はじめのキッス〈前編〉
~スマブラ館居間~
館に来た初日、俺たちXメンバーはこの館の居間に集められた。
「はじめまして。俺はフォックスだ。一応ここでは副リーダーを務めさせてもらっている。よろしくな」
そう自己紹介するフォックスに対し、青いハリネズミが「ちょっといいか? 」と口を挟んできた。
「今日はリーダーはいないのか?」
そういえば、リーダーはあの有名なマリオだという話だったな。一応名前だけは知っている。
確かにこの場には副リーダーであるフォックス以外誰もいなかった。
さっきの青い奴(まだ自己紹介とかしてないから分からん)の言葉に対し、フォックスは「はぁ…」と溜息を吐いた。
「いや、いる筈なんだが…。…あいつはマイペースだからな。…説明している間に合流できると思うから、先に館内を案内していく」
((それでいいのか…?))
皆がそう思う中、フォックスはXメンバーを引き連れ館内を案内し始めるのだった。
~スマブラ館医務室前~
居間から台所、食堂など、1階の主な部屋を巡った後、1番奥にある部屋の前に着いた。
「ここは医務室だ。リーダーであるマリオが管理している。もし怪我や病気になったら彼を頼るといい」
「さて、いるかな…」と呟きながらフォックスは扉を開けた。
部屋の中は医務室なだけに白を基調とした清潔感のある部屋だった。消毒液の匂いもお約束だ。
そんな部屋の中にこの部屋と同じ白衣を着た人物がいた。
「はい、できた。これで大丈夫だ」
「ありがとうマリオさん!」
「もうポポったら、ただ転んだだけで足首捻るなんて」
「だ、だってナナが鬼のような顔で追いかけてくるから…」
「誰が鬼ですって⁉」
「ていうか本当にナナが鬼ごっこの鬼だった訳だし…」
「だからといってその言い方はないでしょ⁉」
「ナナ、捻挫は誰にだって起こることだよ。ポポも、ナナは心配してるんだ。その気持ちは分かってあげて」
「う、うん。心配させちゃってごめんナナ…」
「…わ、私も言い過ぎたわ、ごめんね」
「うん…」
「ふふ、さて、ポポは今日から1週間、鬼ごっこしたり走ったりとか激しい運動は控えるようにね。後乱闘も今日から1週間お休みしてもらうよ」
「はい…」
「ナナには悪いんだけど、ポポのサポートを頼むよ」
「分かったわ」
「僕も出来るだけサポートするから、何かあったらすぐに知らせるようにね」
「「うん」」
3人の会話が一区切り着いたのを見計らい、んん!とフォックスは咳払いをした。
「おいマリオ、ちょっといいか」
フォックスの一言と、後にいる俺たちを見て全てを察したようで、マリオは小さく「ぁ…」と呟き固まる様子が見てとれた。
「えっと…ポポとナナ、もう戻って大丈夫だよ」
「そ、そうね、行くわよポポ」
「う、うん…」
2人はそそくさとこの場を後にした。
「ごめんフォックス。案内ありがとう…」
「ったく…もう…。後で何か奢れよ」
「うん、分かった」
何というか、なんだこの緩い感じは…?
スマッシュブラザーズはもう少し、緊張感というか、そう、殺伐としているような印象をもっていたのだが、ここに来て早々に崩れるとは思ってもいなかった。
その原因は大体リーダーである彼なのだろう。
己の更なる強さの為にここに入ったというのに、大丈夫なのだろうか…。
そう思っていたが、タブーの襲来によって俺のマリオに対する印象はガラリと変わったのだった。
館に来た初日、俺たちXメンバーはこの館の居間に集められた。
「はじめまして。俺はフォックスだ。一応ここでは副リーダーを務めさせてもらっている。よろしくな」
そう自己紹介するフォックスに対し、青いハリネズミが「ちょっといいか? 」と口を挟んできた。
「今日はリーダーはいないのか?」
そういえば、リーダーはあの有名なマリオだという話だったな。一応名前だけは知っている。
確かにこの場には副リーダーであるフォックス以外誰もいなかった。
さっきの青い奴(まだ自己紹介とかしてないから分からん)の言葉に対し、フォックスは「はぁ…」と溜息を吐いた。
「いや、いる筈なんだが…。…あいつはマイペースだからな。…説明している間に合流できると思うから、先に館内を案内していく」
((それでいいのか…?))
皆がそう思う中、フォックスはXメンバーを引き連れ館内を案内し始めるのだった。
~スマブラ館医務室前~
居間から台所、食堂など、1階の主な部屋を巡った後、1番奥にある部屋の前に着いた。
「ここは医務室だ。リーダーであるマリオが管理している。もし怪我や病気になったら彼を頼るといい」
「さて、いるかな…」と呟きながらフォックスは扉を開けた。
部屋の中は医務室なだけに白を基調とした清潔感のある部屋だった。消毒液の匂いもお約束だ。
そんな部屋の中にこの部屋と同じ白衣を着た人物がいた。
「はい、できた。これで大丈夫だ」
「ありがとうマリオさん!」
「もうポポったら、ただ転んだだけで足首捻るなんて」
「だ、だってナナが鬼のような顔で追いかけてくるから…」
「誰が鬼ですって⁉」
「ていうか本当にナナが鬼ごっこの鬼だった訳だし…」
「だからといってその言い方はないでしょ⁉」
「ナナ、捻挫は誰にだって起こることだよ。ポポも、ナナは心配してるんだ。その気持ちは分かってあげて」
「う、うん。心配させちゃってごめんナナ…」
「…わ、私も言い過ぎたわ、ごめんね」
「うん…」
「ふふ、さて、ポポは今日から1週間、鬼ごっこしたり走ったりとか激しい運動は控えるようにね。後乱闘も今日から1週間お休みしてもらうよ」
「はい…」
「ナナには悪いんだけど、ポポのサポートを頼むよ」
「分かったわ」
「僕も出来るだけサポートするから、何かあったらすぐに知らせるようにね」
「「うん」」
3人の会話が一区切り着いたのを見計らい、んん!とフォックスは咳払いをした。
「おいマリオ、ちょっといいか」
フォックスの一言と、後にいる俺たちを見て全てを察したようで、マリオは小さく「ぁ…」と呟き固まる様子が見てとれた。
「えっと…ポポとナナ、もう戻って大丈夫だよ」
「そ、そうね、行くわよポポ」
「う、うん…」
2人はそそくさとこの場を後にした。
「ごめんフォックス。案内ありがとう…」
「ったく…もう…。後で何か奢れよ」
「うん、分かった」
何というか、なんだこの緩い感じは…?
スマッシュブラザーズはもう少し、緊張感というか、そう、殺伐としているような印象をもっていたのだが、ここに来て早々に崩れるとは思ってもいなかった。
その原因は大体リーダーである彼なのだろう。
己の更なる強さの為にここに入ったというのに、大丈夫なのだろうか…。
そう思っていたが、タブーの襲来によって俺のマリオに対する印象はガラリと変わったのだった。