無印

「円堂くん…… ハァハァ」
「キモい」

ヒロトがハァハァしているのを見て、見下しながら睨みつける。

「そんなところも可愛いよハァハァ」
「寄るな触るな」

俺に抱き着いてスリスリ擦り寄りながらハァハァしている。
本当に気持ち悪い。
スリスリしないでほしい、というか寄らないでほしい。

「ああ、もっと罵ってよ、僕のまも」
「正義の鉄拳!!!!G3!!!!」
「ちゃんと手加減してくれるんだねありがぐふっ」
「いかりのてっつい!!!!!」

たまに手加減してやると思い上がるから、全力で。
なのに、何度も何度も起き上がるから厄介だ。

「大好きだよまも」
「俺も好きだよ」

俺が遮ってそう言ってやると、ヒロトはパアっと顔を明るくさせた。
次の言葉でどん底に落ちるとも知らずに。

「ゴキブリの次にな」
「そ、そんな……、守」
「失せろ」

スリッパでっぶっ叩いて、やっと大人しくなる。

__でもたまに。すごく真剣に、

「……、円堂くん」
「っ、ヒロ、ト」
「好きだよ」
「……、っるさい!キモい!」

好きになっちゃうだろ、そんなの。
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