閑話.――真夏の館

残されたライは心配そうにヒイロを見つめた。

「本当に大丈夫?」

「平気よ」

「全然平気そうに見えないけど」

「そう見えるだけよ」

「いや、どう見てもぐったりしてる!」

しばらくして、フォーンが戻ってきた。

「ヒイロ様」

「どうだった?」

「蓄魔石がほとんど空でした」

「ああ……やっぱり」

ヒイロは小さくため息をつき、重そうに立ち上がる。

「補充してくるわ」

「今から?」

「放っておくと、もっと暑くなるもの」

ふらりと地下へ向かう後ろ姿を見送りながら、ライはぽつりと呟いた。

「毎年こんな感じなのかな……」

「そうだな」

いつの間にかリビングへ入ってきたヴァンが短く答える。
ライが振り返る。

「えっ、知ってたの?」

「ああ」

「じゃあ何で誰も何とかしないの?」

ヴァンは少しだけ考え、

「助言はした」

「え?」

「蓄魔石を増やそうと言った」

「それで?」

「却下された」

「何で!?」

「『まだ使える』だそうだ」

ライは思わず頭を抱えた。

「ええー!?」
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