バッジ -その2-

~路地裏~





ピョンピョンピョン!!




タタッ!




カエルは相変わらず路地裏の奥へ奥へとマリオを導いていく



マリオもそんなカエルの後を追う





すると






「ぁ」




薄暗い路地を抜けたと思ったら目の前に川が現れたのだった



この川は、山からの雪解け水でできた川な為、水はとても綺麗



ケロ!



「?」




カエルが見つめる方向には




暗い地下へと続く水路の入口がぽっかりと口を開けていた





どうやらこの水路は川の水を引いて地下へ流れていくようだ






(あれ…





こんな水路なんてあったっけ…?)




マリオは今までこんな水路を見たことが無かった




おそらくごく最近に作られたのだろう




けど、何の為に…?







ケロ!



ピョン!








ポチャン!









カエルは迷わずその水路に飛び込んだ




そして流れに逆らわず、水路の中へと消えていった




「ぁ…よし!」



ジャボン!



バシャバシャ!




マリオも水路に入り、カエルが泳ぐ方、地下の方へと足を進めていくのだった




~牢屋~


相変わらずピーチとキノーラは話を続けていたが


「あ、そういえば」


「?」



「君の名前、まだ聞いてなかったよね?」



「名前?あぁ、ピー……ノよ」



「ピーノさん?」



「ぇ、えぇ;」
(危ない、つい言いそうになるわ…)





「よろしくね、ピーノさん」



「えぇ、よろしく。…ぁ、ねぇ?」



「?」



「前から思ってたんだけど、此処って看守とか見張りはいないの?」




牢屋には大胆見張り役がいるはずである




なのにここには誰も見張りがいない




これでは逃げて下さいと言っているようなものである




そのことをピーチはずっと疑問に思っていたのだ





「あぁ、そういえば今日はいないなぁ、だからこうやって君に話しに来てるんだけどね」



「今日は…ってことはいつもはいるのよね?何故かしら?」






「うーん、……もしかしたら…;」





「?」




キノーラは急に真剣な顔付きになった









「もしかしたら、もうことはかなりヤバい状況になっているのかも…」





「ぇ、どういうこと…?;」



「君はここにいちゃいけない!早く逃げないと!」




「で、でもどうやって…?;」



「え!?えっと…;」



(考えてなかったの!?;)




「えっと…、…そうだ!」


キノーラはそう言うと、彼自身が出てきた穴に飛び込んだ






すると






ドドドドドドド!!




床下からまるでドリルで掘り進むような音と地響きがしてきた




ドドドド…






ボコッ!!



そして突如キノーラが地面から飛び出してきた!



キノーラが出てきた所は、ピーチから見て鉄格子の向こう側



そう、キノーラは牢屋を出たのである



「鉄格子の下は魔法がかかってなかったのね…」


「さぁ、ピーノさん!この穴を通って!早くここを出よう!」


「ぁ、えぇ!分かったわ!」




こうしてピーチは、キノーラが掘ってくれた穴を通り牢屋を出たのだった!
6/9ページ
スキ