目覚めは突然に〈中〉

ネスの話を遮るかのように、そう大きな声で叫びながらこちらに走ってくる奴がいた。



そいつは…





「あ、ヨッシー!」



そう、ヨッシーだった。


そしてあいつの手に握られているのは、何故かホームランバットだった…。



まさかアイツが打ったのか!?;



「マリオさん!大丈夫ですかぁー!?」


俺には無いのか!?


「うん、2人共大丈夫だったよ」


「そうですかぁー!良かったですぅー!ゴメンナサイ、僕が打ったやつなんですよぉー」


やはりお前か!!


「子どもたちと野球して遊んでたんですけど、バットと間違えてホームランバットで打っちゃったんですよぉー!;」


ちょい待て!!


普通の野球にホームランバットなんて用意しないだろ!!


「気にしないで、僕達も怪我がない訳だし」


リーダー、もうちょっと疑ってくれ。普通の野球にホームランバットを用意している事自体何かが違うんだってば!!;


「そうですかぁー!あ、そうだマリオさん!マリオさんも野球しませんかぁー!?楽しいですよぉー!」


「そうだよ!マリオも参加してよ!もっと楽しくなるからさ!あ、おっさんもどう?」

「誰がおっさんだ!!どうするんだリーダー?」

「うん、いいね!やろう!スネークは野球するかい?」

「あぁ、じゃあ、俺もやらせてもらおうか」



暇つぶしにな。館にはまだ戻りたくはないしな。


「良かった!マリオ!早く行こう!皆待ってるからさ!」

「うん!分かった!」


リーダーはネスに連れられ、走っていった。


俺はあまり走る気にはならないので歩いていると…



「スネークさんはケガないんですかぁー?」


後ろからひょこっとヨッシーがそう聞いてきた。



なんだ、一応俺のこと心配してくれていたのか。


「いや、大丈夫だ」

「そうですかぁー。じゃあ、スネークさんはあの場でマリオさんと何を話していたんですかぁー?」

「え!?いや…;」



流石にリーダーと話していた事をこいつに言うのはなぁ…;



なので俺はヨッシーに、リーダーとあの場に来たいきさつを歩きながら話した。



「へぇー!そうだったんですかぁー」

「あぁ;」

「へぇー…










やっぱりちゃんと狙って打っておけばよかったですね」ボソッ



!!!!!!!?;;;



「い、今…何か言ったか…?;」

「えぇー?何も言ってないですよぉー?」

「そ、そうか…;」



こいつ…確信犯か…!!?



「さ、スネークさん!早く行きましょー!皆待ってますよぉー!」

「お、おぅ…;」



こうして俺は、リーダーや子どもたちと夕飯まで野球をして遊んだのだった。



やはりリーダー。いろんな奴に好かれているな…。



俺もこの争奪戦身を投じることになるとは夢にも思わなかったな、うん。




でも…




リーダーを俺のモノにしたい。そんな思いだけが日に日に増していくのであった…。



おわり


次、あとがき
8/9ページ
スキ