はじめのキッス〈後編〉
思い起こされるのは、つい先程起きた出来事。
~十数分前~
ガチャ
パタン
「…」
月末になり、必要な書類を制作、整理などしている最中うっかり眠ってしまった僕は、部屋の扉が開く音がして眠りから覚めた。
だけどまだ眠くて目を開けられないでいた。
(なんだろ…誰か入ってきた気がするんだけど…)
何故かアクションも声もない。
あれ?聞き間違い?
それとも何か目的が…?
(これは…確認しないと…)
そう思い僕は確認の為目を少しだけ開けて見てみる事にした。
チラッ
「…⁉;」
片目を少しだけ開け見てみると、僕の目の前にはアイクが立っていたのだった。
僕は内心ビックリし過ぎてまた目をつぶってしまった。
(な、なんでここにアイクが…⁉)
目を開いた時、アイクはちょうど僕とは違う所を見ていたようで、僕からの視線に気付いていないようだ。現に彼からのアクションは未だにない。
何故ここに彼がいるのか?
何故黙ったまま何もしておらず立ち尽くしているのか?
大きくこの2つの疑問点が頭の中をぐるぐると駆け巡る。
そしてあまりにも驚き過ぎて、心臓がバクバクと、まるで警鐘のように打ち鳴らす。
そして今、僕はとんでもない誤ちに気付いてしまい、愕然としていた。
(しまった…
起きるタイミングを逃してしまった…!)
もうこのままではいつ目を開けても、彼に対してどうリアクションを取ればいいのか分からない。
というか、この状態で平然を装える自信がない…。
この時点でもう僕には彼が出て行くまでこのまま狸寝入りをするという道しかないのである。
(あぁ…本当に何であの時目閉じちゃったんだろ…困ったな…)
そう思っている間も全くもって反応が無い。
いや、寧ろ…
(彼の息遣いが…近くなっているような…?)
今は視覚が頼りにならないためか、聴覚や触覚が過敏になっているようで。
彼の息遣いの音、吐息をより近くで感じる事ができていた。
そして何よりも、彼の視線が僕に突き刺さるかのように、肌でピリピリと感じる。
視線で殺せるとはこの様な事を言うのだろうか?
(彼は…僕の寝首を掻きにでも来たのだろうか…?)←
そう思ってしまう位静かで威圧的だったんだ。
そんな心境の中だった。
チュ
「…!!?」
僕の鼻に突然暖かい感触と、リップ音…。
まさか…
(これって、キス…⁉)
そう思った僕は驚き固まってしまっていた。
あまりにも予想外の出来事だったから。
ガチャ
バタン
そんな僕を心身共に置いていくかのように、アイクは駆け足で僕の部屋を出て行ったのだった。
~十数分前~
ガチャ
パタン
「…」
月末になり、必要な書類を制作、整理などしている最中うっかり眠ってしまった僕は、部屋の扉が開く音がして眠りから覚めた。
だけどまだ眠くて目を開けられないでいた。
(なんだろ…誰か入ってきた気がするんだけど…)
何故かアクションも声もない。
あれ?聞き間違い?
それとも何か目的が…?
(これは…確認しないと…)
そう思い僕は確認の為目を少しだけ開けて見てみる事にした。
チラッ
「…⁉;」
片目を少しだけ開け見てみると、僕の目の前にはアイクが立っていたのだった。
僕は内心ビックリし過ぎてまた目をつぶってしまった。
(な、なんでここにアイクが…⁉)
目を開いた時、アイクはちょうど僕とは違う所を見ていたようで、僕からの視線に気付いていないようだ。現に彼からのアクションは未だにない。
何故ここに彼がいるのか?
何故黙ったまま何もしておらず立ち尽くしているのか?
大きくこの2つの疑問点が頭の中をぐるぐると駆け巡る。
そしてあまりにも驚き過ぎて、心臓がバクバクと、まるで警鐘のように打ち鳴らす。
そして今、僕はとんでもない誤ちに気付いてしまい、愕然としていた。
(しまった…
起きるタイミングを逃してしまった…!)
もうこのままではいつ目を開けても、彼に対してどうリアクションを取ればいいのか分からない。
というか、この状態で平然を装える自信がない…。
この時点でもう僕には彼が出て行くまでこのまま狸寝入りをするという道しかないのである。
(あぁ…本当に何であの時目閉じちゃったんだろ…困ったな…)
そう思っている間も全くもって反応が無い。
いや、寧ろ…
(彼の息遣いが…近くなっているような…?)
今は視覚が頼りにならないためか、聴覚や触覚が過敏になっているようで。
彼の息遣いの音、吐息をより近くで感じる事ができていた。
そして何よりも、彼の視線が僕に突き刺さるかのように、肌でピリピリと感じる。
視線で殺せるとはこの様な事を言うのだろうか?
(彼は…僕の寝首を掻きにでも来たのだろうか…?)←
そう思ってしまう位静かで威圧的だったんだ。
そんな心境の中だった。
チュ
「…!!?」
僕の鼻に突然暖かい感触と、リップ音…。
まさか…
(これって、キス…⁉)
そう思った僕は驚き固まってしまっていた。
あまりにも予想外の出来事だったから。
ガチャ
バタン
そんな僕を心身共に置いていくかのように、アイクは駆け足で僕の部屋を出て行ったのだった。