花火大会
その後
~マリオの家~
「花火大会…ですか?」
家の主は、突然の姫君の(抜け出しという名の)訪問に少々呆れと困惑が混ざった表情を浮かべつつ、彼女に聞き返す
そして訪問した当の本人はそんなことお構いなしに話し始めた
「そうよ、勿論来てくれるわよねマリオ?」
「でも、あの港町の花火はキノじぃが駄目だと言っていたじゃないですか;」
「いいえマリオ。そこの花火に誘ってるんじゃないわ」
チッチッチと指を振りながらそう自慢げに喋る姫にマリオは首を傾げた
「?じゃあ何処の花火なんです?」
「実はね」
「?」
「ジャジャーン!!」
ペラッ!
マリオの目の前に出されたのは1枚の紙。
「…?チラシ?」
「えぇ!読んでみて」
マリオはとりあえず言われるままそのチラシの内容を読んでみる
「…キノコタウン花火大会…会場、キノコ城庭とキノコタウンメインストリート……って!?…ええ!?;」
「フフーン!」
チラシを見て驚愕の表情を浮かべるマリオに、してやったりの表情を浮かべるピーチ
「こ、これ!本当なんですか!?;」
「えぇ本当よ。わざわざ業者に頼んで、大量に刷ってもらったチラシを貴方に渡してるんだもの。そんな手の込んだ嘘なんてしないわ」
「で、でもキノじぃは…?ちゃんと許可とりましたか…?;」
「えぇ勿論!キノじぃにはちょっと怒られたけど、キノコ大臣も快くOKしてくれたわ!」
「そ、そうですか;でも、この日付にして準備大丈夫なんですか?一週間しかないんですよ!?;」
マリオがその点に疑問を持つのも無理はない。
港町の花火大会をキノじぃに駄目と言われたのは、つい昨日、一昨日の話。
その間に許可を貰って、チラシを刷っているのはとても凄いとは思うが…
お祭り等大きなイベントは人が沢山集まる故、事前に行う準備、打ち合わせなどとても手間隙が掛かるものなのだ
きっと他の者達に知らせたのも昨日位なのだろう。一週間だけでは間に合わないとマリオは危惧していた
が…
「大丈夫大丈夫!私達やキノピオ達を甘く見ないで頂きたいわ。一週間もあれば足りる足りる(笑)それに昨日街にある花火屋さん達にこの事を依頼したら皆快く引き受けてくれたわ!きっととても華やかなお祭りになりそうね!」
「…;」
そう、マリオは忘れていたのだ
この国の人々は大のイベント好き。イベントの為ならどんな労力も時間も惜しまない程だ
そんな彼女等を凄いと思うべきか呆れるべきか…、どういう表情をとれば良いのか分からないマリオだった。
ガチャ
「ただいま…ってあれ?姫もいたんですか?」
「あ!ルイージ!丁度良い所に!」
「へ?」
「あのね…」
帰宅してすぐのルイージにピーチは先程の話をした
「花火!?いいねぇ!!是非行かせて頂くよ!」
「ありがとうルイージ!…あ!そうだ!」
2人「?」
「折角の花火大会なんだし、2人共浴衣で来てね」
「はい!分かりました!」
「あの、浴衣はちょっと…;」
そう言いだしたのは他でもないマリオだ
「えー!良いじゃない浴衣位、着てきてよ」
「いや、でも;きっと当日は見回りとか護衛とかすると思うんで、そういう動き難いのはちょっと…;」
「えーいいじゃない別に;」
「そうだよ兄さん。いいじゃないか」
「ル、ルイージ;」
「折角姫が催した花火大会なんだからさ、その日位楽しまなくっちゃ!ね?」
「そうよ!ね?お願い!」
「…;
…はぁ、分かりました;」
姫と弟のお願いに流石のマリオも折れたようだ
「本当に!?じゃあ約束ね」
そう言いピーチは小指をマリオに向ける
「はい;」
苦笑いしながらも、マリオも自分の小指を姫の小指に絡めた
「ゆーびきーりげーんまん!うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーます!ゆーびきった!
…ふふ、じゃあ会場でね!」
バタン!
そう言い残し、ピーチは出て行った
「…はぁ;浴衣かぁ…;」
「浴衣かぁ…!うわぁ!浴衣なんて久しぶりだよ!楽しみだなぁ!クリーニング出さなきゃね」
双子なのに、中々のテンションの差である。双子なのに。
「…;…来週、大丈夫だろうか…;」ボソッ
ドンガラガッシャン!
「兄さーん!浴衣探すの手伝ってー!」
人知れず、一抹の不安を感じているマリオなのだった…。
そして一週間後…
~マリオの家~
「花火大会…ですか?」
家の主は、突然の姫君の(抜け出しという名の)訪問に少々呆れと困惑が混ざった表情を浮かべつつ、彼女に聞き返す
そして訪問した当の本人はそんなことお構いなしに話し始めた
「そうよ、勿論来てくれるわよねマリオ?」
「でも、あの港町の花火はキノじぃが駄目だと言っていたじゃないですか;」
「いいえマリオ。そこの花火に誘ってるんじゃないわ」
チッチッチと指を振りながらそう自慢げに喋る姫にマリオは首を傾げた
「?じゃあ何処の花火なんです?」
「実はね」
「?」
「ジャジャーン!!」
ペラッ!
マリオの目の前に出されたのは1枚の紙。
「…?チラシ?」
「えぇ!読んでみて」
マリオはとりあえず言われるままそのチラシの内容を読んでみる
「…キノコタウン花火大会…会場、キノコ城庭とキノコタウンメインストリート……って!?…ええ!?;」
「フフーン!」
チラシを見て驚愕の表情を浮かべるマリオに、してやったりの表情を浮かべるピーチ
「こ、これ!本当なんですか!?;」
「えぇ本当よ。わざわざ業者に頼んで、大量に刷ってもらったチラシを貴方に渡してるんだもの。そんな手の込んだ嘘なんてしないわ」
「で、でもキノじぃは…?ちゃんと許可とりましたか…?;」
「えぇ勿論!キノじぃにはちょっと怒られたけど、キノコ大臣も快くOKしてくれたわ!」
「そ、そうですか;でも、この日付にして準備大丈夫なんですか?一週間しかないんですよ!?;」
マリオがその点に疑問を持つのも無理はない。
港町の花火大会をキノじぃに駄目と言われたのは、つい昨日、一昨日の話。
その間に許可を貰って、チラシを刷っているのはとても凄いとは思うが…
お祭り等大きなイベントは人が沢山集まる故、事前に行う準備、打ち合わせなどとても手間隙が掛かるものなのだ
きっと他の者達に知らせたのも昨日位なのだろう。一週間だけでは間に合わないとマリオは危惧していた
が…
「大丈夫大丈夫!私達やキノピオ達を甘く見ないで頂きたいわ。一週間もあれば足りる足りる(笑)それに昨日街にある花火屋さん達にこの事を依頼したら皆快く引き受けてくれたわ!きっととても華やかなお祭りになりそうね!」
「…;」
そう、マリオは忘れていたのだ
この国の人々は大のイベント好き。イベントの為ならどんな労力も時間も惜しまない程だ
そんな彼女等を凄いと思うべきか呆れるべきか…、どういう表情をとれば良いのか分からないマリオだった。
ガチャ
「ただいま…ってあれ?姫もいたんですか?」
「あ!ルイージ!丁度良い所に!」
「へ?」
「あのね…」
帰宅してすぐのルイージにピーチは先程の話をした
「花火!?いいねぇ!!是非行かせて頂くよ!」
「ありがとうルイージ!…あ!そうだ!」
2人「?」
「折角の花火大会なんだし、2人共浴衣で来てね」
「はい!分かりました!」
「あの、浴衣はちょっと…;」
そう言いだしたのは他でもないマリオだ
「えー!良いじゃない浴衣位、着てきてよ」
「いや、でも;きっと当日は見回りとか護衛とかすると思うんで、そういう動き難いのはちょっと…;」
「えーいいじゃない別に;」
「そうだよ兄さん。いいじゃないか」
「ル、ルイージ;」
「折角姫が催した花火大会なんだからさ、その日位楽しまなくっちゃ!ね?」
「そうよ!ね?お願い!」
「…;
…はぁ、分かりました;」
姫と弟のお願いに流石のマリオも折れたようだ
「本当に!?じゃあ約束ね」
そう言いピーチは小指をマリオに向ける
「はい;」
苦笑いしながらも、マリオも自分の小指を姫の小指に絡めた
「ゆーびきーりげーんまん!うーそつーいたーらはーりせーんぼーんのーます!ゆーびきった!
…ふふ、じゃあ会場でね!」
バタン!
そう言い残し、ピーチは出て行った
「…はぁ;浴衣かぁ…;」
「浴衣かぁ…!うわぁ!浴衣なんて久しぶりだよ!楽しみだなぁ!クリーニング出さなきゃね」
双子なのに、中々のテンションの差である。双子なのに。
「…;…来週、大丈夫だろうか…;」ボソッ
ドンガラガッシャン!
「兄さーん!浴衣探すの手伝ってー!」
人知れず、一抹の不安を感じているマリオなのだった…。
そして一週間後…