目覚めは突然に〈中〉

ガシッ!!


「へ…?;」


「行くぞ!リーダー!」

「いや、ちょっと何処へ…!?;;」


俺はリーダーの手首を掴み、そのままリーダーを連れて居間を飛び出した!



こういう時は逃げるに限る!←



そしてエントランスを素通りし、外へ出た!


その後も走り続け、館から少し離れた丘まで走った。



「はぁ…はぁ…、ここまで来れば…大丈夫だな…はぁ…;」

「うーん、別に僕まで逃げなくても良かったんじゃないかな…?;」



リーダー、鈍感過ぎだろ!?自分に迫っていたであろう危機に!!



取りあえずここで腰かけることにした。



今日は快晴。


風がそよいでいて気持ちが良い。



そういえば、医務室以外でリーダーとこうゆっくりするなんて、あの日以来だな。



「そういえば…」

「?」


リーダーが話しかけてきた


「最近よくスネークと2人で話している時が多いよね」

 
「え…、嫌なのか…?;」

「ううん、そうじゃないよ。話していると楽しいし、それに、ちゃんと話せば分かってくれるって分かったし」

「そ、そうか…;」



それはストーキングのことか!?


うーん、ちゃんと止められるだろうか。でも、リーダーの期待に背く訳にもいかないしな…。



あぁ、もうサムスの表情が常に見ることが出来なくなってしまうのか…。



くそ…!ちゃんと見収めておくべきだった!←



俺達の後ろには1本の木があるのだが、風で木がサーサーと揺れ、俺達の周りではとても穏やかな時間が流れているのであった。



「風が気持ちいいな…」


「うん、そうだね」



誰もいないし2人っきりという折角の機会。


俺は、気になっている疑問をリーダーに問うことにした。



「…なぁ、リーダー」

「?、何?」



「リーダーって、その…、好きな奴…じゃなくて好きな人っているのか…?;」



「好きな人?」


「あぁ;」


「うーん、特に好きな人がいるって訳ではないけど…」


「…」



「やっぱり皆が好きかな」

「皆?」

「うん、だって皆といると、なんだかんだ言って楽しいし、それぞれ個性もあって面白いじゃないか」



あぁ、やっぱりそっち(仲間として)の好きなのか…。



こういうこと滅多に聞けたもんじゃないからな。


だから、俺は更に気になっていることをリーダーにぶつけた。



「じゃあ、ワリオやクッパとかはどうなんだ?元々敵…というかライバル同士なのだろ?それに…、リーダーを襲ってる。それでも嫌いではないのか?」


「それは…」


「…」




「それは…確かに襲われるのは嫌だよ。それに宿敵だしライバルだし、ここでも張り合うこともある。でも…クッパやワリオも根は良い奴なんだ。一緒にレースやテニスだってするし、さっきも言ったけど、一緒にいると楽しいんだ」


「そうか…」

「うん、だから…嫌いじゃないよ」



「…じゃあ」

「?」








「もし俺がリーダーを襲ったら、リーダーは俺のことを嫌わないでいてくれるのか?」
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