バッジ ‐その1‐


~キノコタウン某所~



現在時刻は夜の11時を回ろうとしていた



ここは街の郊外にあたる場所であり、普段でさえ街中よりも静かな所である



そして現時刻は夜も更ける頃、こんな時間では仕事帰りのサラリーマンはおろか、通行者なんて殆どいない






コツコツコツ…





そんな中





コツコツコツ…





一人の女性のキノピオが歩いていた




会社帰りなのか、黒いヒールを履き、肩にバッグをかけ、スーツ姿である




…だが、女性は急ぎ足で、彼女自身どこか緊張感に包まれていた









コツコツコツ…







ピタ…




何故か女性は歩みを止めた




その訳は…




「よぅ、姉ちゃん」




暗闇の中から突如涌いてきた数匹のヤミノコノコ達が彼女の前に立ちはだかったのだ



「…!?」



女性は驚き来た道の方へ逃げようとした





だが







「ぁ!;」



「へへ…」



彼女が驚いた先にはもう1匹ヤミノコノコがいた




挟み撃ちにされたようだ



「ひでぇじゃねぇか、ただ話しかけたのに逃げるなんてよう?」


「へへへ…」



段々ヤミノコノコ達は女性に近寄ってくる




どうしよう…



女性は危機感を覚えるも恐怖で体が動かない




「なぁ、俺達にちょっと付き合ってくんない?そうしないと俺達も怒られちまうもんでよぅ」






じりじり…



「…;」





ヤミノコノコ達はとうとう女性の目の前まで迫って来た



「なぁほら行こうぜ?」



そう言い、一匹のヤミノコノコが女性の腕を掴もうとしてきた





もう駄目だ!連れていかれる…!














そう思い女性は咄嗟に目をつぶった



が、一考に腕を掴んでこない



それどころか…




「ぐあぁぁあ!」

「な、何故お前がここに!?」



突然周りが騒ぎ始めた



「!?」



女性が驚き目を開けると、誰かがヤミノコノコの手首を掴みそのまま捻り上げていた




捻り上げられた奴は勿論、他の連中もかなり動揺していた




助けにきた人は





赤い帽子に青いオーバーオールを着て大きい鼻にヒゲ…








「!?





マリオさん!!」




「くそっ!引くぞ!」



掴まれている奴以外の連中が2人から離れ逃げ出した!












「逃がすものか!…えい!!」




「ええ!?わぁぁあああああああ!!」




マリオは掴んでいたヤミノコノコをそのままジャイアントスイングし、逃げる他の連中に投げつけた!!




ビューーン!




「ぇ、なに!?」












ドゴーーーン!!




「「ぎゃぁぁぁああああああああああああああ!!」」




投げつけたヤミノコノコが見事逃げ出した全員にストライク!全員その場でのびていたのだった
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