はじめのキッス〈後編〉

~スマブラ館居間~


翌日のお昼休憩時、僕はサムス、フォックス、リンクに相談してみることにした。

「どうしたらアイクにリーダーとして認めてもらえるか…って?」

フォックスの確認の言葉に僕はうんと頷いた。
彼ら3人は頭に?マークを浮かべているのが見える程困惑しているのがよく分かった。

「そもそも、何故アイクに認めてもらわないといけないの?」

「えっと…それはねぇ…」

流石にあの事を話すのは恥ずかしい。あの事を思い出すだけで顔が熱くなってしまう。と思っている内から赤くなっている気がしたので悟られないよう、サムスの疑問に対し僕はキスされたことを隠して話す事にした。

「な、何だかアイクにリーダーとして相応しいか試されてるんじゃないかなって思う所があってね。もし彼や他のメンバーに僕がリーダーらしくないって幻滅されてしまったら、他のメンバーの士気にも影響が出てくるんじゃないかなって。ちょっと心配になっちゃって」

「…なんか考え過ぎのような気もするのだけど」

そう言い若干呆れているサムスを他所にリンクとフォックスは自分の考えを述べていく。

「アイクって硬派だしあまり喋らないよな。だからあんまり奴のことを知らないが、アイツ傭兵団の団長なんだろ?もしかしたら、同じ上に立つ者としてマリオの事を見ているって可能性は否定できねぇな」

「確かにリンクの言うことは一理あるな。それに、この時期にリーダーが不審に思われてしまうとちょっと不味いな。タブーを倒してから日が浅いし残党もちらほらいる。この様な時にメンバーが同じ方向に向いていないのはリスクだと思う」

フォックスの言う通り、タブーを倒し亜空軍は壊滅した。だけどその残党が時々現れ街に被害を及ぼす事件が度々起こっていた。
僕達スマメンはその都度倒しに行っている。まだ気は抜けない状態ではあるんだ。

だからこの時にアイクや他のメンバーが僕の事を見て幻滅、又は不審に思ってメンバーの離脱とかになると色々と厄介な訳で。
それで僕も少し困っているのはあった。

「そうなんだよねぇ。僕としては何か対策を取りたいんだけど、全然考えが浮かばなくて。ちょっと困ってるんだ。何か良い案があれば教えてほしいな」

僕の相談に対し、3人はうーん…と考え込んでいる様だ。

そしてそんな中、やっぱり…とリンクが話し始めた。

「ここは乱闘でケリを付けるしかないな」

「乱闘で?」

「だってここはスマブラだぜ?リーダーっていうと強い奴って誰もがイメージしちゃうだろ?だったら乱闘でアイクに勝てば、マリオとしてもリーダーとしても強いってことを示すことができると思うぞ」

「成る程、確かにそうかも」

それなら威厳は保てるかも!もうすぐ休憩時間も終わるし、次の乱闘でアイクを誘おう。
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