春風が連れてくる
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「いってきます、お姉ちゃん!」
「行ってらっしゃい」
私は春奈ちゃんをお母さんたちと一緒に送り出した。
にっこりと笑って出て行く春奈ちゃんは相変わらず可愛い。自慢の妹だ。
同じ中学に通っているけれど、彼女は運動部のマネージャーをやっているから毎朝早い。
けれど、私はアクティブな方ではないし、さらに受験生でもあるので部活はない。
ゆっくり朝ご飯を食べ、支度をする。
そして出発しようと台所に戻り、お弁当に手を伸ばす。
と、そこで気づいた。
「あ。」
春奈ちゃんのお弁当が、そこにあった。
彼女がこういう忘れ物をするなんて珍しい。
忘れたとしても、大抵気づいて戻ってくるというのに。
「、たまにはお姉ちゃんらしいことしなきゃね」
私はお弁当箱を二つ鞄に入れ、両親にいってきます、と告げ外へ出た。
青い、雲一つ無い空が広がっている。
徒歩通学には嬉しい快晴だ。
たまに頬をなでる風が心地いい。
__しばらくすると、校舎が見えてきた。
相変わらず大きい、理事長も相当な額を出したに違いない。
そういえば、春奈ちゃんと私の間の学年に、理事長の娘がいるらしい。
どんなお嬢様なんだろうか、少し興味がある。
「あ、お弁当どうしよう」
もう朝練も終盤のようで、片付けているようだ。
…今なら大丈夫かな。
私は思いきってサッカー部へ声をかけてみた。
「すみません!」
「ん? あ、どうかしたんですか?」
青い髪をした彼が爽やかな笑顔で対応してくれた。
えっと、たぶん2年生。
サッカー部には2年生が多いって聞いたし。
「あの、春奈ちゃんに用があってきたんですけど、」
「え、音無の知り合いですか?」
少し目を丸くして、彼は春奈ちゃんを呼んでくれた。
「おい、音無。何か先輩が来てるぞ」
「えっ? 先輩? …ってわ、え!?」
春奈ちゃんは小首を傾げて不思議そうな顔をしたあと、私に気付いたのか驚きの声をあげた。
んー、可愛い。さすが私の自慢の妹だ。
…血は、繋がっていないのだけど。
「お姉ちゃん!?」
ちらちらと私たちを見ていた人たちがいきなり、一斉にこちらを向き目を丸くした。
「え、音無に姉ちゃん…!?」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
驚いている人たちをよそに春奈ちゃんは私に駆け寄ってくる。
私はバッグからお弁当箱を取り出し、微笑みかけた。
「はい、忘れ物」
「え、あ、ごめんなさい! ありがとう!」
「ふふ、どういたしまして」
笑みを見せる春奈ちゃんに、笑顔がこぼれる。
周りの人たちはぽかんとしているが、仕方ない。もうすぐで始まってしまう。
「じゃあね」
「あ、うんっ」
嬉しそうにお弁当箱を手にして、ぱたぱたと駆けて行ってしまった。
私も校舎に向かって歩き出す。
今日も、いつもと変わらない日常が始まる。
「行ってらっしゃい」
私は春奈ちゃんをお母さんたちと一緒に送り出した。
にっこりと笑って出て行く春奈ちゃんは相変わらず可愛い。自慢の妹だ。
同じ中学に通っているけれど、彼女は運動部のマネージャーをやっているから毎朝早い。
けれど、私はアクティブな方ではないし、さらに受験生でもあるので部活はない。
ゆっくり朝ご飯を食べ、支度をする。
そして出発しようと台所に戻り、お弁当に手を伸ばす。
と、そこで気づいた。
「あ。」
春奈ちゃんのお弁当が、そこにあった。
彼女がこういう忘れ物をするなんて珍しい。
忘れたとしても、大抵気づいて戻ってくるというのに。
「、たまにはお姉ちゃんらしいことしなきゃね」
私はお弁当箱を二つ鞄に入れ、両親にいってきます、と告げ外へ出た。
青い、雲一つ無い空が広がっている。
徒歩通学には嬉しい快晴だ。
たまに頬をなでる風が心地いい。
__しばらくすると、校舎が見えてきた。
相変わらず大きい、理事長も相当な額を出したに違いない。
そういえば、春奈ちゃんと私の間の学年に、理事長の娘がいるらしい。
どんなお嬢様なんだろうか、少し興味がある。
「あ、お弁当どうしよう」
もう朝練も終盤のようで、片付けているようだ。
…今なら大丈夫かな。
私は思いきってサッカー部へ声をかけてみた。
「すみません!」
「ん? あ、どうかしたんですか?」
青い髪をした彼が爽やかな笑顔で対応してくれた。
えっと、たぶん2年生。
サッカー部には2年生が多いって聞いたし。
「あの、春奈ちゃんに用があってきたんですけど、」
「え、音無の知り合いですか?」
少し目を丸くして、彼は春奈ちゃんを呼んでくれた。
「おい、音無。何か先輩が来てるぞ」
「えっ? 先輩? …ってわ、え!?」
春奈ちゃんは小首を傾げて不思議そうな顔をしたあと、私に気付いたのか驚きの声をあげた。
んー、可愛い。さすが私の自慢の妹だ。
…血は、繋がっていないのだけど。
「お姉ちゃん!?」
ちらちらと私たちを見ていた人たちがいきなり、一斉にこちらを向き目を丸くした。
「え、音無に姉ちゃん…!?」
「お姉ちゃん、どうしたの?」
驚いている人たちをよそに春奈ちゃんは私に駆け寄ってくる。
私はバッグからお弁当箱を取り出し、微笑みかけた。
「はい、忘れ物」
「え、あ、ごめんなさい! ありがとう!」
「ふふ、どういたしまして」
笑みを見せる春奈ちゃんに、笑顔がこぼれる。
周りの人たちはぽかんとしているが、仕方ない。もうすぐで始まってしまう。
「じゃあね」
「あ、うんっ」
嬉しそうにお弁当箱を手にして、ぱたぱたと駆けて行ってしまった。
私も校舎に向かって歩き出す。
今日も、いつもと変わらない日常が始まる。
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