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~終点~
「さぁ、急遽始まったマリオ争奪戦も終盤!決勝戦を迎えました。司会のクレイジーでーす!」
「ちょ、ちょっと待て!」
「何ですか?解説のフォックスさん」
「何だよいきなり終盤って!?読んでる人混乱するじゃねぇか!?;」
「いやぁ、(尺の都合上)ちょっとカメラの調子が悪かったようで今までの予選が全然取れてなかったんですよねぇ」←
「ていうことは何か!?俺さっきまで真面目に解説してたの馬鹿みたいじゃないか!?」
「おや、中継が繋がっているようです。現場のリンクさーん」
「ちょ、聞いてるのか!?お…」
~選手控え室~
「うーい、こちら選手控え室。現在、決勝に見事勝ち進んだルイージ、クッパ、ゲムヲの3人に来てもらってるぜ」
3人「いえーい!」
「じゃあ適当に決勝への意気込みを右から語ってけー」
「マリオの野郎をいじめて良いのは俺だけダ」
「ふん、マリオは我輩のモノだ」
「兄さんは絶対に渡さない!」
「ということでそっちに返すぜー」
スネ「ちっ!負けちまった;」
CF「まぁ、そんなことよりよ」
スネ「?」
ファ「そうだな、誰に賭けるんだ?」
CF「俺はルイージに(酒)1杯賭けるぜ」
ファ「じゃあ俺はクッパに2杯」
スネ「何だよ、人が頑張って戦ってた時に賭けてたのかよ;」
CF「へへ、もう俺は予選でコイツから2杯奢ってもらえるって決まってるからな」
ファ「今回は負けねぇ;」
「…」
(皆勝手な事ばっか…。アイツの事なんか考えもしないで…)
ガチャ
サムスが控え室から出ると、廊下の隅のベンチにピーチがいた。だが…
「…ぐす」
「ピーチ?」
膝を抱え、一人涙しているのだった。これにはサムスでも見逃せなかった。
「サムス…、ごめんなさいこんな所を見せてしまって;」
「いいえ;…隣、いいかしら?」
「えぇ…」
ポスッ
サムスはピーチの言葉を聞き、隣に腰かけた。
「…惜しかったわね、さっきの試合」
「えぇ、あそこにボム兵が出なかったら…;」
「そうね…;」
ピーチは先程行われた予選で惜しくも破れてしまったのだ。それから、沈黙を割くようにピーチがポツリと述べた。
「あぁあ…。マリオと1日ずっと一緒にいたかったな」
「…向こうの世界では会えないの?」
「うーん、会えてはいるけど、2人っきりってあまりないの。だからここ位よ、こんなにマリオとの距離が近い場所って…」
「そう…」
『3、2、1、GO!!』
遠くの会場から、開始の合図がこちらにまで響き渡っていた。
「これで決まっちゃうのよね…。マリオ、大丈夫かしら…」
「…。…やっぱり」
スクッ
「?」
サムスはいきなり立ち上がり、会場の方へと向かったのだ。
「…許せないわ…」
「…サムス?;」