「ごめんねルイージ」

「い、いや大丈夫だよ兄さん!;」

そういう弟のほっぺには赤くて丸い火傷の跡がついている。余程熱々にしてあったのだろう。

「じゃ、じゃあ、次は僕が後ろをやる番かな?」

「うん、そうだね」

(よっしゃああああああ!これでやっとお楽しみの時間が…!)←


その時


ガチャ!と勢いよく扉が開かれたのである。


「よぅ!マリオいるかぁ!?」
「邪魔するぜ」

開かれた扉からドカドカと威勢の良い声をあげながら入って来たのはワリオとワルイージだ!


「やぁ、いらっしゃい!」

「や、やぁ…」
(ちっ、思わぬ邪魔が…)

双子で全く逆の反応を示している中、ワリオは机に乗っているものを見ていたようで、頭に?マークを浮かべていた。

「お!おでんじゃねぇか!てか、羽織なんか出して何やってんだ?」

「あぁ、今二人羽織してたんだ!」

「兄貴あれだ。ほら、2人で同じ羽織着て後ろの奴が前の奴に飯を食わせたり、あれやこれやする芸のことだ」

「ほぅ…、それは面白そうだなぁ」

(うわぁ…、ワリオったら絶対良くないこと考えてるんじゃないか…?ここは要件だけさっさと済ませてもらって早く帰ってもらおうかな…)

「あ!そうだ!今日はおでん多くなっちゃったから、2人共食べてきなよ!」

「!?」
(に、兄さん!余計なことを!?)

「いいのか?といっても俺達もそのつもりで来てるからな」

「へへ!そうそう!お土産といっちゃあなんだが、こいつを鍋に入れてくれよ」

そう言いワリオがマリオに何かが入っていると思われる小袋を手渡した。

「何が入ってるんだい?」


「ふふふ~、これはなぁ、俺様特製にんにくとハバネロ入りの特製がんもだ!」


「「えええええええええ!?」」


2人が驚愕する中、ワリオは自信満々なようでドヤ顔をかましながら一言言い放った。


「な?冬にはもってこいだろ?」
「何が、な?だ!そんなもの食べたら唇が腫れちゃうよ!?」

「うーん、唇が腫れるのはいやだなぁ;」

そして2人が困惑する中、ワリオはまたしてもドヤ顔をかましながら一言言い放った。


「なんだお前等、逃げるのか?この戦いに」


「「!?」」
(は?)

彼以外意味が分かっていないようであるが、彼はそんな空気もお構いなしに話を続ける。

「えらい奴が言ってるだろ?鍋を制する者こそ真の統率者なり、と!」


「へぇ!そうなのルイージ?」

「いや僕に聞かれても…;」

「今日は嫌に勇ましいな兄貴」


「…。ふっ、その反応好きだぜお前等。だがそう言っていられるのも今の内だぞ?」

「「?」」

「この戦いを制した者は…マリオと二人羽織ができる権利を与える!」

2人「!!?」

「…へ?;」

「お前等、この戦い、受けてみるか!?」

「ま、まぁ…、それならしょうがないかな…?」

「確かに、仕方ねぇな」

「んん…?;」

「うっし!初めていくぞ!!」

「え、え?;」

明らかに場の空気が変わり、今まで批判的だった弟と友人の豹変さに全くついて行けてないマリオなのだった。
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