参戦の成り行き

「本当に突然だね」

「なんか急に興味が沸いたんでな、で、どうして参戦したんだ?」


「うーん…」


「…」


「…僕さ…」
「うん」




「向こうにいたときは百戦連勝だったんだよ」


「へぇ!ポケモンバトルか!」

「うん」

「すげぇな」

「うん、だから」

「だから?」

「思ったんだよ」

「何を?」











「僕より強い奴っているのかなって…」






「強い奴?」

「うん、向こうではさ、チャンピオンも倒したし、ライバルにも勝ち続けたし、挑戦してくるトレーナー達にも勝ち続けた…」

「すげぇな…」

「そこで思っちゃったんだ






…もう、行き着く所まで来ちゃったのかなって…もうゴールなのかなって…要は、自分の中の目標がなくなっちゃったんだ」


「…。」


「だから探したんだ。僕より強い奴を、そしてどうしたら強い奴と出会えるか考えてたんだ。自分の修業場のお気に入りの所でね。」

「へぇー、そういう所があったのか」

「うん、そこでね、ずっと考えてた。何日も。それでね、考えてる内に誰かに声をかけられたんだ」



~~~~~~~~~~~~

~シロガネ山~



「貴方がレッドさん?」
「!?」



レッドに話しかけてきたのは、1人の少年だった


歳はレッドよりも3、4歳位下に見えた



…だが、ポケモントレーナーは年齢なんて関係無い




このシロガネ山はレッド本人が修業場として使っている場所だ


野生のポケモンのレベルだってこの一帯一という位、軒並み際立つ程強い奴らばかりなのだ



そしてここは、シロガネ山の頂き



こんな所まで登って来るということは、少年はトレーナーとして相当の実力者なのだろう



「バトルしてください!」


少年はボールを手に持ち構える


「…」


そしてレッドもそれに応えるようにボールを手に持ち構えた






「勝負!!」




~~~~~~~~~~~~



「それでバトルすることになったんだけどさ、僕、そのバトルで負けちゃったんだ」

「マジか!?」

「うん、あまりにも突拍子で驚いたけど…」

「けど?」



「…なんだか嬉しかったんだ。やっと見つけたんだ。強い奴。それから目標も。」




「目標?」

「うん、世界には僕よりも強い奴がまだ沢山いて、僕がまだ知らないポケモンもきっといるんだろうなって思ったんだ。だから、世界って広いって思った。だから、ポケモンマスターには程遠い…そう感じたんだ。まだまだ先があったんだって。」




「そうかぁ。お前を変えたのはそいつのお陰なんだな。じゃあこっちに来る理由もそのことでか?」




「うーん、…なのかは分からないけど」








・・・・。







「…は!?」
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