一歩逃げれば一歩追う
紬side
治「紬ちゃん、今ええ?」
紬「う、うん」
あの日の勉強会から関わる頻度が増えた治君。休み時間にクラスまで来て質問にくるなんて、頑張り屋さんだ。
治「紬ちゃん?」
紬「!ご、ごめん」
治「今、何考えとったん?」
紬「!」
治君があまりに真剣に聞いてくるから、私は考えてたことをそのまま言葉にしてしまっていた。
紬「が、頑張り屋さんだな、って」
それに目の前の治君だけじゃなくて隣で机にうつ伏せていた侑君も笑ってた。
侑「ほんま、紬ちゃんはツボやなぁ」
治「ツム、あんまりからかうなや」
紬「・・もう教えない」
治「そら勘弁して。ごめんなぁ」
「宮君!!」
クラスの女の子が治君の隣に立ってた。可愛い。
治「宮君は二人いてるけど、どっちなん?」
「お、治君の方や」
治「なん?」
正直びっくりした。治君ってこんなに低い声が出るんだなって。
「そこなら私も分かんで!教えたろか?」
そういえば、この子は理科が得意だったような気がする。
紬「治く」
そう伝えようとするより早く、治君が彼女に言っていた。
治「紬ちゃんに聞いてるからええ。紬ちゃん、はよ教えて。チャイムなってまう」
紬「う、うん」
隣で容赦な、と笑っている侑君と私を睨むように見て席についてしまった彼女。
紬「そう、だからこうなるんだよ」
治「わかった!」
紬「・・治君」
治「なん?」
紬「さっきの子ね、理科得意みたいだから、その」
治「俺は紬ちゃんに教えてもらいたいねん。ダメ?」
紬「だめ、じゃないけど」
治「ありがとう」
治君はなんだかすごく真っ直ぐ。
治「放課後、英語聞きたいねんけど」
紬「あ、うん・・じゃあ教室いる」
治君は頷いて教室から出て行こうとして、また戻ってきた。忘れ物?
治「連絡先、交換してくれへん?」
紬「連絡先?」
治「ダメ?」
連絡できた方がいいのかな、?
紬「、ううん」
私は治君と連絡先を交換した。
治「ありがとう」
紬「う、ううん、こちらこそ」
どこか嬉しそう?に治君はクラスに戻って行った。
侑「うわぁ、あいつウッザ」
紬「?」
侑君が何やら呟いていたけど、私は次の授業の準備をした。
ガラガラ
紬「お、お疲れ様」
治「おん」
テスト期間で部活の終わりも早い。今日は治君一人みたい。
紬「今日は治君だけなんだ、」
治「ツムも一緒の方が良かったん?」
侑君?
紬「侑君は、教室でよく聞いてくるから、」
治「じゃあ角名?」
倫君?
紬「えっと、、」
治「ごめん、変なこと言ってもうた」
紬「う、ううん」
なんだか様子が変な気がする。
紬「!お、治君これ」
治「!ええの?」
紬「う、ん。疲れてるときは、甘いのがいいって」
チョコレートを治君にあげるとすごく嬉しそうだった。
紬「テストまであと少しだから、頑張ろう?」
治「・・ん」
治君に英語を教える終わる頃には、外は少しだけ暗くなっていた。
治「紬ちゃん、帰ろ」
紬「うん」
まだ学校には少し生徒が残っていて、隣を歩いている治君はいろんな人に声をかけられていた。
紬「治くんも、やっぱり有名人なんだね」
治「あー、まあ」
紬「いろんな人が応援してくれるって、いいね」
治「!」
紬「?」
治「紬ちゃんは、なんか頑張りたいことがあんるん?」
紬「え?」
治「なんや、そんな感じするから」
この時、少し治君が怖くなった。
治「紬ちゃん、お芝居とか好きやないん?」
え?
治「ほら、勉強会したとき、先生になりきってたやん?それに屋上で」
私はここでやっと理解した。あの屋上であったのは侑君じゃなくて治君だったんだって。どうしよう、なんて言えば
治「紬ちゃん?」
紬「!あ、あの私」
治「?」
紬「わ、私、」
どうしよう、息が上手くできない。その時、急に引かれた腕、制服の柔軟剤の匂いと制汗剤の匂いに包まれていた。
治「大丈夫や、落ち着いて」
紬「っ、はぁ、はぁ」
治「大丈夫やからな」
背中をポンポンと叩いてくれるそれに、いつの間にか震えは止まっていた。
治「・・落ち着いた?」
紬「、、うん」
治「ん、良かった」
妙に近くに聞こえる治君の声。
紬「!!」
治「!?」
治君にしがみついてしまっていた事実に咄嗟にとびのいて頭を下げた。
紬「ご、ごめんなさい!!」
治「え、なんが?」
紬「な、馴れ馴れしくしがみついて、しまって」
治「しがみついてはないやろ」
紬「せ、制服しわになってる!?か、買いなおします!!」
治「いや、それやりすぎ。てか別にええで」
紬「あ、あの、その、屋上でのこと、だ、誰にも言わないでっ」
治「・・言わへんよ」
上から降ってくる声は、今日聞いた低い声の持ち主とは思えないくらい優しい声だった。
治「だから、そんな泣きそうな顔、せんといて」
しゃがんで私の顔を覗き込んだ治君の方が泣きそうな顔をしてる気がした。
紬「、、制服、洗ってアイロンかけて返します」
治「だからええって」
それから私は治君からの連絡や勉強には付き合いながらも、なんだか一緒にいづらかった。
侑「終わったぁぁぁぁ!!」
そう、そのテストも今日までだった。
侑「紬ちゃんのまとめノートすごいな!ほぼ解けたわ!」
紬「ちゃんと侑君が覚えてたから解けたんだよ」
侑君は嬉しそうに笑ってた。
侑「やっと心置きなくバレーができるで!」
あの日のことを侑君から聞かれることがないのは、きっと治君が本当に何も言わないでいてくれてるからなんだと思う。本当にありがたい。今日は私も早く帰ろう。
侑「おーサム!」
紬「!」
治君だ。きっと部活に行く侑君を迎えに来たんだと思う。廊下で女の子たちにつかまっている2人の横を通りすぎる。
治「紬ちゃん」
紬「!」
治君に呼び止められて足を止めたけど、周りの女の子からの視線が痛い。
治「また明日な」
紬「う、うん。ばいばい」
侑「紬ちゃん!気ぃつけて帰ってな!」
紬「あ、ありがとう」
私は2人の顔を見れなかった。一人で帰る道中、スマホが鳴った。
治【今日部活の後、電話していい?】
紬「え?」
電話って、なんで?もしかして、なにか言われるのかな。やっぱりあの屋上のこと?
紬「・・ごめん、治君」
ごめん、とだけ返した。急いで家に帰って寝てしまおう。
紬「ただいま」
両親は仕事でいない。部屋に直行してそのままベッドにダイブ。夜ご飯作らないとだめだから、2時間くらい寝れる。
ーーお前キモイんだよーー
ーー張り切って馬鹿じゃねぇのーー
紬「違う、治君はあの人たちとは違う」
頭が痛い。
それから熟睡してしまっていたのか、起きる時間はとうに過ぎてしまっていた。リビングに下りればご飯が用意してあったけど、また仕事に行っちゃったのかな。
紬「!」
スマホが鳴った。画面を見れば、宮治、って表示してある。
紬「こ、断ったのに!?」
なんで?え、出なくてもいいのかな?でも、もし急用だったら?
紬「・・も、もしもし」
結局ムシできなかった。
治『ごめん、寝てた?』
紬「う、ううん。大丈夫」
治『なら、ええんやけど』
紬「・・・」
どうしよう、気まずい。
治『紬ちゃん、俺、紬ちゃんに何かした?』
紬「え?」
治『ちょっと前から、俺のこと避けてへん?』
なんでバレるの?連絡はちゃんと返してたし、治君が来たときはちゃんと対応してた。
治『なんでバレた、思ってる?』
紬「!?」
治君、エスパー?
治『エスパーやないけど』
紬「ふぇ!?」
治『ふ、可愛え』
だ、ダメだ。声が近くて、あの情けない日の自分を思い出してしまった。
紬「、治君、テストも終わったし・・その」
治『俺と関わるんは嫌?』
紬「そ、そうじゃなくて」
治『ならなんで?』
紬「そう、じゃなくて」
治『うん』
紬「・・・」
なんて言っていいのかわからない。でも治君に迷惑かけてるっていうのはわかる。
治『ごめんな、電話なら紬ちゃん話せるんちゃうかなって思ってん』
ああ、やっぱり治君は優しい。きっとあの帰り際に本当は言いたかったんだと思う。理由も分からず避けられるなんて確かに、いい気はしない。
治『でもな、俺も気になるから、時間がかかってもええ。教えて?』
ここまで、してくれてるのにダンマリは失礼。
紬「っ、あのね、治君は別に何もしてないよ。むしろ言わないでいてくれて感謝してるよ、ありがとう」
治『ならなんで俺のこと避けんの?』
紬「そ、それは・・」
治『・・』
紬「こ、怖いから」
治『・・え?』
紬「ご、ごめん!!」
治『そ、それってどういう』
おいサムーさっさ家入れや!オカンがご飯言うてるで!
侑君の声が聞こえた。治君外で電話してる!?
紬「ご、ごめん!!早く家に入ってご飯食べて!じゃあね!」
治『ちょ』
そのまま切ってしまった。
紬「・・失礼なこと、しちゃったなぁ。もうやだぁ」
その日、治君から連絡はこなかった。
治「紬ちゃん、今ええ?」
紬「う、うん」
あの日の勉強会から関わる頻度が増えた治君。休み時間にクラスまで来て質問にくるなんて、頑張り屋さんだ。
治「紬ちゃん?」
紬「!ご、ごめん」
治「今、何考えとったん?」
紬「!」
治君があまりに真剣に聞いてくるから、私は考えてたことをそのまま言葉にしてしまっていた。
紬「が、頑張り屋さんだな、って」
それに目の前の治君だけじゃなくて隣で机にうつ伏せていた侑君も笑ってた。
侑「ほんま、紬ちゃんはツボやなぁ」
治「ツム、あんまりからかうなや」
紬「・・もう教えない」
治「そら勘弁して。ごめんなぁ」
「宮君!!」
クラスの女の子が治君の隣に立ってた。可愛い。
治「宮君は二人いてるけど、どっちなん?」
「お、治君の方や」
治「なん?」
正直びっくりした。治君ってこんなに低い声が出るんだなって。
「そこなら私も分かんで!教えたろか?」
そういえば、この子は理科が得意だったような気がする。
紬「治く」
そう伝えようとするより早く、治君が彼女に言っていた。
治「紬ちゃんに聞いてるからええ。紬ちゃん、はよ教えて。チャイムなってまう」
紬「う、うん」
隣で容赦な、と笑っている侑君と私を睨むように見て席についてしまった彼女。
紬「そう、だからこうなるんだよ」
治「わかった!」
紬「・・治君」
治「なん?」
紬「さっきの子ね、理科得意みたいだから、その」
治「俺は紬ちゃんに教えてもらいたいねん。ダメ?」
紬「だめ、じゃないけど」
治「ありがとう」
治君はなんだかすごく真っ直ぐ。
治「放課後、英語聞きたいねんけど」
紬「あ、うん・・じゃあ教室いる」
治君は頷いて教室から出て行こうとして、また戻ってきた。忘れ物?
治「連絡先、交換してくれへん?」
紬「連絡先?」
治「ダメ?」
連絡できた方がいいのかな、?
紬「、ううん」
私は治君と連絡先を交換した。
治「ありがとう」
紬「う、ううん、こちらこそ」
どこか嬉しそう?に治君はクラスに戻って行った。
侑「うわぁ、あいつウッザ」
紬「?」
侑君が何やら呟いていたけど、私は次の授業の準備をした。
ガラガラ
紬「お、お疲れ様」
治「おん」
テスト期間で部活の終わりも早い。今日は治君一人みたい。
紬「今日は治君だけなんだ、」
治「ツムも一緒の方が良かったん?」
侑君?
紬「侑君は、教室でよく聞いてくるから、」
治「じゃあ角名?」
倫君?
紬「えっと、、」
治「ごめん、変なこと言ってもうた」
紬「う、ううん」
なんだか様子が変な気がする。
紬「!お、治君これ」
治「!ええの?」
紬「う、ん。疲れてるときは、甘いのがいいって」
チョコレートを治君にあげるとすごく嬉しそうだった。
紬「テストまであと少しだから、頑張ろう?」
治「・・ん」
治君に英語を教える終わる頃には、外は少しだけ暗くなっていた。
治「紬ちゃん、帰ろ」
紬「うん」
まだ学校には少し生徒が残っていて、隣を歩いている治君はいろんな人に声をかけられていた。
紬「治くんも、やっぱり有名人なんだね」
治「あー、まあ」
紬「いろんな人が応援してくれるって、いいね」
治「!」
紬「?」
治「紬ちゃんは、なんか頑張りたいことがあんるん?」
紬「え?」
治「なんや、そんな感じするから」
この時、少し治君が怖くなった。
治「紬ちゃん、お芝居とか好きやないん?」
え?
治「ほら、勉強会したとき、先生になりきってたやん?それに屋上で」
私はここでやっと理解した。あの屋上であったのは侑君じゃなくて治君だったんだって。どうしよう、なんて言えば
治「紬ちゃん?」
紬「!あ、あの私」
治「?」
紬「わ、私、」
どうしよう、息が上手くできない。その時、急に引かれた腕、制服の柔軟剤の匂いと制汗剤の匂いに包まれていた。
治「大丈夫や、落ち着いて」
紬「っ、はぁ、はぁ」
治「大丈夫やからな」
背中をポンポンと叩いてくれるそれに、いつの間にか震えは止まっていた。
治「・・落ち着いた?」
紬「、、うん」
治「ん、良かった」
妙に近くに聞こえる治君の声。
紬「!!」
治「!?」
治君にしがみついてしまっていた事実に咄嗟にとびのいて頭を下げた。
紬「ご、ごめんなさい!!」
治「え、なんが?」
紬「な、馴れ馴れしくしがみついて、しまって」
治「しがみついてはないやろ」
紬「せ、制服しわになってる!?か、買いなおします!!」
治「いや、それやりすぎ。てか別にええで」
紬「あ、あの、その、屋上でのこと、だ、誰にも言わないでっ」
治「・・言わへんよ」
上から降ってくる声は、今日聞いた低い声の持ち主とは思えないくらい優しい声だった。
治「だから、そんな泣きそうな顔、せんといて」
しゃがんで私の顔を覗き込んだ治君の方が泣きそうな顔をしてる気がした。
紬「、、制服、洗ってアイロンかけて返します」
治「だからええって」
それから私は治君からの連絡や勉強には付き合いながらも、なんだか一緒にいづらかった。
侑「終わったぁぁぁぁ!!」
そう、そのテストも今日までだった。
侑「紬ちゃんのまとめノートすごいな!ほぼ解けたわ!」
紬「ちゃんと侑君が覚えてたから解けたんだよ」
侑君は嬉しそうに笑ってた。
侑「やっと心置きなくバレーができるで!」
あの日のことを侑君から聞かれることがないのは、きっと治君が本当に何も言わないでいてくれてるからなんだと思う。本当にありがたい。今日は私も早く帰ろう。
侑「おーサム!」
紬「!」
治君だ。きっと部活に行く侑君を迎えに来たんだと思う。廊下で女の子たちにつかまっている2人の横を通りすぎる。
治「紬ちゃん」
紬「!」
治君に呼び止められて足を止めたけど、周りの女の子からの視線が痛い。
治「また明日な」
紬「う、うん。ばいばい」
侑「紬ちゃん!気ぃつけて帰ってな!」
紬「あ、ありがとう」
私は2人の顔を見れなかった。一人で帰る道中、スマホが鳴った。
治【今日部活の後、電話していい?】
紬「え?」
電話って、なんで?もしかして、なにか言われるのかな。やっぱりあの屋上のこと?
紬「・・ごめん、治君」
ごめん、とだけ返した。急いで家に帰って寝てしまおう。
紬「ただいま」
両親は仕事でいない。部屋に直行してそのままベッドにダイブ。夜ご飯作らないとだめだから、2時間くらい寝れる。
ーーお前キモイんだよーー
ーー張り切って馬鹿じゃねぇのーー
紬「違う、治君はあの人たちとは違う」
頭が痛い。
それから熟睡してしまっていたのか、起きる時間はとうに過ぎてしまっていた。リビングに下りればご飯が用意してあったけど、また仕事に行っちゃったのかな。
紬「!」
スマホが鳴った。画面を見れば、宮治、って表示してある。
紬「こ、断ったのに!?」
なんで?え、出なくてもいいのかな?でも、もし急用だったら?
紬「・・も、もしもし」
結局ムシできなかった。
治『ごめん、寝てた?』
紬「う、ううん。大丈夫」
治『なら、ええんやけど』
紬「・・・」
どうしよう、気まずい。
治『紬ちゃん、俺、紬ちゃんに何かした?』
紬「え?」
治『ちょっと前から、俺のこと避けてへん?』
なんでバレるの?連絡はちゃんと返してたし、治君が来たときはちゃんと対応してた。
治『なんでバレた、思ってる?』
紬「!?」
治君、エスパー?
治『エスパーやないけど』
紬「ふぇ!?」
治『ふ、可愛え』
だ、ダメだ。声が近くて、あの情けない日の自分を思い出してしまった。
紬「、治君、テストも終わったし・・その」
治『俺と関わるんは嫌?』
紬「そ、そうじゃなくて」
治『ならなんで?』
紬「そう、じゃなくて」
治『うん』
紬「・・・」
なんて言っていいのかわからない。でも治君に迷惑かけてるっていうのはわかる。
治『ごめんな、電話なら紬ちゃん話せるんちゃうかなって思ってん』
ああ、やっぱり治君は優しい。きっとあの帰り際に本当は言いたかったんだと思う。理由も分からず避けられるなんて確かに、いい気はしない。
治『でもな、俺も気になるから、時間がかかってもええ。教えて?』
ここまで、してくれてるのにダンマリは失礼。
紬「っ、あのね、治君は別に何もしてないよ。むしろ言わないでいてくれて感謝してるよ、ありがとう」
治『ならなんで俺のこと避けんの?』
紬「そ、それは・・」
治『・・』
紬「こ、怖いから」
治『・・え?』
紬「ご、ごめん!!」
治『そ、それってどういう』
おいサムーさっさ家入れや!オカンがご飯言うてるで!
侑君の声が聞こえた。治君外で電話してる!?
紬「ご、ごめん!!早く家に入ってご飯食べて!じゃあね!」
治『ちょ』
そのまま切ってしまった。
紬「・・失礼なこと、しちゃったなぁ。もうやだぁ」
その日、治君から連絡はこなかった。