僕らの日常。
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※後半少しですが緑谷くん視点があります。
苦手な方はご注意ください。
「ねえねえ!爆豪も行こうよ!夏祭り!」
休み時間に三奈ちゃんの元気な声が教室に響いた。
三奈ちゃんが言う夏祭りって言うのは、雄英高校の近くで毎年行われる大きなお祭りのこと。
屋台もたくさん出て、立派な山車も出て、お祭りの最後には花火も上がる。
私も地元じゃないから行ったことはないんだけど。
「行かねぇ」
「なんでよー!行こうよー!」
「先約あんだよ」
「え!!!!」
「あの爆豪が祭りに先約…!?」
「おい、女か!?彼女か!?」
「まじかよ爆豪!」
「うっせぇんだよ!!黙ってろクソ共!!」
爆豪くんの先約があるという言葉にクラスのみんなが反応した。
たしかに爆豪くんがお祭りに行くイメージってない。
先約かぁ。お祭りの先約ってやっぱり女の子だよね…。
女の子と一緒にお祭り行くんだ、爆豪くん。
しょうがないよ、だって私たち付き合ってないし。
そもそも爆豪くんが私の事どう思ってるかも知らないし。
そう思ったら胸がズキズキとした。
「切島ぁ!爆豪なに先約ってぇ!」
「まぁ、しょうがないだろ!」
「みょうじ!みょうじはお祭り行くよね!?」
「え!私!?」
爆豪くんのこと考えてたから三奈ちゃんに名前呼ばれてビックリした。
クラスのみんなで行くんだね!楽しそう!
みんなでわいわいしてた方が爆豪くんと知らない女の人のことも考えなくて済みそうだし。
「お祭り、」
「みょうじ、ちょっと来い」
私が三奈ちゃんに行こうかな!って返事をしようとした時に爆豪くんが割って入って来た。
有無を言わさないような目だ。
「あ、うん。ごめん、三奈ちゃん!また後で返事するね!」
爆豪くんに返事したあと三奈ちゃんに両手を合わせて謝った。
はいよ!って元気な三奈ちゃんの声を聞いて、爆豪くんの後を追う。
学校で話しかけてくるの珍しいなぁ。
普段は学校じゃ全然話さないのに。
人の少ない廊下で足を止めた爆豪くんに続いて止まる。
「どうしたの?」
「空けとけ」
「え?何を?」
「祭りの日だわ!」
「先約あるんじゃないの?」
「嘘に決まってんだろ!」
何それぇ。そしたらせっかく誘ってもらったんだからみんなで行けばいいのに。
でも女の子と先約なかったんだってホッとした自分がいて、どんどん性格が悪くなっていくみたいで自分が嫌だ。
「この前祭りのポスター見てたろ」
「…一瞬しか見てないのに」
「黒目の誘いは断っとけ」
「一緒に行こって素直に言えばいいのにー!」
「調子乗ってんじゃねぇバカ女!」
「嬉しい!ありがとう!」
なんで私がポスターを一瞬見ただけなのに行きたいことわかったの?
なんで先約あるって嘘ついてまで私と一緒に行ってくれるの?
何考えてるか知りたい。けど、知るのが怖い。
ごめんね。今はまだもう少しこのまま幸せに浸らせてください。
「三奈ちゃん、ごめんね。確認したらその日予定入っててダメだったぁ!」
「えーーみょうじも!?んーまぁ、しょうがないかぁ。行けるメンバーで行くぞー!」
「でもその前に林間合宿だな。合宿打ち上げの祭りだ!」
教室に戻ってすぐに三奈ちゃんに謝ったけど、予定の内容まで聞かれなくてよかったー!
そこは全然考えてなかった!
切島くんの言う通り、お祭りの前には林間合宿がある。
仮免を取得する為に大事な合宿だ。
ヒーローになる為には仮免取得は絶対!
爆豪くんと一緒に行くためにも合宿頑張るぞ!
緑谷Side
時は少し遡り、かっちゃんとみょうじさんが教室を出てすぐ。
「爆豪とみょうじって付き合ってる?」
ドキリとした。
もちろん自分には関係ないけど、あの日のかっちゃんの顔が未だに忘れられないから。
何度も言うけど、あんな優しい顔のかっちゃんは見たことがない。
そして芦戸さんの声はよく通る。
「一緒に帰ってるの見たことあるぜ!」
「えー!やっぱり付き合ってるのかな!?」
瀬呂くぅぅぅん!!
まあ、そうだよね!そうなんだけど!毎日一緒に帰ってるしバレない方がおかしいんだけど!!!
かっちゃんは間違いなくそうだと思うんだけど、付き合ってるのかはわかんないよ!!
「最近みょうじが可愛くなったのは爆豪のせいかよ…オイラのオッパイが…」
「最低ですわ…」
峰田くんは通常運転だ。
かっちゃんが聞いたら何するかわからないからやめた方がいいと思うよ。
じゃなくても君の発言はアウトなことがほとんどだ。
「あのさ、すぐに2人戻って来るだろうし、この話はやめない?あと僕もだけどかっちゃんとみょうじさん家が近いんだ。だからだと思うし」
これが僕がかっちゃんに殺されないようにするための精一杯だ!
「爆豪口悪いし、みょうじのタイプとは思えないな、俺は」
ナイス上鳴くん!
上鳴くんの一言でみんなたしかになぁ…って呟き始めた。
かっちゃん…ドンマイ…。
「なにより、お2人が何も言わないという事は秘密にしたい、という事ですわ。気付かないフリをして見守るのも優しさだと思います」
「そうだぞ、君たち!あまり人のアレコレに他人が首を突っ込むべきではない!」
八百万さん説得力あるし、飯田くんもさすがだ!
上鳴くんと八百万さん、飯田くんが僕の味方をしてくれたおかげで、2人の話はなあなあになって終わった。
その直後にみょうじさんが1人で帰って来たから危なかった。
かっちゃんは飲み物を買いに行ったらしい。
さっきかっちゃんが言ってたお祭りの日の先約は芦戸さんからのお誘いを断るための、多分嘘だ。
そのあとみょうじさんを誘い始めた芦戸さんとの話を遮ってまで彼女を呼び出してた。
一緒に行く約束をするため、だと思う。
かっちゃんと幼馴染じゃなかったら、あの優しい顔を見てなければ気付くこともなかったと思うのに!
かっちゃん頑張れ…それで僕を解放してくれ…!
とにかく僕も林間合宿に向けて頑張ろう!プルスウルトラだ!