14.魔女の館の招かれざる、見習いシスター

「ちょっと、モニカ。待って!」

ウィズも後を追う。
館の前まで来ると、モニカは大きな扉を見上げた。

「ここに魔女がいるのね」

「多分ね」

「よし」

モニカは拳を握った。

「行きましょう!」

言いながらも、扉を叩く。

コン、コン。
しばらく待つ。返事はない。

「僕達の様子を中で窺ってるのかもね」

「もう一回!」

今度はモニカが扉を叩いた。

「すみませーん!」

返事はない。

「魔女さーん!」

「モニカ、声が大きいよ」

「聞こえないほうが困るじゃない」

「そういう問題かな……」

さらにモニカが扉を叩こうとした、そのとき。
カチャリ、と鍵の外れる音がした。
扉がゆっくり開く。

「……何かしら?」

現れた女が、二人を見た。
桜色の髪に冷たい目。
感情をほとんど見せない表情。

モニカは一瞬だけ黙った。
けれど、すぐに顔を上げる。

「あの!」

「何?」

「あなたが魔女ヒイロ?」

「そうよ」

「よかった。探してたの!」

ヒイロは、黙ってモニカを上から下まで眺める。
白いベレー帽に、ミッション系の白い制服。
教会の関係者だ。

それから、隣のウィズへ視線を移した。

「……二人とも、何の用?」

「あのね――」

モニカが口を開こうとする。
ふとヒイロはウィズから感じる気配に気づいた。
吸血鬼。だが特に言葉にしない。

「まあ、いいわ。入りなさい。玄関前で騒がれるのは迷惑だわ」

ヒイロは扉を開けたまま、二人を促した。

「わかったわ!」

モニカは素直に頷く。
そして、何の迷いもなく館へ足を踏み入れた。

「ウィズさん、早く!」

「はいはい」

ウィズも続く。
扉が静かに閉まった。

廊下の奥で、ヴァンは静かに足を止めた。
二人から漂う気配に、どこか懐かしいものを感じていた。
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