流れ星
「「!?」」
突然上空…いや、飛行船のほうからマリオを呼ぶ大きな声…。
この声はとても聞き覚えがあった。
「この声は…」
「危ないっ」
「!?」
ドーン!!
声が聞こえたかと思ったら、私はいつの間にかマリオに抱きかかえられ空中を舞っていた。
ふと下を見ると、つい先ほどまで私たちがいた場所は何者かによる衝撃で土煙が酷く立ち込めていた。
きっと、マリオの判断が少しでも遅れていたら、あの黒い影の餌食になっていたかもしれない…。
そう思った途端、私はゾッとした。
スタッ
マリオは土煙の届かない所へ着地し、私を下してくれた。
「ガハハハハハ!!」
「「!?」」
土煙の中心から高らかに笑うその影は、土煙が消えると同時にその全貌を現した。
「やはり生きておったか、マリオ」
「クッパ!」
「…お陰様でね」
「ふん、悪運が強い奴め。折角貴様がいない間にピーチちゃんと星でも見ようと思っておったのに」
「へぇ、そりゃ残念だね」
「残念がるのであれば、少しは自重でもしたらどうだ?」
「それは…お互い様なんじゃない?」
「ふっ、笑顔でそんな事言うか?まぁいい」
「…」
突然2人の間の空気が変わり、まるで張りつめたような緊張感に包まれた。
容易に息なんか吐けない…そう思ってしまうような重い空気…。
私は無意識に後ずさりし、マリオから離れた。
これから何が起こるのか…、彼から離れていないと彼に迷惑がかかる…そうなってしまう事態がこれから起こる…。
そんな予感が頭をよぎったからだ。
「今からでも遅くはない…マリオ。ご退場願おうか?」
「その台詞、そっくりそのまま返させて頂こうかな」
「笑っていられるのも今の内だぞ?なんせ我輩はあの飛行船でずっと待たされて機嫌が悪いのだ。…手加減は出来んぞ」
「それは奇遇だねぇ。僕も今まで仕事してたからちょっと疲れてるんだ。今までみたいに手加減は出来ないよ?」
「ほぅ…そりゃ…笑わせてくれる…!!」
「…!!」
ダダダッ!!
クッパは言い終わるか否かの瞬間マリオ目掛けて突進をし拳を振り上げた。マリオもその瞬間を見逃さずクッパ目掛けて駆け出し、ハンマーを振るう!
ドゴォオオオオ!!!
拳とハンマーが激しくぶつかり辺りに衝撃波が起こる。私はその衝撃波から防ぐのに精一杯だ。
最初の大きな一撃から2人は激しく拳とハンマーで攻防戦を繰り広げている。
お互いがお互いの攻撃をかわし、防ぎながらお互いの隙をつく。
まるで組手でもしているかのようにそれが続けられていた。
でも状況は、誰もが見ても明らかだった。
ガシンッ!!
「…っ!!」
拳とハンマーがぶつかる。その大きな衝撃はその攻撃を繰り出す本人達に諸に伝わっている訳で、もう既にぼろぼろの状態のマリオにとっては、その衝撃を受けるだけでも身体に応えるのだ。
「どうした。さっきよりも威力が落ちているぞ。手加減してるのか?」
「ふふ…、君の本気がこんなもんかと思ってね…」
そう言いながらマリオはにぃっと口角を上げる。だが目は真剣そのもので、顔から汗が垂れる。
その状況から、いつもらしい余裕はもう無いのだとクッパは何となく察し、口元を緩めた。
「余裕無い癖に減らず口を…。ならば、本気の本気だ!」
シュッ!
「!?」
突然ハンマーで抑えていた拳とは違うもう一方からの拳の攻撃に、マリオはジャンプしてそれを避け、クッパと距離を取ろうとする。
だが
「させるか」
ブヲオオオオオ!!
クッパはジャンプをしたマリオ目掛け、まるで火炎放射器のごとく口から炎を吐いた!
「ぐ!?」
マリオはそれをぎりぎりでかわした!…だがそれによりマリオの体勢が崩れた。咄嗟に受け身をし無事着地をしたが、転がるように着地をした為すぐに応戦できるような体勢ではなく、マリオに一瞬の隙が生じる。
クッパはそれを見逃さなかった。
「どりゃあああ!!」
「!?」
マリオが起き上がると同時にクッパは渾身の力でマリオを殴りにかかる。
マリオはそれを避ける余裕が無く、ハンマーで攻撃を防ごうとした。
…だが
「そんなハンマーで防ごうとしても…無駄なのだ…!」
ドゴオオオ!!!
バキバキャアアア!!!
「!!?」
(冗談だろ…!?)
マリオは目を見開いた。彼の愛用の鋼鉄のハンマーが目の前にいる奴の拳によってバラバラに砕け飛んでしまったからだ。しかも柄の部分ではなく頭の部分。普通ならば有り得ないことが今目の前で繰り広げられているのだ。
そして何よりも…
(くそっ…!)
クッパの渾身の力が籠った拳は、いくらハンマーが粉々になろうが、その威力を失うことなくマリオへ今まさに当たろうとしている事実。そして咄嗟に取った行動が阻止された今、彼の拳に抗う術は…
ドゴォオオオオオ!!!
もう無かった。
突然上空…いや、飛行船のほうからマリオを呼ぶ大きな声…。
この声はとても聞き覚えがあった。
「この声は…」
「危ないっ」
「!?」
ドーン!!
声が聞こえたかと思ったら、私はいつの間にかマリオに抱きかかえられ空中を舞っていた。
ふと下を見ると、つい先ほどまで私たちがいた場所は何者かによる衝撃で土煙が酷く立ち込めていた。
きっと、マリオの判断が少しでも遅れていたら、あの黒い影の餌食になっていたかもしれない…。
そう思った途端、私はゾッとした。
スタッ
マリオは土煙の届かない所へ着地し、私を下してくれた。
「ガハハハハハ!!」
「「!?」」
土煙の中心から高らかに笑うその影は、土煙が消えると同時にその全貌を現した。
「やはり生きておったか、マリオ」
「クッパ!」
「…お陰様でね」
「ふん、悪運が強い奴め。折角貴様がいない間にピーチちゃんと星でも見ようと思っておったのに」
「へぇ、そりゃ残念だね」
「残念がるのであれば、少しは自重でもしたらどうだ?」
「それは…お互い様なんじゃない?」
「ふっ、笑顔でそんな事言うか?まぁいい」
「…」
突然2人の間の空気が変わり、まるで張りつめたような緊張感に包まれた。
容易に息なんか吐けない…そう思ってしまうような重い空気…。
私は無意識に後ずさりし、マリオから離れた。
これから何が起こるのか…、彼から離れていないと彼に迷惑がかかる…そうなってしまう事態がこれから起こる…。
そんな予感が頭をよぎったからだ。
「今からでも遅くはない…マリオ。ご退場願おうか?」
「その台詞、そっくりそのまま返させて頂こうかな」
「笑っていられるのも今の内だぞ?なんせ我輩はあの飛行船でずっと待たされて機嫌が悪いのだ。…手加減は出来んぞ」
「それは奇遇だねぇ。僕も今まで仕事してたからちょっと疲れてるんだ。今までみたいに手加減は出来ないよ?」
「ほぅ…そりゃ…笑わせてくれる…!!」
「…!!」
ダダダッ!!
クッパは言い終わるか否かの瞬間マリオ目掛けて突進をし拳を振り上げた。マリオもその瞬間を見逃さずクッパ目掛けて駆け出し、ハンマーを振るう!
ドゴォオオオオ!!!
拳とハンマーが激しくぶつかり辺りに衝撃波が起こる。私はその衝撃波から防ぐのに精一杯だ。
最初の大きな一撃から2人は激しく拳とハンマーで攻防戦を繰り広げている。
お互いがお互いの攻撃をかわし、防ぎながらお互いの隙をつく。
まるで組手でもしているかのようにそれが続けられていた。
でも状況は、誰もが見ても明らかだった。
ガシンッ!!
「…っ!!」
拳とハンマーがぶつかる。その大きな衝撃はその攻撃を繰り出す本人達に諸に伝わっている訳で、もう既にぼろぼろの状態のマリオにとっては、その衝撃を受けるだけでも身体に応えるのだ。
「どうした。さっきよりも威力が落ちているぞ。手加減してるのか?」
「ふふ…、君の本気がこんなもんかと思ってね…」
そう言いながらマリオはにぃっと口角を上げる。だが目は真剣そのもので、顔から汗が垂れる。
その状況から、いつもらしい余裕はもう無いのだとクッパは何となく察し、口元を緩めた。
「余裕無い癖に減らず口を…。ならば、本気の本気だ!」
シュッ!
「!?」
突然ハンマーで抑えていた拳とは違うもう一方からの拳の攻撃に、マリオはジャンプしてそれを避け、クッパと距離を取ろうとする。
だが
「させるか」
ブヲオオオオオ!!
クッパはジャンプをしたマリオ目掛け、まるで火炎放射器のごとく口から炎を吐いた!
「ぐ!?」
マリオはそれをぎりぎりでかわした!…だがそれによりマリオの体勢が崩れた。咄嗟に受け身をし無事着地をしたが、転がるように着地をした為すぐに応戦できるような体勢ではなく、マリオに一瞬の隙が生じる。
クッパはそれを見逃さなかった。
「どりゃあああ!!」
「!?」
マリオが起き上がると同時にクッパは渾身の力でマリオを殴りにかかる。
マリオはそれを避ける余裕が無く、ハンマーで攻撃を防ごうとした。
…だが
「そんなハンマーで防ごうとしても…無駄なのだ…!」
ドゴオオオ!!!
バキバキャアアア!!!
「!!?」
(冗談だろ…!?)
マリオは目を見開いた。彼の愛用の鋼鉄のハンマーが目の前にいる奴の拳によってバラバラに砕け飛んでしまったからだ。しかも柄の部分ではなく頭の部分。普通ならば有り得ないことが今目の前で繰り広げられているのだ。
そして何よりも…
(くそっ…!)
クッパの渾身の力が籠った拳は、いくらハンマーが粉々になろうが、その威力を失うことなくマリオへ今まさに当たろうとしている事実。そして咄嗟に取った行動が阻止された今、彼の拳に抗う術は…
ドゴォオオオオオ!!!
もう無かった。