ネツ


「なぁマリオ」

「?」


呆気にとられていたマリオにフォックスは声を掛けた。


「今朝もお前は高熱のままだ。このままこの状態が続くと危険だ、病院に行って診てもらおう?」


そう心配そうなフォックスからの意見に他の3人も賛成らしく、うんうんと頷いていた。



その時…



「マリオ~!」


「「?」」


声がする方を向くと、ピーチ姫が満面の笑みで部屋に入ってきた。


熱そうな1人前の小さな土鍋を持って。


「良かった!起きていたのね!」

「えぇ…今さっき…」

「姫…、その土鍋は…?;」


ルイージが恐る恐るピーチに尋ねた。


「あぁこれ?マリオに食べてもらおうと思って!」


そう言いカポッと土鍋の蓋を開けると湯気が中からもわっと出てきた。そしてその中身は…


「…、何だ…これは…?;」


土鍋の中には赤黒い色をした何かがあった。そう言ったフォックスを始めその部屋にいたピーチ以外の全員が息をのんだ。


「何って、お粥よ?」

「「いやいやいやいや」」

ピーチからの衝撃発言に全員のツッコミが入る。

「そんな色したお粥見たことねぇよ!;」

リンクのツッコミの通り、当たり前だが誰もがそんなお粥を見たことが無かった。流石にそんな得体の知れないものをマリオに食べさせるわけにはいかないのだ。

「大丈夫よ!早く元気になってもらおうと思って、色んなお野菜に栄養ドリンクやタバスコその他諸々をお粥と一緒に煮込んだピーチ特製スペシャルお粥なのよ!」

「なんでタバスコ!?;」

「そりゃ身体を暖めないといけないでしょ?」

ルイージのツッコミに対しての返事に流石のマリオも嫌な汗を流していた。

「その他諸々って所も気になるわね;」

「だからこんな色に…;」

「サムスもフォックスもそんな事言ってぇ、本当は私のお粥食べたいんでしょ?」
「「滅相もございません;」」


「マリオー!!!」


「「!?」」


大声で怒鳴りながら部屋に入ってきたのはクッパだ!


「ピーチちゃんのお粥を食べていいのは我輩だけだ!」

((どうぞどうぞ食べてあげて下さい))

クッパのそんな発言に対し、マリオとピーチ以外の全員がそう思ったが口には出来なかった←

「何言ってるの!?これはマリオの為に作ったお粥なの!貴方なんかにあげないわ!;」

「そんなこと言っちゃって、本当は我輩に食べてもらいたいのだろう?恥ずかしがることではないぞ?ガハハハハ!」


そうよく分からないことを言いながら、クッパはピーチの手から土鍋を取った!


「ちょ、ちょっと!;」

「頂きますなのだ!」


ピーチの制止も空しくクッパは土鍋をひっくり返し、お粥らしき物は全てクッパの口の中に入っていった。


すると…



「あ、あがああああああああああああ!!!!」


「「!?;」」


突然クッパは絶叫すると共に口から火を噴いた!


「か、辛い!!み、水ーーーーーー!!!;」


そう言うとクッパは慌てて部屋を出て行ったのだった。

「ピーチさーん!」

皆が唖然としている中、走って部屋に入って来たのはゼルダ姫だ。


「はぁ、ピーチさん…!;あのお粥、入れる材料間違えてたんです…!」

「え!?;」

ピーチがビックリする中、更にゼルダは走ってきて上がった息を整えつつ話を続ける。

「はぁ、実は…、あのお粥に、タバスコと間違えてハバネロの濃縮エキスを入れてしまったんですっ…!」

「な、なんですって!?;」

「「は、ハバネロー!?;」」


どうやらあのお粥にはとんでもないものが入っていたらしい…。それを聞いた全員が衝撃を受けた。

確かにそれならクッパのあの反応も納得いく。


「え、えと…。ま、マリオ?私あのお粥ちょっと、その…失敗してたみたいだから、また作り直してくるわね;」

「え、えぇ…;」

「そ、それじゃあね。ゼルダ行きましょ;」

「はい!」


そう言って2人は部屋を出て行った。


2人が出て行った後、部屋にいた全員が胸を撫で下ろした。
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