電話
クッパ視点
~クッパ城クッパの部屋~
「ぐぬぅ……;」
自分でもここまで出るのかと思ってしまう程の溜息である。
何故こんなに溜息が出るのか。それは、ここ最近つまらないからだ。
何故つまらないのか。それは…
マリオに会えていないからだ←
あぁ、会いたい。いっそのこと捕まえてしまおうか。
…いや、それはやはりできない。実際やっても逃げられるか、あの弟に阻止されるかだ。何回かの体験上←
「あぁ、つまらん…」
そうぼやいていると…
「クッパ様」
「!?;」
急に後ろから声がしたから振り返ると、そこにはカメックが立っていた。
「お前、ノック位しろ;」
「すいませんクッパ様;扉が開いていたのでつい…;」
どうやら我輩は扉を閉め忘れる程あ奴に夢中になっていたらしい。これは中々恥ずかしい;
「ぐ…ぐふん!//;それで、一体何の用なのだ?」
「あ、はい;そろそろパーティに出発するお時間なのですが…」
「おぉ、そうであったな」
そうであった。今日はマリオパーティがある日であったな。…ということはマリオに会えるやもしれん!
そう思ったや否や我輩は急ぎ足で会場に向かうことにした。
~マリパ会場クッパ特設ルーム~
ここは、パーティに参加している連中がクッパマスを踏んだ時、あるいはクッパ電話を使った時にこの部屋に転送され、我輩が好き勝手にルーレットを回して妨害をする面白い部屋だ。
…だが、あいつらは極力この部屋に来ないよう避けているからな、大体暇だ。
「さてと、参加者は誰なのだ?」
モニターを起動し、パーティ内容を確認する。
「なになに…、ピーチちゃんにワリオ、緑の髭…おぉ!マリオがいるではないか!場所はブクブク深海、15ターンか。うむ、ここに来る可能性は無きにしも非ずだな;」
いなかったら帰ろうと思っていた所だ。さぁマリオよ、早くここに来い!←
そして十数分後…
待てども待てどもマリオは来ない。
「ぐぬぅ、思ってはいたが中々来んな…;」
糞ぉ…、こうなったらミニクッパに頼んで奴のサイコロに細工でもしないと…
そう考え始めていた矢先…
ピロピロピロ…
急に傍に置いてあったクッパ電話が鳴り始めた。しめた!誰か知らんがクッパ電話を使ってくれたようだ!だが一体誰だ?
様々な思いを胸に電話に出る。
ピ!
「…もしもし、クッパだけど」
『もしもし』
「!?//;」
そ、その声は、マリオ!!?;
まさかいきなり当たりが来るとは…//
い、いや、まだ分からん。まだあ奴が来るとは言っておらんからな。
逸る気持ちを隠しつつお決まりのセリフを奴へ問う。
「おまえはだれ?」
『マリオだよ』
「ほぅそうかそうかマリ……!?//;」
な、なななんと本人キターーーー!!←
どうせ来ないだろうと思っていた矢先の出来事故、頭の中はもうお祭り状態だ!
『?、どうしたの?』
「い、いや何でも無いのだ!;よしよしではそっちに行くから待っていろ。ガハハハハ!」
プチ!
「…、や、やったのだ…!」
とうとうマリオが来る!久しぶりだな。もう嬉しくて仕方が無い。
もういっその事このままお持ち帰りしてしまおうかとも思ってしまっている←
よし!では早速マリオを転送!!
ポチッとな
バシュ!!
「おっと」
スイッチを押すと転送パネルの上にプレーヤーが来る仕組みだ。という訳で、今マリオが瞬時に我輩の前に立っているのだ。
あぁ、久しぶりなのだ。まぁ1、2週間ぶりなのだが。
湧き出てくる煩悩を押さえつけ、取りあえずいつも通りのセリフを言う。
「ガハハハハ!会いたかったぞマリオ。さーて、今回はどんな恐ろしいイベントが起こるかな?ガハハ!それでは、ルーレットでイベントを…」
「クッパ」
「?」
何故かマリオはお決まりのセリフを遮ってまで我輩の事を呼んだのだ。
こんなの、今まで1度も無いことだ。
「何なのだ?」
「…最近、元気が無いそうじゃないか。どうしたんだい?」
その言葉を聞いた時、頭の中が真っ白になった気がした。