流れ星
「がはぁっ!!」
ドンッドンッズザーー!!
「マリオーーー!!」
マリオの腹部に拳がもろに入り、マリオは吹き飛ばされた。その衝撃は凄まじく、マリオの身体は2度ほど地面を跳ね、転がった。
ピーチもこれには叫ばずにはいられない。
「ゲホッ!ゲホッ…!」
なんとか丘の頂上から落ちずには済んだが、今までのダメージと、今受けた大ダメージにより身体はもう悲鳴をあげ、咳き込むと同時に口から血が滴る。
限界が近づいている…。
その事実は本人も認めざるを得なかった。
(あの感触…。元から1、2本はイッていたようだが、今ので何本かイッたな。
それに、もう既に炎もマントも使えない程魔力は残っていないようだ。
…まぁ概ね、カメック達の奇襲で受けた大怪我を治すために魔力の殆どを消費していたって所か…)
クッパが冷静に分析する中、マリオは悲鳴を上げる身体を一生懸命鼓舞し、なんとか立ち上がる。だが脚はおぼつかない。
(ここまでくるともはや虐めだが…、あ奴の目を…
一片も曇らない、諦めなど微塵も見当たらないあの目を…
…曇らせるまでやめる気はせんな…!)
クッパは戦闘態勢に移る。今すぐにでも走りだし、マリオに止めをさそうとする気だ…!
ピーチはそう思ったがどうしたらいいのか皆目見当がつかない。
クッパを自分の手で倒すことも、マリオを連れてここから逃げることもピーチにとっては不可能に近かったからだ。
(私は、どうしたらいいの…!!?
ただここで指をくわえて見ていろって言うの…!?
…でも…マリオを助けたい…
いえ…マリオを助けなきゃ!
私の…やるべきことは…!!)
ピーチは両手を組み、天を仰いだ。
(私の出来ること…やるべきこと…)
「星の精たちよ…お願い…
マリオに…星のご加護を…!!!」
「マリオ!!これで止めだああああ!!」
「…!?」
クッパはマリオ目掛けて走りだした。マリオも一応の構えを取るが、心もとない。
そしてついにクッパが拳を振り上げた!!
「マリオーーー!!」
そんな状況に咄嗟に叫んだピーチの声が木霊する…