ドリル

そんなネスの質問に、マリオは答えた。


「そうだね…。確かに勉強しなくても生きてはいけるかもしれない。でも考えてごらん?皆本を読んだりするだろう?どうしてその字が読めるんだい?」

「それは学校とかで教えてもらって…あ…」

「そうだねトゥリン。後、お菓子作りや料理する時なんかだと意外と計算が使われるんだ」

「え?計算?」

そう聞き返したポポにマリオは頷く。

「そう。例えば、4人分だと牛乳300cc使う料理を8人分作りたいとするとき、牛乳は何cc使うか分かるかい?」

「分かるわ!600ccよ!」

「そう正解。ナナ、今どうして分かった?」

「そりゃあ計算して…あ」

「そう。本を読んだり、料理をしたり、買い物したり…、僕らが日常で何となくやってることは皆学校で勉強したり大人から教えてもらったから出来ることなんだ」

「確かにね…」


「でもさ、日常じゃ使わないことだって勉強しなきゃいけないじゃん!なんで?」


トゥリンはそう同意したのに対しネスは不満気に答えた。


「うーん…」


マリオは少し考えると、何か考えついたのかネスにこう言った。


「ネスは将来何になりたい?」


「え?将来?」

きょとんとして聞き返すネスにマリオは頷く。

「そう、将来の夢ってある?」

「うーん…、…パパみたいになりたい…かな」

「そうか…良い夢だね」

「うん…//…でも何の関係があるの?」


関係ないじゃんと言わんばかりのネスにマリオはこう尋ねた。


「ネスはこれからどうやったらパパみたいになれると思う?」


「そりゃあ大きくなったら会社に入ってお仕事をして…」

「じゃあその会社に入る為にはどうしたらいいのかな?」

「えー?うーんと…;」

ちょっと分からなくなってきたネスに、マリオはこう答えた。

「会社に入って仕事をしてお金をもらう為には、その仕事の事を勉強して知らないといけないんだ」

「?、どういうこと?」


ネスは更に分からなくなったようだ。そしてマリオは更に説明していく。


「僕は医者をやっているのは知っているね。でも医者になる為には身体のこととか薬のこと、医療のこと、色んなことを勉強して知らないといけないんだ」

「確かに、何も知らないとやぶ医者になっちゃうよね」

「やぶ医者じゃ診てもらいたくないもんねぇ;」

リュカとポポが口々にそう言った。

「でしょ?勉強しないと皆を治せない。だから、勉強したから僕はここにいる。医者をやっている。他のお仕事もそう。勉強しないとできない仕事が殆どさ。そしてその勉強の基礎を君達は今学んでいるんだよ」

「基礎?」

トゥリンの頭の上に?マークを浮かべながらそう聞き返した。

「そう、お仕事をする為の勉強の基本となるもの…かな」

「何か…頭がこんがらがってきちゃったよ…;」

そう言うトゥリンの他にも何人か頭がこんがらがってきているようだ。


「ごめんごめん;まぁ要は…


夢を叶える為の勉強なんだよ」


そんなマリオの言葉に…


「夢を叶える…か」

「それなら僕でもわかるよ!」

トゥリンもポポもそう言い納得したようだ。

「そっかぁ、それなら勉強しなくちゃね!」

「うん!」

ナナもリュカも納得し、ナナの言葉にリュカは同意した。


「どうかな?ネス」

マリオは、1番その答えを知りたがっていた人物にそう尋ねた。
ネスはその言葉ににこっと笑いながら答えた。


「うん、分かった!」


ネスもマリオの話に納得したのだろう。そんなネスの様子にマリオはにこっと微笑んだ。


「さて、ちょっとは休憩になったかな?あともう少しで皆ドリル終わりそうだし、終わったらおやつにしようか?」

「賛成ー!」

ポポが嬉しそうにそう言い、ネスも元気よく皆にこう言った。

「よーし!勉強頑張るぞ!」

「「おー!」」



そしてその後無事ドリルも終わり、皆でおやつを食べたそうな。


おわり


次、あとがきとおまけ
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