シール収集


「え…?」


急にマリオが私を呼んだの。


その時、何が起こったのか私にはさっぱり分からなかった。



だけど…


カジジッ!!


「ぐっ!!;」


私を狙おうと真上から襲ってきたガサゴソ、そして私を庇ってその攻撃を受けてしまったマリオの姿が私の目に映った。


「ま、マリオ!!;」

「…!」


ドガッ!!


ぴぎー!


マリオは持っていたハンマーをガサゴソ目掛けて振るった!攻撃は見事命中しガサゴソをやっつけたのだ。


「ま、マリオ!!」
「?」


私はすぐさまマリオに駆け寄った。それは…


「大変じゃない!!怪我してるわ!;」


マリオの左腕には先程の攻撃を受けきり傷ができていたからだ。


そう、それは、私を庇った時にできた傷…


でも彼は、私の思っていたことの斜め上なことを言った。



「ごめんねルーシー、君に恐い思いをさせてしまったね」

「…ぇ?」


マリオは自分の傷のことよりも、まず私の心配をしてくれていた。


ぽん…


「ぁ…」


彼は私に詫びた後、私の頭をそっと撫でた。



あぁこれは…、あの時と一緒…


『マリオ!?貴方傷だらけ…!?;』
『ごめんねルーシー、君に恐い思いをさせてしまったね…』


ぽん…


『…!?//;』

『大丈夫だったかい?』

『だ、大丈夫な訳無いでしょ!!馬鹿ぁ!!//;』


あの時も…自分のことよりも私の事を心配して、優しく接してくれたのよね。


それから私はどんどん…彼の優しさに甘えて…魅了されて…。


「まだ奴が上に残っていたなんて…大丈夫だったかい?;」

「だ…、大丈夫な訳無いでしょ!!馬鹿ぁ!!!//;」

「えぇ!?;」


それから、私達はなんとかドアシールを貼るところまで辿りつき、シールになる物をゲット!


無事…ではなかったけど私達は巣穴から抜け出せた。


「はぁ、ようやく出られたわぁ…;疲れたぁ…;」

「僕も疲れたなぁ;…なんか、洞窟に行く度に説教されてる気がするよ;」


そういえばあの後マリオには正座させて(文句という名の)説教したんだっけ。助けてもらった時と今回で2度目ね。←


「き、気のせいじゃない?;あーそうだマリオ!さっき取ったのをシールにして寄贈しに行きましょうよ!」

「うーん、そうだね。そうしようか」


「ぁ…、マリオ!!」

「?」

「その…さっきは…ごめんなさい。た…助けてくれて…ぁ……//;」

「?、あ…?」


「あ…



ありがとう…!///」


「…ふふ、どういたしまして!」ニコ



何故旅を続けたくなかったのか…。


私はきっと、これ以上彼のそばにいたら、この感情を抑えることが出来なくなるでしょう。


そうなるのが、私は怖かった。


否定せず認めた所で、この感情は報われる事無く、どこにも行き場がないのだから…。



だから、少しでも早く終わらそう。



「わ、笑わないで下さる!?//;」

「ごめんごめん;…それじゃあ、行こうか!」

「…えぇ!勿論よ!」



私も、彼も、傷つく前に。




おわり


次、あとがきとおまけ
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