ケンカ
~スマブラ館ゴミ捨て場前~
「いつつ…」
ルイージは兄に殴られた頬を擦りながら、1人歩いていた。
(余りにも怒れて思わず飛び出してきちゃったけど…。まぁいいや、兄さんもこれを機に1回反省したらいい。他の皆や僕に頼ることを覚えなきゃならないんだ…)
そう思いながら歩いていると…。
(それは…君が弱いから、お兄さんが頼れないんじゃないかい?)
「!?」
自分以外の何者かの声が、ルイージの心の中に直接語りかけてきたのだった。
ルイージは驚き周りを見渡すが、その声の主は見つからず全く見当がつかなかった。
「だ、誰っ…!?」
(こっちだヨ)
「えっ…!?」
(どこ向いてるんだヨ!コッチ!!段ボールの中だヨ!!)
「あぁ…」
ルイージは声の主の言われるまま段ボールの中を見ると、ゴチャゴチャとガラクタがひしめき合っている中に、他のものとは違い、ひときわ異彩な雰囲気を漂わせている白い小瓶を見つけた。
大きさはそんなに大きくない。栄養ドリンク位の大きさだろうか。またその小瓶は白乳色の陶器でできていて、中身は何が入っているのか、当然だが見ることは出来ない。
瓶の口にはこれもまた白乳色の陶器で出来た丸い蓋で閉じられており、その蓋には開かないよう、白い紙が何枚も貼り付けてあった。
そして、その白い紙には何か文字が書いてあったようだが、先程の通り雨にさらされたせいで文字の殆どが滲んで読み取ることは出来なかった。
ルイージは段ボールの前にしゃがみ込み、その小瓶に話しかけてみた。
「君は、その小瓶の中にいるの?」
(そうだヨ)
どうやらこの声の主はこの小瓶の中からのようだ。
子どものような少し高めの声。ルイージはこの瓶の中にいるであろう声の主に対しての疑問が尽きないでいた。
「ねぇ、いくつか質問してもいい?」
(どうゾ!)
「君は誰?」
(ボクは妖精だヨ!)
「よ、妖精!?」
(そう!ボクは森の妖精だヨ!でも昔、イタズラ小僧にこの瓶に詰められちゃって、ずっとこのままなんだヨ…)
「それは可愛そうに…」
(でショ?でも良かった!君の心の声が聞こえテ!)
「え…?」
ルイージは驚いた。だが、自分の心の声を聞いていたからこそ、最初のあの言葉だった訳で…。驚いた反面、納得もしていたルイージだった。
「君、やっぱり僕の心読めるの…?」
(うん!聞こえたヨ!ボク等きっと心の波長が合ってるんだヨ!)
「へぇ…、誰とでもないって訳か…」
(うん!だから波長の合っている君にオネガイ!!ボクをここから出してヨ!出してくれたら君にお兄さんを助けれる位の力をあげちゃうヨ!)
「え!?チカラを…!?」
ルイージは悩んだ。力が貰えるのは嬉しいが、この厳重な瓶の閉じ方、胡散臭い話し方といい、色々怪しい。
もしかしたらヤバイものが閉じ込められているのではと感じ始めていた。
(君、力欲しいんでショ?そうしなきゃお兄さんは君を頼ってくれないヨ?)
「…」
(ボクはここ何十年も太陽を見れていないんダ。だから外に出れただけでもとっても嬉しいヨ。君に力をプレゼントする位にネ)
「う…」
(だから、ネェ…助けてヨ…!)
「…」
(助けて…なんて言われちゃあ…
助けなきゃいけなくなるじゃないか…!)
そう感じてしまったルイージは大きく深く溜息をついた。
「はぁ…。…僕も根っからのお人好しだな…」
(?)
「よし分かった。助けてあげる」
(本当!?ヤッター!!アリガト!!ボクの名前はルルーガだヨ!)
「僕はルイージ、よろしく。で、早速これを開けたらいいの?」
そう言いルイージは小瓶をヒョイと持ち蓋を開けようとした。
「ぐぬぬ…!ふーんっ…!!
…だはぁ…っ!!駄目だっ!全然びくともしない…」
ルイージが力一杯蓋を引っ張ろうとしても、小瓶の蓋は開く素振りすら見せなかった。
(そのままじゃ開かないヨー!)
「え?」
(その蓋についているおふ…じゃなくて紙っ切れを剥がさないと開かないヨー!)
「紙っ切れ…?」
(本当…嫌に厳重だなぁ…。大丈夫なのか…?)
と思いつつも、約束した手前、もう後には引けないルイージは意を決して、少しだけ先がめくれている紙っ切れを剥がすことにした。
ペリリ…
(あ、思ったよりも剥がしやすい)
何十年も張り付いていた紙だから剥がしにくいと思いきや、貼りたてのようにあっさりと剥がせてしまった。
ペリリ…
ルイージはその調子で、全部の紙っ切れを剥がせたのである。
「よし、じゃ、じゃあ、開けるよ?」
(お願いするヨ!)
スポン!ドテン!!
「アババ…っ!!」
先程どんなに力を込めて引っ張っても抜けなかった蓋が、余りにもあっさりと抜けてしまった為、思いっきり力をこめていたルイージはその反動で尻餅をついた。
「いてて…あ、開いた…!!
あんなに力を込めても抜けなかったのに…」
(ルイージ…アリガト…!これで出られるヨ!
じゃあ君にとびっきりの力をあげるから、そこで立っていてくれるかナ?)
「あぁ、いいよ?」
ルイージは言われるがまま瓶の前に立った。
すると小瓶はカタカタカタと小刻みに揺れ始めた。
(さぁルイージ!受け取ってくレ!)
すると、小瓶の中から紫色の光線が勢い良く飛び出した!
「な…!?」
光線はルイージが反応するよりも早く、彼の口の中へと入って行ったのだった。
ガチャ
「…ったく、あの糞緑どこ行きやがった」
「ガウ…」
館から出てきたのはリンクとルカリオだ。
「それにしてもフォックスも人使いが荒いぜ…。あんなのほっとけばすぐに戻ってくるのによ」
「…。壁が壊されたことが相当キテいるのであろう」
事の発端であるルイージが、マリオを殴り壁を壊した挙句、謝りも片付けもしないで出て行ったもんだから、フォックスを始め他のスマメンもカンカンなのだ。そこで、たまたま暇そうにしていた2人が指名されたのである。
2人がゴミ捨て場の方へ歩いていくと…。
「フフフフフフ…」
2人「?」
(ルイージ?)
ゴミ捨て場の前で、何故か笑みをこぼしているルイージを2人は目撃したのである。
「おおい、ルイ…」
「まて、リンク」
呼びかけようとしたリンクを何故かルカリオは遮った。
「な、何だよ?」
「様子がおかしい」
そう言いルカリオは波動を見ているようだ。言動は気に入らない所はあるが、彼の波動は信頼に値するもののようで、リンクは言う通りに黙ることにした。
「…。いつものルイージの波動ではない…」
「何!?」
2人がそんなやり取りをしている間に、いつもの波動ではないルイージは瞬く間に森の方へと走っていった。
「おい!待てルイージ!!」
リンクの声など届くことも無く、彼は森の中へと消えて行ったのであった。
「糞っ!追うか…!?」
「リンク!これを見てみろ」
「?」
ルカリオに言われた方を見ると、先程までルイージが立っていたであろう場所に小さい白い瓶が置いてあった。
「この瓶は…?」
「…。これから、先程のルイージと同じ波動を感じる…」
「何…!?てことは…、今のルイージはこの瓶の中にいた奴に操られている可能性があるってことか…。…ん?」
リンクはこの小瓶の奥にある段ボールを見つけた。その段ボール箱の中は、何かの実験で失敗したのであろうガラクタゴミが大量に入っていた。
この館でそんなガラクタを大量に出す奴は1人しかいない。
「いつつ…」
ルイージは兄に殴られた頬を擦りながら、1人歩いていた。
(余りにも怒れて思わず飛び出してきちゃったけど…。まぁいいや、兄さんもこれを機に1回反省したらいい。他の皆や僕に頼ることを覚えなきゃならないんだ…)
そう思いながら歩いていると…。
(それは…君が弱いから、お兄さんが頼れないんじゃないかい?)
「!?」
自分以外の何者かの声が、ルイージの心の中に直接語りかけてきたのだった。
ルイージは驚き周りを見渡すが、その声の主は見つからず全く見当がつかなかった。
「だ、誰っ…!?」
(こっちだヨ)
「えっ…!?」
(どこ向いてるんだヨ!コッチ!!段ボールの中だヨ!!)
「あぁ…」
ルイージは声の主の言われるまま段ボールの中を見ると、ゴチャゴチャとガラクタがひしめき合っている中に、他のものとは違い、ひときわ異彩な雰囲気を漂わせている白い小瓶を見つけた。
大きさはそんなに大きくない。栄養ドリンク位の大きさだろうか。またその小瓶は白乳色の陶器でできていて、中身は何が入っているのか、当然だが見ることは出来ない。
瓶の口にはこれもまた白乳色の陶器で出来た丸い蓋で閉じられており、その蓋には開かないよう、白い紙が何枚も貼り付けてあった。
そして、その白い紙には何か文字が書いてあったようだが、先程の通り雨にさらされたせいで文字の殆どが滲んで読み取ることは出来なかった。
ルイージは段ボールの前にしゃがみ込み、その小瓶に話しかけてみた。
「君は、その小瓶の中にいるの?」
(そうだヨ)
どうやらこの声の主はこの小瓶の中からのようだ。
子どものような少し高めの声。ルイージはこの瓶の中にいるであろう声の主に対しての疑問が尽きないでいた。
「ねぇ、いくつか質問してもいい?」
(どうゾ!)
「君は誰?」
(ボクは妖精だヨ!)
「よ、妖精!?」
(そう!ボクは森の妖精だヨ!でも昔、イタズラ小僧にこの瓶に詰められちゃって、ずっとこのままなんだヨ…)
「それは可愛そうに…」
(でショ?でも良かった!君の心の声が聞こえテ!)
「え…?」
ルイージは驚いた。だが、自分の心の声を聞いていたからこそ、最初のあの言葉だった訳で…。驚いた反面、納得もしていたルイージだった。
「君、やっぱり僕の心読めるの…?」
(うん!聞こえたヨ!ボク等きっと心の波長が合ってるんだヨ!)
「へぇ…、誰とでもないって訳か…」
(うん!だから波長の合っている君にオネガイ!!ボクをここから出してヨ!出してくれたら君にお兄さんを助けれる位の力をあげちゃうヨ!)
「え!?チカラを…!?」
ルイージは悩んだ。力が貰えるのは嬉しいが、この厳重な瓶の閉じ方、胡散臭い話し方といい、色々怪しい。
もしかしたらヤバイものが閉じ込められているのではと感じ始めていた。
(君、力欲しいんでショ?そうしなきゃお兄さんは君を頼ってくれないヨ?)
「…」
(ボクはここ何十年も太陽を見れていないんダ。だから外に出れただけでもとっても嬉しいヨ。君に力をプレゼントする位にネ)
「う…」
(だから、ネェ…助けてヨ…!)
「…」
(助けて…なんて言われちゃあ…
助けなきゃいけなくなるじゃないか…!)
そう感じてしまったルイージは大きく深く溜息をついた。
「はぁ…。…僕も根っからのお人好しだな…」
(?)
「よし分かった。助けてあげる」
(本当!?ヤッター!!アリガト!!ボクの名前はルルーガだヨ!)
「僕はルイージ、よろしく。で、早速これを開けたらいいの?」
そう言いルイージは小瓶をヒョイと持ち蓋を開けようとした。
「ぐぬぬ…!ふーんっ…!!
…だはぁ…っ!!駄目だっ!全然びくともしない…」
ルイージが力一杯蓋を引っ張ろうとしても、小瓶の蓋は開く素振りすら見せなかった。
(そのままじゃ開かないヨー!)
「え?」
(その蓋についているおふ…じゃなくて紙っ切れを剥がさないと開かないヨー!)
「紙っ切れ…?」
(本当…嫌に厳重だなぁ…。大丈夫なのか…?)
と思いつつも、約束した手前、もう後には引けないルイージは意を決して、少しだけ先がめくれている紙っ切れを剥がすことにした。
ペリリ…
(あ、思ったよりも剥がしやすい)
何十年も張り付いていた紙だから剥がしにくいと思いきや、貼りたてのようにあっさりと剥がせてしまった。
ペリリ…
ルイージはその調子で、全部の紙っ切れを剥がせたのである。
「よし、じゃ、じゃあ、開けるよ?」
(お願いするヨ!)
スポン!ドテン!!
「アババ…っ!!」
先程どんなに力を込めて引っ張っても抜けなかった蓋が、余りにもあっさりと抜けてしまった為、思いっきり力をこめていたルイージはその反動で尻餅をついた。
「いてて…あ、開いた…!!
あんなに力を込めても抜けなかったのに…」
(ルイージ…アリガト…!これで出られるヨ!
じゃあ君にとびっきりの力をあげるから、そこで立っていてくれるかナ?)
「あぁ、いいよ?」
ルイージは言われるがまま瓶の前に立った。
すると小瓶はカタカタカタと小刻みに揺れ始めた。
(さぁルイージ!受け取ってくレ!)
すると、小瓶の中から紫色の光線が勢い良く飛び出した!
「な…!?」
光線はルイージが反応するよりも早く、彼の口の中へと入って行ったのだった。
ガチャ
「…ったく、あの糞緑どこ行きやがった」
「ガウ…」
館から出てきたのはリンクとルカリオだ。
「それにしてもフォックスも人使いが荒いぜ…。あんなのほっとけばすぐに戻ってくるのによ」
「…。壁が壊されたことが相当キテいるのであろう」
事の発端であるルイージが、マリオを殴り壁を壊した挙句、謝りも片付けもしないで出て行ったもんだから、フォックスを始め他のスマメンもカンカンなのだ。そこで、たまたま暇そうにしていた2人が指名されたのである。
2人がゴミ捨て場の方へ歩いていくと…。
「フフフフフフ…」
2人「?」
(ルイージ?)
ゴミ捨て場の前で、何故か笑みをこぼしているルイージを2人は目撃したのである。
「おおい、ルイ…」
「まて、リンク」
呼びかけようとしたリンクを何故かルカリオは遮った。
「な、何だよ?」
「様子がおかしい」
そう言いルカリオは波動を見ているようだ。言動は気に入らない所はあるが、彼の波動は信頼に値するもののようで、リンクは言う通りに黙ることにした。
「…。いつものルイージの波動ではない…」
「何!?」
2人がそんなやり取りをしている間に、いつもの波動ではないルイージは瞬く間に森の方へと走っていった。
「おい!待てルイージ!!」
リンクの声など届くことも無く、彼は森の中へと消えて行ったのであった。
「糞っ!追うか…!?」
「リンク!これを見てみろ」
「?」
ルカリオに言われた方を見ると、先程までルイージが立っていたであろう場所に小さい白い瓶が置いてあった。
「この瓶は…?」
「…。これから、先程のルイージと同じ波動を感じる…」
「何…!?てことは…、今のルイージはこの瓶の中にいた奴に操られている可能性があるってことか…。…ん?」
リンクはこの小瓶の奥にある段ボールを見つけた。その段ボール箱の中は、何かの実験で失敗したのであろうガラクタゴミが大量に入っていた。
この館でそんなガラクタを大量に出す奴は1人しかいない。