僕らの日常。
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※原作沿いです。
林間合宿から神野まで。
苦手な方はご注意ください。
林間合宿。
プッシーキャッツにサポートをしてもらいながら各々個性を伸ばすためのトレーニングをしていく。
想像以上にキツい。
でも強いヒーローになる為だ!
そして飴と称してプッシーキャッツが夜には肝試しを催してくれた。
私は緑谷くんとペアを組んだけど、突如、ヴィランからの襲撃を受けた。
緑谷くんは洸汰くんがいる場所を知ってるからと、私には避難するように言って洸汰くんの場所に飛んで行ってしまった。
爆豪くんは轟くんと一緒に先に出発してきっとあの火事の方にいる。
何も出来ない自分の不甲斐なさに唇を噛み締めることしか出来ない。
しばらくしてボロボロになった緑谷くんが戻って来て「戦闘許可」と「敵の狙いは爆豪くんと私」という情報を得る。
なんで爆豪くんと私なの?
緑谷くんは私は相澤先生のところに避難してと言い、自分は爆豪くんを助けに行くと言っていた。
そんなにボロボロな体になってまで緑谷くんは頑張ってるのに私だけ何もしないのは違う…!
「私も行く。緑谷くんボロボロだよ。せめて走りながら少しは回復させて。守られるだけじゃ嫌だ」
緑谷くんは私の目をジッと見たあと、わかったと承諾してくれた。
彼に合わせて走りながら個性を使って治癒をする。
すごいダメージで治癒が間に合わない。
途中で常闇くんのダークシャドウが暴走してるところに遭遇して、そのまま爆豪くんと轟くんと合流した。
そしてそのあとはお茶子ちゃんと梅雨ちゃんと合流するも爆豪くんと常闇くんと私はMr.コンプレスにより捕まってしまう。
緑谷くんたちが私たちを取り返そうと奮闘してくれて、常闇くんと私は救い出された。
けど
「1人回収し損ねたが、問題なし」
爆豪くんは私の目の前でヴィランに連れ去られ、闇に消えてしまった。
何が起こったのか頭が追いつく前に緑谷くんの痛みに苦しむ叫び声で我に返る。
私はほぼ反射で緑谷くんに個性を使った。
「緑谷くん、すぐ治すからっ!」
私の個性でもこの場で完全に治すのは無理だ。
せめて痛みがなくなるくらいまでは治癒させる!
よくこの体で動けていたと思う。
緑谷くんは激痛で気を失ってしまった。
「はぁ、はぁ、本部まで緑谷くん連れて行こう」
ヴィランがガスも撒いていた。それに苦しんでる人がいるかもしれない。
私が、私が助けなくちゃ。
障子くんが緑谷くんを背負ってくれて私たちは本部へと走った。
本部に着くと相澤先生が私に気付いて駆け寄って来た。
「みょうじ、無事か。爆豪はどうした」
その言葉に一気に呼吸が苦しくなる。
みんなが先生に爆豪くんが拐われてしまったことを説明してくれた。
狙われていたのは私と爆豪くん。
私だけ、私だけが無事だった。
爆豪くんを助けられなかった。守れなかった。
彼はいつも私を助けて守ってくれるのに。
私はーーー
「みょうじ」
相澤先生に肩を掴まれてハッとする。
先生が私の目を見て話す。
「ヴィランの襲撃で怪我人が多い。だがここにはリカバリーガールはいない。回復出来るのはお前だけだ。みんなを助けろ。救急隊が来るまででいい。みんなを守れ。ここからがお前の仕事だ。爆豪は俺たちプロに任せろ。必ず取り戻す。いいな!」
「っ!…はい!」
私に出来ることは少ない。
爆豪くんを目の前で敵に渡してしまった。
爆豪くんを助けたい。
でも、私に出来ることは怪我人を治すことくらい。
ならそれを全うする。
爆豪くんはきっとプロヒーローたちが、相澤先生が、オールマイトが助けてくれるって信じてるから。
お願い爆豪くん、どうか無事でいて。
私はけが人の症状を軽くするために個性を使っていった。
が、私の個性も万能ではなく、相手の細胞を活性化させて治すのに自分の体力を使う。
意識不明の重体15名。重軽傷者11名。
それだけの人数を治すのには私も体力の限界を越えた。
なんとか意地で救急隊が来るまでに重傷者の治癒を行ったけど、救急隊に彼らを引き渡したと同時に私は意識を失った。
その後病院で目を覚ました私のところには警察の人が何人も来て事情聴取された。
そして爆豪くんがいない現実を突きつけられた。
心臓が押し潰されたみたいだ。
彼は無事だろうか。
早く彼の顔が見たい。
なんでもいい、声が聞きたい。
会いたい。
「お願いします。爆豪くんを助けてください。お願いします。」
「もちろんだ。警察とプロヒーローで必ず彼を助けてみせるよ」
警察の人と話終わると入れ替わるようにずっと会いたかった人たちが病室に入って来た。
「なまえ…」
「お父さん、お母さん…!」
「無事でよかった…!」
そう言いながら2人は私を抱きしめてくれた。
約半年ぶりの両親との再会は嬉しいのにすごく苦しかった。
「なまえがヴィランに狙われたって聞いて、お母さんもお父さんも心配で心配で 」
「ごめんね。でもクラスのみんなが守ってくれたから、大丈夫!」
お父さんもお母さんもすごく心配してくれてる。
これ以上心配させたくなくて笑顔で応えた。
でも、やっぱり私の両親だなぁ。
私が気丈に振舞ってるの、きっとバレてる。
でもヒーローなら辛い時こそ笑え、だ。
「夏休みが終わるくらいまで、お母さんたちこっちにいようと思って」
「え!ほんと!?嬉しい!」
早く退院しないとね!なんて話をした。
なるべくいつも通りに振舞って。
爆豪くんのご両親は、きっともっと不安で心配してるはずだ、
彼の無事を祈ることしか出来ないことが歯がゆくて仕方なかった。
間もなくして私は退院する事が出来た。
けれど私はヴィランに狙われているからと警察に外出禁止と伝えられた。
入院中、クラスメイトが会いに来てくれたけど、何か妙な違和感を覚えた。
隠し事をされてるような、そんな感じだ。
爆豪くんのこと、だと思う。
なんとなくそんな気がした。
私の両親も病室にいたから言い出せない事でもあったのかもしれない。
必要ならみんなの方から言ってくれると思って、私はその違和感に気付かないフリをした。
そうした事を後に後悔することになる。
退院してから両親と私のアパートに帰る前に無理を言って爆豪くんの家に行くことにした。
両親は何があるかわからないし、外出禁止中だからと一緒に来てくれるとこになった。
私が行って何か変わるわけではないかもしれない。
でも、今行きたかった。
ピンポーンとチャイムを鳴らす。
爆豪くんの住所は緑谷くんに聞いた。
少ししてインターホンから「はい」と憔悴したような女性の声が聞こえてきた。
きっと爆豪くんのお母さんだ。
その声に私は胸が張り裂けそうになった。
「雄英高校1年A組のみょうじなまえと言います。爆豪くんのクラスメイトです。」
そう自分のことを伝えるけれどインターホンからは応答がなかった。
今はクラスメイトになんて会う余裕ないよね…と思い、立ち去ろうとすると玄関が勢いよく開いた。
「あなたがみょうじさん…?」
「はい、みょうじです」
そう言ってお母さんにお辞儀をした。
後ろに私の両親もいたから、爆豪くんのお母さんも会釈してくれた。
家族総出でごめんなさい、と理由を伝えると家の中に招き入れてくれた。
「みょうじさんって私てっきり男の子だと思ってて、ごめんね」
家族分のティーカップを置きながらそう話をしてくれた。
爆豪くんと同じ薄い金髪にツンツンした髪の毛。顔もお母さんと似てる。
「あ、いえ、」
「あのバカ息子、あんな感じでしょ?学校のこと聞いてもうっせぇ!普通だわ!とか言ってまともに答えてくれないし」
「想像できます」
「でしょ!?でもね、いつだったか血相変えて飛び出して行こうとするもんだから、どこ行くのか聞いたらみょうじんとこだわ!って。初めて出久くん以外の名前が出て来たから余程仲良い子になんかあったんだなと思ったんだよ」
きっと私が熱出した時のことだ。
そんなに慌てて来てくれてたんだね。
それなのに、それなのに爆豪くんがピンチの時私は…っ。
「ごめんなさい…。私も林間合宿で爆豪くんと一緒にヴィランに狙われて、私だけ助かりました。爆豪くんを助けられなかった。目の前で敵に連れ去られてしまった。そこにいたのに…っ、爆豪くんは何回も私の事助けてくれてるのにっ!ごめんなさい、ごめんなさい…っ」
深く頭を下げながら、涙が出そうになるのをグッと堪える。
泣くな。私が泣くな。泣くほど不安なのは爆豪くんのお母さんの方。
「顔上げて」
そう言いながら爆豪くんのお母さんは私の手をギュッと握りしめてくれた。
爆豪くんと同じであたたかくて優しい手だ。
「みょうじさんのせいじゃないよ。アイツが弱っちいからとっ捕まったんだよ!大丈夫、勝己は私に似て根性あるから!そう簡単にやられたりしないさ!」
ああ、逆に気を使わせて励ましてもらっちゃった。
強いなぁ。お母さんってなんでこんなに強いんだろう。
「あんなヤツだけどさ、みょうじさんみたいな子が近くにいてよかったよ!勝己が帰って来たらまた仲良くしてやって!なまえちゃん!」
「はいっ!」
それから少し話をしてからおいとました。
今日、爆豪くんのお母さんと話せてよかった。
爆豪くん、早く帰って来てお母さんのこと安心させてあげて。
どうか無事でいてね。
帰宅後すぐに雄英高校の会見が始まり、それを両親と一緒に見た。
この記者たち許せないよ!わざと相澤先生を怒らせようとしてる!
それに爆豪くんのこと何も知らないくせに!!
『誰よりも"トップヒーロー"を追い求め…もがいてる』
『あれを見て"隙"と捉えたのなら敵は浅はかであると私は考えております』
相澤先生…!!
そうだよ、爆豪くんは誰よりもストイックに自分のこと追い込んで強くなろうと、ヒーローになろうと努力してる。
そんな人がヴィランに寝返るわけないんだから!!
雄英高校の会見が終わると今度は神野でオールマイトがヴィランと戦っている様子が生中継された。
あのオールマイトがボロボロで、痩せた体をしていて、それでも守るために戦ってる。
「オールマイト…勝って…」
私の口からは勝手に言葉が漏れていた。
オールマイト負けないで。そんなヴィランなんかに負けないで。
『守るものが多いんだよ オール・フォー・ワン!!』
『だから 負けないんだよ』
決して折れない。オールマイトは誰よりも強い。
オールマイトは勝ったんだ。
神野での戦いはオールマイトが勝利し、事実上の引退という形になった。
テレビではヴィランを移動式牢で移送する様子が映し出されている。
それを見ていると私の携帯がメッセージを着信して振動した。
そこにはずっとずっと思っていた人の名前。
無事を願ってた。
『心配かけた』
いつもと変わらない素っ気ない文面だったけど、それがなにより嬉しかった。
爆豪くんが無事に帰って来た。
「よかった、よかったよぉ…」
私の心の張り詰めていたものが緩んだのがわかる。
早く、早くあなたに会いたい。
顔が見たいよ。
無事でいてくれてありがとう。