バッジ -その2-

~?~




「……んん…









……あれ…?


ここは…?」





辺りは薄暗く、目の前には鉄格子が見える



鉄格子は頑丈そうで自力では出られそうにない




周りも分厚そうな壁で、とてもじゃないが出られそうになかった





あぁ、ここは牢屋ね







なんで私こんな所いるんだっけ






たしか









マリオと公園に行って、トイレに行ったら、後から誰かに布を押し当てられて…








そうか!!



気を失ったんだったわ!






寝ぼけた状態が治ったピーチは、鉄格子に手をかけ牢屋の外を見回してみた



辺りは静かで看守は誰もいない





檻の数は、今ピーチがいる檻とピーチから見て右側にもう1つ檻があるだけのようだ





やはり牢屋だからか、めぼしい物は何もない





「はぁ、どうしよう…。マリオ心配してるよね」




そう言いピーチはへなへなと床に座り込んだ





こんなことになるのだったら…







後悔ばかりが頭の中にぐるぐるとうずめいている












カタッ






カタタッ




「!?」





突然ピーチがいる檻の床から音が聞こえたと思ったら、一枚の床のタイルがカタカタと動いていた!




カタカタカタカタカタ!



「な、何!?」





段々タイルの鳴る音が大きくなっていく






そして







ボコッ!!




「ヒッ!;」




いきなりタイルが床から外れ、上に持ち上げられた




持ち上げられたタイルの下には持ち上げた腕が2本見える




辺りが薄暗い為なのか、それが余計に気味悪く見えた






ゴトンッ!











ペタッ






ペタッ





持ち上げたタイルを床に置き、手が片方ずつゆっくりと床へかけていく




どうやら下からここに上がってくるらしい






手だけしか見えない得体の知れないものが、しかも床下から現れるなんて怖すぎる…!!





ピーチが恐怖していたその時






バッ!!




「Σヒィィイイ!!!!;;」




突如頭が勢いよく、そう、まるでもぐら叩きのごとく出て来たのであった




しかも出て来た顔が










頭はキノピオのキノコのかさ









なのに














顔が違っていた








そう、顔は茶色い毛で覆われた、まるでもぐらの顔になっていたのだ







そんな顔に当然ピーチは平常でいれる訳がなく






「Σひややぁぁぁああ゛あ゛!!!!お化け!!!?;;;」





恐怖で悲鳴があがるのだった







「シーッ!静かに、落ち着いて;」



「ヒィッ!?喋った!?;」



モグラ顔はなんとかピーチを落ち着かせようとするが



「僕は怪しい者では無いよ!だから安心して!;」

「貴方のどこを見て怪しくないと言えるのよ!!!?;」

「だ、大丈夫だから、別に君を取って食おうなんてしないから;;」




ピーチは暫く声を張り上げ続けたのだった





~数分後~



「はぁ…;;」



ピーチは恐怖とパニックと声の張り上げ過ぎで疲労困憊となり、しゃがみ込み顔を下へ俯いたまま動かないでいた




「お、落ち着いた?;」



「…」コクン←頷いてる



「僕のこと怪しくないって分かってくれた…?;」



「…」コクン














「…床上がっていいかな…?ここが何処なのか話すからさ;;」








・・・・。








「…」コクン



(ホッ…;)



モグラ顔はようやく穴から床に上がらせてもらえたようです
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