鍋
結局なんだかんだで言いくるめられたルイージは、ワリオ、ワルイージとの3人で闇おでん鍋対決をすることになった!(マリオは賞品な為不参加)
「なげやりだなぁ!おい!作者!」
(はぁ、なんで僕がこんな事に…)
滅相も無い
「褒めてねぇから!」
「ルイージ、誰と話してるんだろ?」
「ほっといてやれ、きっと大人の事情だ」
「?」
「よし!今から電気を消すぞ!面倒くさいから一斉に食べるぞ」
机の上の鍋には、例の激辛がんも。そして分かりにくいように同じようながんもが数個投入されているようだ。おでん版ロシアンルーレットである!
「本当に投げやりだな兄貴」
「やる意味あるのかな?」
「そこは男のロマンだ!よし!いくぞ!」
「頑張って3人共!」
ワリオの合図と共に、3人は自分ですくった具を口の中へ放り込んだ!
その時
「ぐあぁああああああ!!!!」
「!?」
誰かの叫び声が部屋中に響き渡ったのだ!
(まさか、あのヤバいがんもを誰か食べたのか!?)
ルイージがそう思ったと同時にワリオが電気をつけたようで、全貌が明らかとなった。
「!?、ワルイージ!?」
なんとワルイージが口から煙を出し倒れていたのだ!
マリオは叫ぶと共に彼に駆け寄り、視診をする。
(1度口にしただけであのざまか。恐るべしだな)
「ワハハハ!ワルイージがあれを食べたか!」
「わ、笑ってる場合じゃないでしょ!?兄さん、どう?」
「うん、気絶してる。命に別状は無いみたい…」
「そうか、良かった…って訳じゃないけど…」
そう、安堵はしていられない。明日は我が身なのである。
「さて、ワルが1個食ったってことは、残りのがんもは後2個だな」
「まだそんなにあるのか!?」
「ワルがダウンしちまったからな。誰かが2個食わないといけねぇな」
「何そのルール!?」
ルイージのツッコミに対し、ワリオは机に肘をつき渋い顔つきでこう言った。
「ふっ…、面白けりゃいいんだよ面白けりゃ」
「いや言ってる意味分からないんだけど、それに全然笑えないからね!僕らの身の危険が迫っていることだからね!!」
「なんだ?じゃあ、俺様がマリオと二人羽織してもいいのか?」
「…!?そ、それは…」
ルイージは焦った。一口食べただけで気絶必須の激辛がんも。ここで辞退すればワルイージのような悲劇に見舞われることはないが、兄との二人羽織の権利をワリオに譲るのはどうしても避けたい。
「さぁどうするルイージ!」
ルイージは愛しの兄の顔を見た。目と目が合うと、兄はまるで頑張れと言っているかのようにニコリと微笑んだ。
兄を取りがんもを食べるか、保身を取り兄を捨てるか…
「~~!!;」
(く、くっそおおおおお!!)
心では泣きながら、半ばやけになりつつ箸をとるルイージなのであった!
翌日
「それで?結局その勝負に乗ってそんな唇になっちゃった訳ね?」
見舞いに来てくれたデイジーの言う通り、ルイージはワリオと共に激辛がんもに当たり気絶。そして唇が明太子のように腫れあがり、丸一日は静養をとる破目になってしまったのである。
「ほーはんはひょ!ほうさぁんさぁんしゃ!」
(そうなんだよ!もう散々さ!)
「でも、貴方の意思でやった以上文句は言えないでしょ?それに…」
「?」
「結果的に貴方の大事なマリオは守れたんだし結果オーライじゃない。それで貴方は一日中看病してもらえてるんだし?」
「しょ、しょれふぁしょーしゃへど…//;」
(そ、それはそうだけど…///;)
そうルイージは俯いている中、マリオがお茶を持って部屋に戻ってきた。マリオはデイジーにお礼を言いながら淹れたてのお茶を手渡した。
「デイジー、今日はありがとうね」
「いえいえ、なんだかんだで幸せそうなタラコルイージの顔が見れて良かったわ」
「?」
「ふぇ、ふぇいじぃー!?//;」
(で、デイジー!?//;)
あたふたするルイージをよそに、お茶を一口啜ったデイジーは一呼吸おき、視線をお茶からマリオに移した。
「ねぇマリオ?結果的に貴方がしっかりしてないせいでルイージがこうなったのよ?ちゃんと謝った訳?」
「た、確かにそうだよね…。ごめんよルイージ;」
そう言いマリオはルイージの手を握った。仲直りの握手をするつもりなのだろう。
「ふぃ、ふぃいしゃん…!」
(に、兄さん…!)
「治ったら、また二人羽織しよう。約束通り今度はルイージが後ろだね」
「ん、んん!!」
そう言いルイージはマリオの手を嬉しそうに握り返した。
「あー…、ホントお熱いわね…;」ボソッ
(このブラコン共め…;)
なんだかんだで苦労をしているのはデイジーなのかもしれない。
(ほんと、こんなんじゃ見舞いなんて来るんじゃなかったわ…)
おわり
次、言い訳という名のお詫びとおまけ