ドリル
「どりるって何でちゅか?」
「食えるものか?」
「さぁ…?;」
ピチューとディディの問いにピカチュウも首を傾げる。彼も初めて見るものだった。
そんな中マスターはまた自信満々な顔で答えた。
「そうだドリルだ」
「ちょ、ちょっと待ってよ!!」
抗議をあげたのはネスだ!
「こんなの暇つぶしでも何でもない!地獄だよ!;」
「「そうだそうだ!」」
ドリルの意味を知っている者達はネスの意見と一緒なようだ。
「そうかぁ?これは画期的な暇つぶしだぞ?」
「どこが!?;」
ネスは今から自分たちに地獄を見せようとしている神に憤りを見せながらそうツッコんだ。だが…
「私はこの1、2週間、年越し・正月乱闘を頑張った褒美としてお前達に休みを与えた。だがどうだ?昼間っからずっとコタツに入って食っちゃね食っちゃね…」
「う…」
「それはそうだけど…;」
マスターの適格な一言にネスもトゥリンも言い返せない。
「何もせずグウタラするよりは、頭のキレを良くし、知識を習得したほうが理に適っているとは思わないかね?」
「それはまぁ…;」
「そうだけど…;」
ポポもナナもマスターの意見に同意せざるをえないようだ。他の子どもたちも言い返すことが出来ず、黙るしかなかった。そんな中ネスは…
「でも僕たちだけやるって不平等じゃない?他の皆だってグウタラしてるじゃないか!;」
せめてもの切り返しにかかる。だがマスターにはお見通しだったようで。
「そこは問題ない」
あっさり切り返してきた。そして部屋の外に顔を向け呼ぶようにこう言った。
「おい、そこで隠れている未成年共」
「!?;」
マスターに言われ、リンクを始めとした未成年のメンバーがぞろぞろと出てきた。どうやら、マスターと子ども達の会話を聞きつけ、スマメンのほとんどが居間の周りに集まってきていたようだ。
「お前等にもちゃんとドリルがあるからな」
「「ええええええええええ!?;」」
今まで他人事だと思っていたが故、いきなりの参加に未成年衆は驚きの声を隠せない。そしてマスターは今度は大人たちへ…
「そしてそこら辺に隠れている大人共、お前等には子ども達に全力で勉強を教えてドリルを完成させてもらうぞ!」
そう大声で言ったのだ。
「うわ…;」
「マジかよ…;」
辺りから驚きと落胆の声が聞こえてくる。
そしてマスターは畳み掛けるように、大声で全員に聞こえるようにこう言った。
「そして、この休みの間に一人でもドリルを終わらせていない奴がいた場合、連帯責任として全員…"フォックスの金稼ぎステージ参加ノルマを1か月間倍"にする!」
・・・。
「「えええええええええええええええええええ!!!?;;;」」
全員の悲鳴にも似た叫び声はスマブラ館全体にこだましたのだった…。
~スマブラ館ネスの部屋~
「はぁ、皆まだかぁ…」
「そうだね;」
ネスのため息交じりの言葉にリュカも同意せざるを得ないようだ。
「やっぱり自力じゃ無理ってもんがあるよねぇ」
「ていうかまずやる気がないわ…;」
「確かに…;」
ポポ、ナナ、トゥリンの3人もやる気が出ていない様子。
何故彼らは大人たちに教えてもらっていないのか…?
それは、まず数日間自分達で解いてみるようフォックスに言われたからなのである。それでも分からなかったら大人たちに教えてもらうようにとも言われていたのだ。
「仕方ない…;」
「「?」」
ネスはそう言い立ち上がった。
「大人たちに聞きに行こう!」
「でもこのドリルの問題が分かる大人たち今いる?」
「あ;」
ポポとネスのやり取りの通り、この数日間大人たちは仕事や用事で殆どが館にいない状態が続いていた。
「と、とりあえず掲示板見に行こうよ!今誰が館にいるか分かるし、もし誰かが帰ってきてくれればなんとかなる訳だしね;」
「そ、そうだね;」
「じゃあ見に行こうか」
そういうことで5人は掲示板を見に行くことにしました。