。



外はもう暗闇に染まっていた…のに関わらず、カーテンを閉めるのを忘れていた。



俺はカーテンを閉めるべく、ベッドから降り、窓に歩み寄った。



そして何気なく窓の外を眺めてみた。



外は雲一つ無い星空だ。


館は人里から離れている為星が良く見える。




そういえば、リーダーの世界は、星達が皆の願いを拾い上げ、願いを叶えているのだそうだ…。






…こういうのはやらないし信じないたちなんだが、…駄目元でやってみようと思う。藁をも掴むというのはこういう事を言うのだろうか。



俺は両手を組み、目をつぶりながら呟いた。




「…リーダーと2人きりで話ができますように…;」


こんなことで本当に願いが叶うとは全く思ってない。気晴らしだ。


こういう事したって無駄だとは分かってるのにな。



こうしている自分の姿を見ると、馬鹿らしく、滑稽に見えてきた。



「はぁ、寝るか…」



そう思ったが、喉が渇いてきた。



こんな星空だ。酒を一杯飲んでから寝るのも悪くない。



まぁ、ただ単に酒を飲みたくなっただけだが;



とにかく、俺は台所に酒を取りに行くことにした。



~スマブラ館1F廊下~


時刻は後十数分で次の日を迎えようとしている。



子どもたちも寝ていて、辺りは静かで暗い。



だが何人かの大人達は居間でテレビを見ているようで、居間の方から、テレビから流れてる音と話し声がこちらにまで響いていた。



一応、居間を覗いてみたがリーダーはいなかった。



自分の部屋に戻ったのだろうか?



俺はというと、今台所から酒を取ってきた所だ。



片方には酒瓶、もう片方にはグラス。こうしてふらついていたら、もう飲んだくれにしか見えないというような現状だ。



今台所から出た所。



俺から見て右手に行けば居間、そして俺の部屋へ続く階段がある。



そして左手には、食料庫などの倉庫が連なり、1番奥が医務室になっている。





…って、おや?




何気なく左を見てみると…



左手の1番奥の扉から光が漏れていた。



ということは、誰かが医務室にいる可能性が…。




「フッ、まさかな…」



俺はそう言いつつも、足はもう医務室に向けて歩き出していたのだった。
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