初試練
ガシッ!!
突然Jr.の目の前に人影が立ちはだかったのだ。その人影はブラピを無事にキャッチ。そのおかげでJr.に被害が行くことはなくなったのである。
当然ながらいつまでも来るべき衝撃が来ないので、不審に思ったJr.は恐る恐る目を開けた。するとそこには彼にとって意外な人物が立っていたのだった。
「⁉、ま、マリオ!」
Jr.の目に入ったのは、ブラピを抱きかかえたマリオの後姿だった。
「大丈夫かい?」
「!?…だ、大丈夫だ…っ!」
「それは良かった」
彼はブラピにニコリと微笑みながらそっと下ろした。
ブラピはいきなりの出来事にカァーと顔を赤らめ動揺を隠せないようであった。
そして今度はJr.に顔を向け、「Jr.も怪我は無いかい?」と声をかけたのだった。
呆気にとられていたJr.はただ「う、うん…」と頷くことしかできなかった。
その言葉にマリオは微笑むと、今度は事の原因である魔女の元に歩み寄っていくのだった。
ことの結末を見届けようとこの部屋にいる誰もが見守っている中、マリオは魔女との距離まで後1メートル程の位置までたどり着いた。
「やぁ、はじめまして。僕はマリオ。一応ここのリーダーをやってる。君がベヨネッタだね?」
「えぇ、そうよ」
「君はどうやら、そこにいる彼等と闘っていたようだけど、理由を聞いても?」
「私は天使を狩るのが生業なの。ちょうど暇だったし、そこにいる可愛い天使達も狩っておこうと思っただけよ?」
「な、何が可愛いだ!」
「ブラピ落ち着いてっ!」
憤慨したブラピが食ってかかろうとする所をギリギリの所でピットが止める中マリオは話を続けることにした。
「成程ね、だから彼等と闘っていたのか。でも残念だけど、彼等は此処スマブラのメンバーなんだ。君の獲物ではないよ」
「あらそう、残念。…じゃあ…」
「?」
「あの子達の代わりに今度は貴方が私の獲物になってくれるの?」
そう言うベヨネッタの目は怪しく光り、細くしなやかな手を伸ばしマリオの頬に触ろうとした。
だが、彼女の手はマリオに触れる事は無かった。
彼女の前にもう1人の魔女が立ちはだかったからだ。
「…彼に手出しはさせません」
「ロゼッタ…?」
ビックリするマリオを尻目に、彼の前に立ったロゼッタは目の前の魔女を静かに見据えていた。
だが当の魔女は至って平然と、逆に面白そうにこの状況を見ていた。
「あら?1人の人間に肩入れするなんて面白い魔女ね。もしかして彼氏?」
「⁉、…そ、そういう関係ではありません…っ!」
「ウフフ、顔赤いわよ、やっぱり面白い子。それに…もう1人面白い子が…」
ベヨネッタが見つめる先には、マリオの後ろで怖がりつつもミニクラウンに乗り臨戦態勢のJr.の姿があった。
「こ、コイツを先に倒すのは…ぼ、僕だ…!」
「Jr.…」
「あら、貴方モテモテなのね?」
「いや、モテててる訳じゃないと思うけど…?」
「じゃあそういう事にしといてあげる。…はぁ、もうちょっと遊びたかったけど、こんな状況だし今ここで貴方を獲物にするのは諦めてあげるわ」
「ふふ、それは良かった。ここでの殺し合いは駄目だけど大乱闘ならいつでもOKだよ。もしまた彼等や僕と闘いたくなったなら大乱闘に誘えばいい。詳しい説明は此処にいるメンバーと一緒にするから聞いていてくれるかい?」
「分かったわ、手短に済ませて頂戴」
「ハハハ、善処はするよ」
マリオはそう答えると、今度は部屋の隅でピット達に事情を聞きつつ、部屋の修繕代に頭を抱えていたフォックスを呼んだ。
「はあ、…終わったか?」
「うん、これから説明に移ろうと思うけど大丈夫?」
「あぁ、分かった…はぁ…金が…。…ピット!お前後でコイン戦やってもらうからな!」
「え、ええええええ!?何でですか!?」
「うるせぇ!お前が来なきゃこんな事にはならなかったんだ!後そうしないと俺の気が晴れない!」
「り、理不尽だー!!!」
外野が騒ぎ始めている中呆気に取られているJr.であったが…
「ロゼッタ、さっきはありがとう」
マリオがロゼッタに話しかけていたのを目にしたのだ。
「い、いえ。彼女から危険な魔力を感じたので思わず間に飛び込んでしまったのです」
「そんなに危険だったのか、ただ顔を触られるだけかと思ったんだけど」
「それ自体が危険なのです。もっと自覚して下さい」
「そ、そうなんだ。分かった」
それを見てそそくさとこの場を立ち去ろうとしていたJr.へ…
「Jr.」
「⁉」
マリオが声をかけてきたのだ。
「な、何だよ…」
「さっきはありがとう。君には色々感謝してるんだ」
「ふぇ?」
何を言われるか分からず身構えていた中での感謝の言葉に、思わずJr.は変な声が出てしまった。そんなJr.へマリオはにこやかに話をし始めた。
「此処に向かってる途中君の声と銃声が聞こえたんだ。そのおかげで緊急事態だって分かったし早急に対処できた。幸い怪我人も闘った本人達位だしね。
後、ロゼッタと一緒に間に入ってくれたでしょ?そのおかげでどうやら僕は助かったみたいなんだ」
大魔王の息子であり普段から感謝されることなどない彼にとって、マリオからの言葉はとても新鮮なものだった。勿論この時なんて答えたらいいかなんて分かる筈もなく…
「こ、これ位普通だし…、それに…」
「?」
「お前を倒すのは、この僕だから…、先にやられたら僕が困るのだ」
ただつっけんどんに返すしかなかったのだった。だが…
「ふふ、そうだね。僕もこれから気をつけるよ。さぁ、これから説明をするから皆と一緒に聞いていてくれるかい?」
「ふん、聞いといてやるのだ」
「ありがと」
そこにはもう、不安に押しつぶされそうで、緊張して固まっていたJr.の姿は無く、いつもの自信に満ちた彼に戻っていたのであった。
この出来事を機にJr.はスマメンの間で、勇気のある新人ファイターとして一目置かれる存在となったそうな。
彼が一人前と言われる日は近い。
おわり
次、あとがきとおまけ
突然Jr.の目の前に人影が立ちはだかったのだ。その人影はブラピを無事にキャッチ。そのおかげでJr.に被害が行くことはなくなったのである。
当然ながらいつまでも来るべき衝撃が来ないので、不審に思ったJr.は恐る恐る目を開けた。するとそこには彼にとって意外な人物が立っていたのだった。
「⁉、ま、マリオ!」
Jr.の目に入ったのは、ブラピを抱きかかえたマリオの後姿だった。
「大丈夫かい?」
「!?…だ、大丈夫だ…っ!」
「それは良かった」
彼はブラピにニコリと微笑みながらそっと下ろした。
ブラピはいきなりの出来事にカァーと顔を赤らめ動揺を隠せないようであった。
そして今度はJr.に顔を向け、「Jr.も怪我は無いかい?」と声をかけたのだった。
呆気にとられていたJr.はただ「う、うん…」と頷くことしかできなかった。
その言葉にマリオは微笑むと、今度は事の原因である魔女の元に歩み寄っていくのだった。
ことの結末を見届けようとこの部屋にいる誰もが見守っている中、マリオは魔女との距離まで後1メートル程の位置までたどり着いた。
「やぁ、はじめまして。僕はマリオ。一応ここのリーダーをやってる。君がベヨネッタだね?」
「えぇ、そうよ」
「君はどうやら、そこにいる彼等と闘っていたようだけど、理由を聞いても?」
「私は天使を狩るのが生業なの。ちょうど暇だったし、そこにいる可愛い天使達も狩っておこうと思っただけよ?」
「な、何が可愛いだ!」
「ブラピ落ち着いてっ!」
憤慨したブラピが食ってかかろうとする所をギリギリの所でピットが止める中マリオは話を続けることにした。
「成程ね、だから彼等と闘っていたのか。でも残念だけど、彼等は此処スマブラのメンバーなんだ。君の獲物ではないよ」
「あらそう、残念。…じゃあ…」
「?」
「あの子達の代わりに今度は貴方が私の獲物になってくれるの?」
そう言うベヨネッタの目は怪しく光り、細くしなやかな手を伸ばしマリオの頬に触ろうとした。
だが、彼女の手はマリオに触れる事は無かった。
彼女の前にもう1人の魔女が立ちはだかったからだ。
「…彼に手出しはさせません」
「ロゼッタ…?」
ビックリするマリオを尻目に、彼の前に立ったロゼッタは目の前の魔女を静かに見据えていた。
だが当の魔女は至って平然と、逆に面白そうにこの状況を見ていた。
「あら?1人の人間に肩入れするなんて面白い魔女ね。もしかして彼氏?」
「⁉、…そ、そういう関係ではありません…っ!」
「ウフフ、顔赤いわよ、やっぱり面白い子。それに…もう1人面白い子が…」
ベヨネッタが見つめる先には、マリオの後ろで怖がりつつもミニクラウンに乗り臨戦態勢のJr.の姿があった。
「こ、コイツを先に倒すのは…ぼ、僕だ…!」
「Jr.…」
「あら、貴方モテモテなのね?」
「いや、モテててる訳じゃないと思うけど…?」
「じゃあそういう事にしといてあげる。…はぁ、もうちょっと遊びたかったけど、こんな状況だし今ここで貴方を獲物にするのは諦めてあげるわ」
「ふふ、それは良かった。ここでの殺し合いは駄目だけど大乱闘ならいつでもOKだよ。もしまた彼等や僕と闘いたくなったなら大乱闘に誘えばいい。詳しい説明は此処にいるメンバーと一緒にするから聞いていてくれるかい?」
「分かったわ、手短に済ませて頂戴」
「ハハハ、善処はするよ」
マリオはそう答えると、今度は部屋の隅でピット達に事情を聞きつつ、部屋の修繕代に頭を抱えていたフォックスを呼んだ。
「はあ、…終わったか?」
「うん、これから説明に移ろうと思うけど大丈夫?」
「あぁ、分かった…はぁ…金が…。…ピット!お前後でコイン戦やってもらうからな!」
「え、ええええええ!?何でですか!?」
「うるせぇ!お前が来なきゃこんな事にはならなかったんだ!後そうしないと俺の気が晴れない!」
「り、理不尽だー!!!」
外野が騒ぎ始めている中呆気に取られているJr.であったが…
「ロゼッタ、さっきはありがとう」
マリオがロゼッタに話しかけていたのを目にしたのだ。
「い、いえ。彼女から危険な魔力を感じたので思わず間に飛び込んでしまったのです」
「そんなに危険だったのか、ただ顔を触られるだけかと思ったんだけど」
「それ自体が危険なのです。もっと自覚して下さい」
「そ、そうなんだ。分かった」
それを見てそそくさとこの場を立ち去ろうとしていたJr.へ…
「Jr.」
「⁉」
マリオが声をかけてきたのだ。
「な、何だよ…」
「さっきはありがとう。君には色々感謝してるんだ」
「ふぇ?」
何を言われるか分からず身構えていた中での感謝の言葉に、思わずJr.は変な声が出てしまった。そんなJr.へマリオはにこやかに話をし始めた。
「此処に向かってる途中君の声と銃声が聞こえたんだ。そのおかげで緊急事態だって分かったし早急に対処できた。幸い怪我人も闘った本人達位だしね。
後、ロゼッタと一緒に間に入ってくれたでしょ?そのおかげでどうやら僕は助かったみたいなんだ」
大魔王の息子であり普段から感謝されることなどない彼にとって、マリオからの言葉はとても新鮮なものだった。勿論この時なんて答えたらいいかなんて分かる筈もなく…
「こ、これ位普通だし…、それに…」
「?」
「お前を倒すのは、この僕だから…、先にやられたら僕が困るのだ」
ただつっけんどんに返すしかなかったのだった。だが…
「ふふ、そうだね。僕もこれから気をつけるよ。さぁ、これから説明をするから皆と一緒に聞いていてくれるかい?」
「ふん、聞いといてやるのだ」
「ありがと」
そこにはもう、不安に押しつぶされそうで、緊張して固まっていたJr.の姿は無く、いつもの自信に満ちた彼に戻っていたのであった。
この出来事を機にJr.はスマメンの間で、勇気のある新人ファイターとして一目置かれる存在となったそうな。
彼が一人前と言われる日は近い。
おわり
次、あとがきとおまけ