イカ

あとがき

銀柳さん。リクエストありがとうございました。
そしてごめんなさい。本当に申し訳ないです。

いやはやこんなに難産だとは考えだした時には想像もつかず…orz
考えてた時はイカが出たときだったのに気が付けばもう2が出てるとか…orz

本当に申し訳ないです。多分もう見てないかもな…。


リクエスト内容が何らかの理由で行方不明になったマリオを探す(助ける)話ということで、これはもう適当に書けないなと意気込んで書かせて頂きましたとも!
本当に落ちが中々見えてこず…はは…←
気が付けばもの凄い量になってしまい自分でもビビってしまいました(笑)

本当色々考えさせられた作品でしたね。
銀柳さんもし見ていたら、良かったら受け取ってください。

ここまで見ていただきありがとうございました。



下、おまけ













〜スマブラ館居間〜

ルイージ達がマリオを救出してから数日が経過した。

街はすっかり落ち着きを取り戻し、行方不明者のカイーナさんは大事をとって病院へ入院していたが無事退院をした。

そして大ダメージを受けフィギュア化し、検査、療養していたマリオだが、本日無事活動制限が解除され嬉しそうにしていた。

「良かったね兄さん」

「うん、本当に良かったよー。念のための療養だったし退屈で…」


フィギュア化の状態から戻る際、大体のダメージはリセットされ、元気な状態に戻る仕組みである。

だが今回はマスターにとって想定外のダメージであったようで、大丈夫かどうか念入りに検査されたのだった。

ルイージは前から気になっていたことをマリオに聞いてみるのであった。

「そういえば兄さんは、僕等が助けに来るまでずっと寝てたの?」

「?、ううん、一回目が覚めて、マイと話をしたよ」

「そうだったの⁉︎じゃあ何でまた寝てた訳?」

「寝てたというか、眠らされたというか…」

「?、どういうこと…?」


〜貝の城〜

「ぅ、うーん…」

マリオが目覚めると、そこは可愛らしいベッドの上だった。

そして伸びをして起き上がると、先程まで見ていた写真と同じ人物がベッドの傍らに立っていたのだった。

「⁉︎、カイーナ…さん…?」

「?、あぁ、もしかしてこの子の名前?」

「え…?」

マリオにとって彼女の言葉は余りにも衝撃で、驚きを隠せない。その様子に目の前の彼女はクスクスと笑いだした。

「そうよね、分からないわよね」

「君は誰…?何故彼女に入っているんだい?」



「何故この子に入っているか。そうね。その原因は貴方達スマッシュブラザーズにあるのよ」

その言葉にマリオはハッと気付いた。

「⁉︎、まさか、君はこの間街で暴れたイカ…なのか…?」

「えぇ、そうよ」

(そんな…何故…?)



彼女の言葉に再び衝撃がマリオに走った。
何故ただのイカがここまでの力を未だに持っているのか…?

その疑問を考えた時、マリオの中にある1つの結論が出された。

「まだ、君の中に…スマッシュボールの力が残っているのか…?」

「そうよ、ご名答。その力で人間を海に引きずり込んだのも、この場所を作ったのも、貴方達をコテンパンのイカフライにしてやる為にね」

(イカフライ…?)
「…まだ力が残っていたなんて…君の本当の身体は?」

「無いわ」

「え?」

「だってあの時貴方達にやられて死んでしまったもの」

「じゃあ、君は幽霊…?」

「あはは、そうね、むしろ怨霊って言った方が良いのかもね」

スマッシュボールの力は強大だ。それ故に所有者の思いが強い程、強く反応するのだ。

きっと彼女の思いがボールとに反応してしまったのであろう。

「で、何故僕はここに…?君にとって僕は憎むべき対象でしょ?なんで僕を生かすんだい?」

マリオの疑問に対し、彼女は「はぁ」と大きな溜息を漏らした。

「貴方が海に落ちたとき、見殺しにしようと思ったわよ。でも…」

「でも?」

「この体がそれだけはやめてって聞かなかったのよ。体が言うこと聞かなかったの、…だから貴方をここに連れてきた」

「そ、そうなんだ」
(そういえば僕と記念撮影もしてたし、カイーナさんはスマブラのファンだったんだね)

彼女に救われたんだなとも思っていたマリオだった。

「そ、貴方は殺せないからどうしようかなって思ったんだけど、決めたの」

「?」

「私と一緒にここに住んで頂戴」


…。



「えええ⁉︎ちょ、ちょっと待ってよ!急に言われてもこ、心の準備が…っ;」

(心の準備さえ良ければいいの?、ていうかめっちゃ焦ってる…)
「そう言われても、決定事項よ」

(この感じ、まるで姫みたいだ…;)←
「じゃ、じゃあさ、僕たちの館に来ない?皆いい人ばっかだし、君を酷い目にあわす人もいないよ」
「貴方達が私を酷い目にあわしたからこんな事になってるんでしょ」

「あ…そうだよね…」

「…それに、今までひとりで生きてきたから…」

「ひとりで…?」

「そうよ、こんな暗くて広い海で…仲間もいない…周りは敵ばっか。生きる為に必死だった。飢えをしのぐ為無我夢中で掴んだのは、とても不思議な力を持つボールだったのが運のツキね」

「…君は、寂しい思いをしていたんだね。…君の名前はなんていうの?」

「私の名前は…無いわ」

「無いのかい?…じゃあ、僕が名前付けてあげようか?」

「⁉︎…いいの…?」

「うん、君が良ければ」

「じゃあ…お願い…」

(嬉しそうだな、良かった。
えっと、前襲撃してきたのは大きい真イカだったってニュースでやってたから、きっとこの子は真イカなんだろうな…)
「そうだねぇ…マイっていうのはどう?」

「マイ?…なんか、人間っぽいわね。マイで良いわ!」

(真イカでマイってもう言えないな…)
「そ、それは良かった。じゃあマイ。いくつか約束をしてほしいんだ」

「?」

「僕がここで君と一緒にいる代わりに、今君が
乗り移っているその子に傷を負わせないこと。もう一つは、僕の仲間たちに危害を与えないこと。それは守ってほしいんだ」

「うーん、まぁ、名前くれたし、一緒にいてくれるなら、それで良いわ」

「良かった…後…そろそろ魔力はセーブした方が良いよ」

「何故なの?」

「スマッシュボールの魔力は無限にあるわけじゃない。このままこんなにも大きな魔法を何度も行ったらすぐに魔力が切れて、君はただの怨霊になってしまう。そうしたら、また君は1人だ」

「⁉︎」

「僕は、君にそうなってほしくない。それに…スマッシュボールの魔力は、実は回復の魔法が得意じゃないんだ。僕たちも、スマッシュボールを壊して力を得ても、ダメージが回復する訳じゃないからね。ほら、君も怪我してる」

「え?」

マイは足元を見ると、切り傷だらけの裸足が見えたのだった。
マリオは何処からともなく包帯と消毒液と脱脂綿を取り出した。

「さぁ座って、足をこっちに。君にとってもカイーナさんにとっても、その状態は良くないよ」

「…うん」

マイは大人しくベッドに腰掛け、マリオはマイの足の手当てをしていく。

「…」

「よし、できた」

「…ありがと」


その時



ドガーーーーン!!!!


「「⁉︎」」

いきなり、建物全体が揺れ、大きな音が鳴り響いたのだった。

「…まさか、ルイージ…?」

「⁉︎、あいつらが来たのね!…マリオが奪われてしまうわ…」

「マイ?」

焦り出すマイにマリオは声をかける、その途端…

「ごめんなさいマリオ」

「え…?」


クラ…


「え、あ…れ…?」
(急に眠く…?視界がぼやける…)

「ちょっと眠っててね…」

「⁉︎…駄目だ…ま…い……」

(魔法を使っちゃ…駄目だ…!)


こうしてマリオはマイを説得することができずに成す術も無く再び眠りについてしまったのだった。



〜スマブラ館居間〜

「成る程…そんな事が…兄さんがあの子に名前つけてあげたんだね」

「まぁ、成り行きでね…。このことマイには内緒だよ?;」

「僕だってこんな事言えないよ;」


その時


「マリオー!」

「「?」」

2人に向かって走ってきたのはマイだった。

マイはマスターに創ってもらったフィギュアの身体を手に入れ、可愛い人間の女の子として、ここスマブラ館に住み込みでバイトをすることになったのだった。


「やぁ、マイ!新しい体は慣れた?」

「おかげさまで。だいぶ動けるようになったわ。きっとこの姿でも優雅に泳げそうね」

「それは良かったね!」

「あらルイージいたの?」

「ちょ、最初からいたの見てたでしょ⁉︎」

「しらなーい」

「ふふふ」

こうしてイカの少女は、スマメンと共に過ごすことになったのだった。


おわり





登場人物

カイーナ

スマブラの街に住んでいる女性。スマブラのファンで、特にマリオが推しメンだったようだ。穏やかに過ごしていたがある夜突然事件に巻き込まれる。
尚、その間の記憶はあったようで、マイと共に視覚を共有していたらしい。
その時マリオと一緒にいる間、彼女はずっと嬉し過ぎて悶え続けていたのは彼女だけの秘密である。


マイ

名前の通り真イカである。スマッシュボールを食べてしまった故に巨大化。そしてスマメンに倒されるという悲運なイカ。
余りにも悲しくて理不尽な思いを抱えていた為成仏せずに怨霊化。そしてまだ身体に宿っていたスマッシュボールの力と相まって強力な力を手に入れてしまう。その力で拠点を築き一般女性を攫い、復讐を試みたのだった。
だが、マリオ兄弟により懐柔され、ここスマブラ館で第二の人生を歩むことになったのだった。
因みに、マイの名前の由来は今も教えてもらえていないのだとか。
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