僕らの日常。
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インターンが始まり、授業も始まった。
私たちは授業とインターンの両立をして、授業終わりには補習をするのが当たり前になっていた。
それは仕方のないことだし、忙しいけど成長してるって実感も出来るからすごく充実している。
とはいえ忙しない日々にほんの少しだけ疲れて充電が切れてしまいそうになっているのも本当で…。
なかなか会うことも2人になることも難しくなってしまった勝己くんを恋しく思ってしまう日もいっぱいある。
でも勝己くんも忙しくしてるのにわがままを言うのは気が引ける。
「なまえちゃん、珍しくお疲れやね」
「うーん…昨日インターンのあとにリカバリーガールと病院回って個性いっぱい使ったら疲れが…。プロになったらこんなんで疲れてられないんだけどさぁ…」
「連日帰宅時間も遅くてあまり休めていないもの。無理もないわ」
共同スペースのローテーブルに体を預けているとお茶子ちゃんと梅雨ちゃんが心配して声をかけてくれた。
私たちが寮に帰ったあともエッジショットたちは街のパトロールをしたり、ヴィラン退治をしたりと休む間もなく街の平和を守ってる。
プロの世界を身近で見て、個性を使ったら体力を削られるなんて言い訳にしかならないこともわかってる。
リカバリーガールと行くって言ったのも自分だし。
「休みの日もやる事山積みで出かけにも行けんし、気分転換もしにくいよね」
「そうね。前に3人で行ったケーキ屋さんにも時間が出来たら行きたいわ」
「行きたい…!」
お茶子ちゃんと梅雨ちゃんと行った時のも、勝己くんと行った時に食べた物もすごく美味しかったなぁ。
一口食べたら口の中に程よい甘さが広がって、ふわふわの食感も合わさって幸せに包まれるみたいだった。
「思い出したら元気出てきたかも」
「じゃあこのまま夕飯食べへん?」
「食べる!」
入学してからは学食で、全寮制になってからは朝晩、ランチラッシュ先生が作ってくれるご飯は毎日食べても飽きなくて美味しくて至極。
気分に合わせて和食と洋食から選べるのも贅沢なことだ。
「美味しい…」
「幸せ…」
「二人とも顔がすごく緩んでいるわ」
こんなに美味しい料理を毎日食べられるなんて雄英生になってよかったとすら思う。
さっきまで疲れ切っていたのに体が喜んで栄養を吸収してるって感じで、また明日から頑張れそう。
お友達と他愛のない会話をして笑いながら美味しいご飯を食べられるなんて、幸せ以外のなんでもない。
久しぶりに勝己くんともご飯食べたいなって…思ったりもするけれど。
「それでその時にね…」
ご飯を食べ終わって片付けをして、そのままお茶子ちゃんと梅雨ちゃんと談笑をしていると「NO.1事務所トリオおかえり!」って声が聞こえて玄関の方を見ると緑谷くん、轟くん、勝己くんがインターンから帰って来ていた。
勝己くんの姿を見るだけで嬉しくなるなんて片思いしてる子みたい…なんて思いながら勝己くんから視線を外せないでいると私の方に歩いて来た。
「お、おかえり…なさい」
「来い」
椅子に座る私を見下ろす勝己くんの顔がとても穏やかではない。
怒ってる?機嫌悪い?なんで?私に怒ってる?
一緒にいたお茶子ちゃんたちに謝って席を立って勝己くんについて行く。
エレベーターに乗って勝己くんの部屋に着くまで「勝己くん?どうしたの?」って聞いても何も答えてくれなくて、無意識にすごく怒らせるようなことをしちゃったのかも…って不安になった。
部屋を開けて中に入ると普段ちゃんとしてる勝己くんが持っていたスクールバッグをその場に落とすように置いて私との距離をズンズンと詰めて来る。
どうしよう…謝る…?でも何を…?
考えを巡らせていると私の後頭部を引き寄せながら体を丸めて私の肩におでこを置いてきた。
「っハァァァァアア………」
「……勝己くん?」
耳元で大きなため息がして、少し顔を勝己くんの方へ傾けると髪の毛が当たってくすぐったい。勝己くんの匂いがする。
さっきまでの苛立った雰囲気はもうなくて、だけど頭を包む手が力強くて離す気はないみたい。
私も腕をゆっくり勝己くんの大きい背中に回した。
「ため息珍しいね。疲れちゃった?」
「疲れてねぇ……なまえ不足」
まさかそんな素直に言われると思わなくて少しビックリしたけど、私と同じ気持ちでいてくれてたんだって嬉しさが勝る。
思わず「ふへへぇ」って笑い声を漏らすと「…あァ?」ってちょっと低い声が聞こえた。
「私もずっと勝己くん不足だったから、同じだぁって思ったの」
「……はよ言えやァ」
なんだぁ。全部私と同じだったんだ。
勝己くんも忙しくしてる私のことを考えてくれていて、でもきっと充電切れになっちゃったんだね。
私も充電切れだったし、私にとってはとても嬉しいことなんだけど。
「…ん、くすぐったい」
勝己くんの顔の向きが変わって唇が首に触れる。
何度も、優しくて、くすぐったくて、体の芯が熱くなって、吐息が漏れてしまうのが恥ずかしくて、逃げたいのに頭を包まれてるから逃げられない。
嫌なわけじゃないけど、ゾクってして勝己くんの体に掴まって立ってるのがやっと。
「…体、ビクついとる」
「んひゃあっ!」
耳元で囁かれて息が当たって体の温度がどんどん上がっていく。
もうすでにいっぱいいっぱいなのに、なのに勝己くんが囁いてそのまま私の耳たぶを食むから…!
びっくりして体が跳ねちゃって、大きな声まで出て恥ずかしい。
私がビックリしたから勝己くんまでビックリして少し体が離れて視線が絡んだ。
「相変わらず色気ねーの」
「だ、って…急に耳なんて噛むから…!」
「顔赤ぇ」
「勝己くんのせいだよっ!」
「そりゃよかったな」
すごく恥ずかしくて、でもすごく嬉しくて、勝己くんが楽しそうに笑うから余計にドキドキして苦しい。
顔に触れてくる指が優しくて、伏せた目がいつもよりも色っぽい。
体熱い。心臓出ちゃいそう。
勝己くんの整った顔が近付いて来て唇同士が触れ合って、そこからまた熱が生まれてく。
何度も何度も優しく触れて、溶けちゃいそう。息、出来ない。
「はぁ…っ、か、勝己くん…」
「…やべぇ、止まんねぇ」
「ん…ふ…ぁ、…」
足に力が入らなくなってへたり込むのを勝己くんが支えてくれて、そのまま優しく床に倒された。
覆い被さってる勝己くんの表情にも珍しく余裕がなさそうに見える。
その表情が、視線が、指の動きが、吐息が、勝己くんの全部に胸が高なって苦しくて、だけどすごく幸せで満たされていく。
「ん!…ぁ…は…」
息継ぎをしたくて少し口を開けたらその隙間から勝己くんの舌が入り込んで来て、びっくりして体が跳ねた。
優しく舌が絡まって、口の中が熱い。
すごくすごく恥ずかしいのに、嫌じゃなくて。
今までのキスよりもっと、なんか、刺激が強くて体中が熱くて頭がボーッとして何も考えられなくなって、溶けてなくなっちゃいそうで必死に勝己くんにしがみつく。
「……ふ、はぁ…は…」
顔を離すと熱を持った赤い目と目が合う。色っぽくてドキドキする。
ただでさえ初めてのキスの仕方でいっぱいいっぱいで、脳に酸素を巡らせるだけでも大変なのに。
少し本気を出すって言ってたのに少しじゃなかった。
息出来なくて死んじゃいそうになったもん。
まだ頭がふわふわしてる。
「なまえ」
「なぁに?」
「…好きだ」
優しく抱きしめられて、突然耳元で、愛おしそうな声で囁くから。
そんなこと勝己くんが言うと思ってなくて、嬉しくて、耳に直接低い声が響くから、胸がきゅんってして心臓が痛いくらいに脈打つ。
「えへへ。私も。大好き」
ぎゅうって勝己くんのこと抱きしめ返したら、もっともっと愛おしくなって、好きが溢れそう。
こんなにも大好きな人にこんなにも大切にしてもらって、私はすごく幸せだって感じる。心が満たされる。
「勝己くん、ご飯まだだよね?」
「あー。まだ」
「食べに行く?」
「持って来る。なまえのそのツラ、他のヤツには見せたくねぇし」
「ど、どのツラ…?」
「エロいツラ」
「ばかっ!」
私の悪態に満足そうに笑いながら「行ってくるわ」と部屋を出て行った。
まだ触れ合った余韻が残ってる。
勝己くんと一緒にいるだけで疲れが飛んで行ったみたいにふわふわしてる。
ご飯を持って帰って来て食べてる勝己くんとお話して、たくさん笑って、前に進む元気をもらった。
勝己くんがそばにいてくれるだけで、また明日からも頑張れるって思えるから私は単純で、それ以上に勝己くんの存在は大きいんだって改めて実感する。
インターンをしながらの学校生活を送り、早いもので3月下旬。
1年生を終える前に、大きな戦いが始まる。
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