流れ星

~星のふる丘~


「ふぅ…後少しで頂上ね…」


私は今1人で星のふる丘の頂上へ行こうとしていた。


デイジーと電話をしていた時は燃えるような空の色だったのに、今ではもう太陽は沈みきり、沢山の星がきらきらと輝いていた…。


何故そこに行こうとしているのか…、それは、私が今出来ることをする為…。



今、私に出来ること…。




『そういえば、その流星群はいつ頃見られるんですか?』

『えっと、確か夜の9時頃って言っていたわ』



マリオが生きてるって信じること…



『そうだ!ベランダで見るよりも星のふる丘で見た方がきっとよく見えるわ!』

『一国の姫がそんな時間に出歩いて…、変な奴等に捕まったらどうするんですか…;』



マリオが無事戻ってこれるよう願うこと…



『大丈夫よ、マリオが約束を破らずに来てくれれば何も問題はないわ!』

『またそんな嬉しそうに無茶なことを…;』

『ね?いいでしょ?お願い!』

『うーん…、…はぁ、仕方ないですねぇ;』



そして…



『本当!?じゃあ待ってるわ!



9時に星のふる丘の頂上で…!!』


『分かりました』

『約束ね!』



…星のふる丘の頂上でマリオを待っている事…



「…着いた…頂上…!」


星が降るこの丘の頂は、星々からのパワーが地上の中で一番集まる場所。
その為、ここだけとても神秘的な雰囲気を漂わせている…。



…そう、ここで私は信じて待つの。



マリオと流星群を見る為に…!




「今は…8時2分…」


約束の時間まであと約1時間…。


私は頂上の中心に歩み寄り、そこで両手を組み願った…。


「マリオが…無事に帰ってきますように…」


星の精よ…、どうかマリオに星のご加護を…
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