はじめのキッス〈後編〉

あとがき

シーラさん、キリ番踏んで下さりありがとうございました!数年ごしで申し訳ないです。

今回もアイクとマリオでマリオがアイクに見惚れている話ということで、今回はマリオさん視点で書いていきました。最初から最後までずっと彼の事で悩んでいます。

ここのマリオさんはのほほんとしているのでここまで1人の人間に悩まされているのも珍しいですね。中々無い展開だったので書いていて楽しかったです。
でもここまでお互い悩んでいるのに恋に発展できなかった辺り流石天然と言わざるを得ないですね←

ここまで読んでいただきありがとうございました!




下、おまけ














おまけ

~スマブラ館図書室~

図書室の作業スペースに、アイクとロボットが事務の仕事をしていた。

「マサカ、アイクサンガコンナ事務仕事ヲ手伝ッテ頂ケルトハ思ッテイマセンデシタ」

「いや、まぁな…」

そう言ってハハ…と乾いた笑みを浮かべている彼であったが、内心では仕事を引き受けたことを少し後悔していたのであった。

(マリオに仕事をくれと言ったことには後悔していない…本当にマリオには笑顔でいてほしいんだ)

思い出すのは昨夜のマリオとのやり取り。

アイクの為に必死に考えていた健気なマリオ…

恥じらいながらキスしたのを知ってるとカミングアウトした時の表情…

そして口論になった先の2人して赤面した時のあの表情…

思わずキスしてしまったあの夜からずっと自分のことを考えてくれていたことによる幸福感と、全ての場面において彼にとって初めて見たマリオの表情の新鮮さで彼は嬉しさと照れ臭さで一杯だった。

(本当に昨日のマリオ、つい可愛いと思ってしまう位衝撃的だったな。

だが…くそ…フォックスめ…)

そう思い彼が見つめる先にはやることリストと書かれた仕事の内容が書かれたメモ。

そして彼は今まさにそのリストの中の雑務をしている最中であった。

何故彼がこんな雑務をしているのかというと、それは昨夜に遡る。

前日

~スマブラ館フォックスの部屋~

「ほれ、これがお前の分の仕事だ」

そう言ってフォックスがアイクにメモを手渡した。

「やることリスト?」

「そう、そのメモの中の全部を来週の月末までにやってほしい」

「ちょ、ちょっと待て!俺はアンタに仕事を貰いに来た訳じゃないぞ」

そう焦るアイクにフォックスはため息を吐いた。

「いいか?マリオがやっている事務仕事はお前にはできない仕事だ」

「⁉」

「あいつは責任者代理だ。マスターがやるべき責任のある仕事の殆どを代わりにやってるんだ。そして医者でもある。医療関係のこともあいつにしかできない仕事だ。お前があいつに代わってできる仕事はほぼ無いんだよ」

これにはアイクも「うぐ…」と押し黙るしかなかった。

「という事で、そんなに責任もない、簡単な仕事を俺が用意したって訳だ。あいつにあそこまで言ったんだ。協力してくれるよな?」

フォックスにはマリオとのやり取りを見られてしまっている(どこから見ていたのかアイクが聞いてもはぐらかされてしまった)。ここで反抗したら、この出来事をネタに色んな奴に話される可能性がある。彼に拒否権は無いに等しいのであった。

そして何よりも、そう言うフォックスはとてもにこやかな表情をしていたが、その背後にはこの言葉に抗ってはならないような、凄まじい威圧感があるとアイクは感じ、首を縦に振るしかなかった。


こうして、悪魔(フォックス)との契約をしてしまったアイクは、月末までの後数日仕事漬けになってしまったのであった。

アイクは昨夜の悪魔の笑みを思い出し若干恐怖を覚えていると…

「やぁ、アイク」

声をする方を見ると、そこにはマリオが立っていた。

「⁉マリオ…」

アイクは昨夜の嬉し恥ずかしいやり取りを思い出し、顔が赤らんでいく。

そんなマリオも同じようで、少し照れ臭そうだ。

「えっと…、昨日は…心配してくれてありがとう。フォックスから聞いたよ。仕事手伝ってくれてるんだね」

「あ、あぁ…」

「でも本当に大丈夫かい?大変でしょ?無理そうだったらやめても大丈夫だけど…」
「いや、それは大丈夫だ。これ位何とかなる」
(これをやめたらフォックスに何されるか分かったもんじゃない…)

「そ、そうか…」
(そんなに仕事したかったのかな…)

残念ながら悪魔(フォックス)との契約は解除されないのが通説です←
心配でかけた言葉を食い気味で返された為ただただ圧倒されてしまうマリオだった。

「流石アイクサンデスネ!コレカラモ手伝ッテ頂ケレバトテモ嬉シイデス」

「⁉」

「確かにそうだね。アイクが手伝ってくれると僕もとても嬉しいよ!」

そう言ってマリオはニコっと微笑んだ。

(まぁ、マリオが笑ってくれるなら、これからもやっても、いいかもしれないな…)

そう思ったアイクはフッと嬉しいような諦めたような笑みを浮かべたのだった。

「そ、そうだな…少しだけならできなくもない…」

「本当⁉良かった!時間があったら一緒に作業できるかもね」

「確かに、それもそうだな」

「じゃあ後で仕事道具持ってくるよ!」

「オ二人ハ仲ガ良イノデスネ!」


何だかんだで仲良くなれた2人なのだった。

おわり
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