バッジ ‐その1‐





グゥ~…



「!?;」




こんな時にまたピーチのお腹が鳴った



「し、失礼しました…;」



「いえ;ご飯まだなんですか?」



「は、はい…;」








ガチャ




「あれ?兄さん、何してるの?」




二人「?」




声がする方へ振り向くと、そこにはルイージがいた



「あぁ、ルイージ、ただいま」



「お帰り、その人は?」




誰?という目で姫を見つめるルイージ



「この方はピーノさん。観光でやってきたんだって」

「こ、こんにちは…;」


「こんにちは!」




マリオと話すだけでいっぱいいっぱいだったのに今度はルイージまで出て来てしまった




ここまできてしまったらきたで、もう嘘がばれるまで嘘を突き通そう



もうどうにでもなってしまえ!




内心もう開き直っている姫なのだった




「兄さん、もうすぐお昼できるよ」


「お昼?あ、ねぇルイージ」

「?、何?」




「折角だし、ピーノさんもどうかなぁって」








・・・・。











ええええええ!?



突然のことでかなりピーチは驚いていた



会って数分もしない初対面の人を普通、家でご馳走するなんて言うとは思わない…そう彼女は思っていたからである






「そうだね、折角ここまで来てくれたんだし、いいよ(^^)」



「ぇ、いや、そんな…だ、大丈夫ですよ;」


「遠慮しなくて大丈夫だよ、2人で食べるより3人で食べた方が美味しいし。それにルイージの作った料理は美味しいから」


「ぃ、いいんですか?;」


「うん、OKだよ!」



本当はすぐにでも喜びたかったんだけど



初対面ってことになっているから、一回は遠慮しないとね…





それにしても…、彼にとっては自分は、今日初めて会った得体の知れない者のはずなのに…




まさか彼の家でご馳走してくれると言ってくれるなんて、しかもマリオの方から!





マリオってホントに優しいのね…





そしてそんなことを急に言いだす兄に、怒らず嫌とも言わず、むしろすぐに受け入れ賛成する弟もまた凄いし優しいのだなと感じながら、姫は兄弟に勧められるがままマリオの家にお邪魔することになった





久しぶりのマリオの家




置いてある家具も、家の匂いも、そしてそこに住んでいる兄弟も





なにもかもが相変わらずで




そこがまた自分に安心感を与えていた






…まぁ、久しぶりといっても1、2週間位なんだけど





そしてそんな彼女は今、兄弟とルイージ特製のお昼を食べていた



先程ピーチが覗いていた時に作っていたであろうキノコのスープ、そしてキノコのオムライスだ




「美味しい!!」


「本当!?良かった!」


「ね?ルイージの作ったのは美味しいでしょ?」


「えぇ、本当!」



「そういえば、ピーノさんってどこから来たんですか?」


ルイージがピーチに質問をした



「えっ!?ぇ、えっと…は、端、王国の端の方!本当に田舎の方からよ!;」


「へ、へぇー;」
(なんでそんなに必死なんだろう…?;)





暫くの雑談が続いた中



「ねぇ、ピーノさん?」


「はい?」






「この後、何か予定でもあるんですか?」


「?」


マリオが話題を変え、ピーチに質問をした






「予定…ですか?」



「えぇ、もし暇でしたら街を案内しようかと」




ま、マジで!?




「え!?いいのですか!?」



「はい、折角来て貰ったんだし、それに…」


「?」




「最近街で物騒な事件が起こっているんです、観光客の貴女には巻き込まれてほしくないので」




あぁ、あの事件…




ミステールさんとの電話以来すっかり忘れてた…





「まだ犯人捕まっていないんだ。だから兄さんと一緒にいた方が安全だよ!」



ルイージもマリオの同行を勧めてきてくれた



「それじゃあ、お言葉に甘えて…」




こうしてピーチは、マリオに街を案内してもらうことになった…
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