ドリル


コンコン


「どうぞー」


ドアからのノック音にネスは顔も向けずに答えた。答えてすぐにドアが開き、そこからトゥリン、アイスクライマー、リュカの4人がぞろぞろと部屋に入ってきた。

「ネスー、ドリル終わったー?」

「いーや、全然;」

集団の先頭にいたトゥリンの声掛けにネスはそう返しながら皆の方に顔を向けると、皆の腕にはドリルが抱えられているのがふと目に入った。

「…その様子だと皆も終わってないっぽい?;」

「イエース;」

「右に同じく;」

「私もよ;」

トゥリンの返事にアイスクライマーの2人も同意し、その隣のリュカもコクコクと頷いていた。


何故彼らがドリルをやる破目になったのか…


それは…




数日前…


~スマブラ館居間~


「あ~、温い…」

「やっぱ冬はコタツだよねぇ…」


居間にドンと置かれたスマメン専用大人数が入れる大きなコタツに、子どもたちが昼間っからヌクヌクしていた。


「こんなに寒いんじゃあ外に出て遊びたくもなくなるよねぇ」

「そうそう」

ネスのそんな一言にトゥリンもダラダラとした口調で同意した。
子ども達も皆そんな彼らのようにダラダラモード。

「みかんあるよ、食べる?」

「食べる~」

「ポヨ~!」

「僕はアイスがいいからちょっと取って来ようかな、よっこらせっと…」

そう言いながらポポはダルそうに腰を上げた。すると…

「あ、じゃあついでにジュース取ってきてよ」

と、ナナ。

「後お菓子ね」

と、トゥリン。

「ちょ、自分で行けよ!なんで僕にだけ押し付けるのさ!;」

ポポの文句に対してトゥリンは軽くコタツに頬をつきカッコイイ顔つきで言った。

「ふっ、立った奴は親でも使えってね」
「何カッコイイこと言ったみたいな顔してんだよ!?;言ってること全然格好良い事じゃないからね!!;」


「やぁ、お前達!」

「「?」」


子ども達が声のする方を見ると、そこにはマスターがいたのだった。


「何だマスター?」

皆が不思議そうな、そして珍しそうな顔をしている中、ピカチュウが代表してマスターに聞いた。


「いや、お前達暇そうだなと思ってな、とっておきの暇つぶしを持ってきてやったぞ」


「え?何それ?」

マスターの自信満々なセリフに興味を示したネスは真っ先に問う。

「それはだなぁ…」


そう言いながらマスターはパチンと指を鳴らすと…


ピカァ…


「「!?」」


コタツの上が光輝いた。そしてその光が消えた時、子ども達の顔の笑みも消えた。そこに残っていたのは…



「え…」

「嘘…」

「これは…」

「ど…」





子ども達「ドリルうううう!?;」
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