僕らの日常。
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※上鳴くん視点です。
ほとんどヒロイン出てきません。
苦手な方はご注意ください。
Side 上鳴
「俺最近思うんだけど、みょうじ可愛くなってね?」
いや、これはまじで。
なんつーか、一段と女子に磨きがかかった感じ!
「くだらねぇ」
16時。放課後のファミレス。
切島と爆豪と男だけの雑談会だ!
爆豪は行かねぇって言ってたけど無理やり連れてきた。
最近すぐ帰っちゃうし、たまにはいいっしょ!
で、本題のみょうじだ。
元々スタイルはいいと思う。性格だっていい。
顔だって童顔で目はくりっとしてて可愛いと思ってた。
でも最近ますます可愛くなってる。
これは峰田と議論済みだ!
「なんつーか、笑顔が柔らかくなったていうかさ!」
「みょうじ、元々よく笑うしなぁ」
「そうなんだけど!」
切島、お前もわかんねぇか!
爆豪は興味無さそうだし!
おいおい、峰田はすぐみょうじの変化に気付いたけどな!?
「俺のカンだとみょうじ、間違いなく恋してる!」
爆豪の眉毛が一瞬動いた気がした。
女の子が急激に可愛くなった、それはもう間違いなく恋!
みょうじが好きになるやつってどんなだろ。
「年上とかなんかなー」
「上鳴、ほんっとそういうの好きな」
「ヒーロー志望って言ったって健全な男子高校生だぜ!そりゃ恋バナ好きっしょ!なんなら女子とそういう関係にだってなりたい!」
「まずそのアホ面なんとかしろや」
爆豪も切島もそういうのないわけ!?
普通の男子高校生なら女子と付き合いたいとか思うの普通っしょ!
相手が可愛い子ならなおさら!
「あ、切島くん、上鳴くん、爆豪くんや!」
名前を呼ばれて振り向くと、麗日と梅雨ちゃん、それから今まさに話題になってたみょうじがいた。
「みんな珍しいね!何しとんの?」
「俺らは秘密の雑談会!女子たちも珍しいじゃん!」
「私たちはお勉強会よ」
「もう少ししたら期末試験だもんなぁ」
「うん、頑張らないと!それじゃ私たちは勉強してるからみんなも楽しんでね!」
やっぱみょうじの笑顔柔らかくなったよな。
今の見てそう思うわ。
みょうじの後ろ姿を見てると髪の毛に赤い花の髪留めを付けてるのが目に付く。
そういや最近よくあの髪留め付けてんなぁ。
そう思いながら視線を戻すと目の前に座る爆豪の視線もみょうじを追ってたことに気付く。
「爆豪もみょうじ見てんじゃん」
「見てねぇわ!目あんのか!?ああ!?」
「あるよ、あるじゃん!」
でも爆豪とみょうじが話してんのあんま見たことないもんなぁ。
みょうじが爆豪みたいな口悪いやつのこと好きだったらビックリだけど。
まあ、性格は最初はアレだけど、知ったら悪いとこが目立つだけで悪いヤツではないしな。
みょうじが爆豪を好きなのはないとしても、爆豪はどうなんだろう。
「…みょうじ可愛いし、好きになる可能性あるよな」
「は?」
心の中の言葉が実際に声に出てたらしく、爆豪が本当に人でも殺すんじゃないかって顔で睨んで来た。怖い、怖いから!
「上鳴、みょうじ好きなの?」
「いや!違うけど!」
「詳しく聞かせろや、アホ面ァ」
え、やばいやばい。なに。爆豪今まで興味なかったじゃん!?
急にどうした!?
顔いつも以上に怖ぇし!!
「だから俺じゃねぇって!!爆豪だって好きになる可能性あるよなって思っただけだって!!」
「ねぇわクソが!!勝手に人をネタにしてんじゃねぇ死ね!!!」
「まあまあ、落ち着けよ爆豪」
そうだよな、冷静になったら爆豪って女とか、付き合うとかそういうのどうでもよさそうだよな。
それよりも自分の強さ!って感じだし。
「ごめん、俺が悪かった」
「おう!上鳴漢だな!」
「てめェが許すなクソ髪!」
「そっか!悪い!」
コントかよ!でも切島ありがとう!お前のおかげで和んだ!
やっぱこの手の話は峰田だな。
そっからはクラスの男メンバーの話とか、インターンの話とかで盛り上がった。
爆豪も切島もヒーローになる為にいろいろ考えてて刺激される!
「てめェらは赤点取らねぇように精々あがけや」
「それなんだよ…」
「爆豪、何気に頭いいもんな」
「余裕だわ、舐めんな」
ほんっと期末試験な…。
爆豪はなんでも器用にやるよなぁ。
俺にもそんな頭があったらよかったよ!
「…帰る」
爆豪の言葉に時計を見るともうすぐ18時だ。
嫌がってたの無理やり連れて来たのによくこの時間までいてくれたと思う。
「おう!また明日な!」
「じゃあなー!」
爆豪はカバンを持つとさっさと店を出て行った。
きゃっきゃっと話し声が聞こえるからまだ女子たちも勉強しながら雑談してるみたいだ。
しばらくして切島がトイレに行ってくると行って席を立ってひとりになった。
ボーッと外を眺めていると10分前くらいに店を出て行ったはずの爆豪が通った。
あいつ何してたんだ?と思って見てると爆豪の隣からひょこっとみょうじが顔を出した。
「は!?!?」
思わず立ち上がって、しかも思ってたより大声が出て、自分で口を塞いで座り直す。
なんで爆豪とみょうじが一緒に…!?
みょうじは麗日たちと勉強してたから爆豪はみょうじを待ってたってこと…か?
あいつがそんなことする!?
でも現に一緒に帰ってるし!?
てかアイツら喋んの!?
爆豪は前を向いたままいつもと変わらない表情で歩いてるけど、横を歩いてるみょうじは俺らに向けるよりももっとずっと柔らかい笑顔をしている。
その笑顔を見ちまったことに一気に罪悪感が湧いて来た。
「…それ好きって言ってるのと一緒っしょ…」
あんな顔で笑われたら誰だって好きになるわ…。
いや、待て待て待て。
一緒に帰るってことはもしかして付き合ってんのか…?
だとしたら俺がみょうじが好きって話になった時に爆豪が苛立ってたのも納得出来る…。
やべぇ…気になる…。
でもこんなん誰にも言えねぇ!
「百面相してどうした?」
トイレから戻ってきた切島に聞かれたけど、さすがにこれは言えないっしょ…。
「なんでもねぇ!」
悶々とした気持ちになって俺の秘密の雑談会は幕を閉じた。