僕らの日常。
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side 爆豪
朝からずっと騒がしい。
「メリークリスマス!!」
寮内にバカデケェ浮かれた声が響く。
何日か前になまえと無理やり買い出しに行かされて、今日も楽しそうに準備してやがったな。
「勝己くん、パーティーに何か作ってよ!」
突然クソアバウトなこと言いやがったンは昨日の夜だった。
何かってなんだよ。俺が面倒くさがったンをわかったンか、なまえは「わぁ、嫌そうな顔してる」って大して気にするわけでもなく緩んだ間抜け面してやがった。
「んー。あ!唐揚げとか!どう?」
「めんどい。砂糖がやんだろ」
「そうだけど、砂糖くん一人じゃ大変だし、勝己くんの手料理も食べたい!」
俺もなまえにクソ甘ェ自覚がある。
十中八九、黒目と耳辺りに言ってこいって言われたンだろーがなまえも本心で食いてぇって目ェ輝かせとって、「だめ?」っつって無いはずの頭についた耳が垂れてるように見えて気付きゃァキッチンに立っとった。
そん時に下味付けといた肉を揚げてっと出来た頃を見計らってなまえが来た。
口開けて待ってやがったから揚げたて放り込んでやると「あふ、あふ!」って間抜け面してから「美味しい…!」って今度は幸せそうに緩んだツラしてっから、作ってやってよかったって思う。
「あのピンチョスは砂糖くんが作ったの?」
カウンターに置いてある大皿に乗ったピンチョスをなまえが興味津々に見ながら聞いてきた。
肉揚げながら「俺」って短く答えると「えっ!?」って驚いた声と視線を感じる。
「勝己くんすごいよ!なんか、なんか輝いてるもん!こんなキラキラな料理見たことないっ!」
ただぶっ刺しただけだろって心ン中で言い返して、隣にいるなまえに視線を移せばてめぇの方が嬉しそうでキラッキラしとんじゃねェかって柄にもねぇこと思っちまった。
まさか俺が女にこんな甘くなるとは思わなかった。
あー、いや、相手がなまえだからか。
「遅くなった…もう始まってるか?」
サンタの服着させようとしてくる芦戸と上鳴をあしらいながらインターンの話してっと寮の玄関が開いて相澤先生とエリとかいうガキが入って来た。
そういやなまえたちが「エリちゃん来るから飾り付けも可愛くしなきゃ!」って張り切ってたな。
「うわぁ!サンタさんのエリちゃん可愛い…!勝己くんも着ちゃいなよ、ほらほら」
「いらねぇっつってンだろ」
「…勝己くんサンタさんになれないの?緑谷くんも轟くんもサンタさんだけど」
「あァ!?なれるわ!袖通しゃサンタだわ!!」
「わぁい!帽子もどうぞ!」
クソデクと半分野郎の名前出しやがって。あいつらに出来て俺に出来ねぇことなんざねぇンだよ、クソが!
俺に上着と帽子を被せたなまえは「可愛い…似合ってる…!」っつって満足してやがる。
騒ぎながら飯食って、プレゼント交換なんざして、時々盗み見るなまえはずっと笑っとって楽しそうにはしゃいどった。
俺とのことでしばらく悩んどったからよかったわ。
ンなこと考えながら片付けて部屋に戻ってしばらくするとなまえから「今からお部屋行っていい?」ってメッセージが届いて「ん」とだけ返す。
数分後には扉をノックする音が響いて部屋ン中に入って来た。
「パーティー楽しかったね!エリちゃんも喜んでくれてたし!勝己くんの料理も美味しかったぁ!」
さっきまでンこと思い出して嬉しそうに笑っとるツラはガキみてぇ。
昨日今日と浮かれてやがったもんな。
そーいやなまえは片付けしてて近くにいなかったからデクと半分野郎と喋ってたこと知らねぇのか。…一応言っとくか。
「インターン、エンデヴァーンとこ行くことにした」
「えっ!そうなの!?轟くんと2人で!?」
「クソデクも」
「緑谷くんも!?」
びっくりして目ェ見開いて「すごい3人だぁ…」って呟いとった。
デクと半分野郎と同じインターン先っつーのは気に食わねぇが、現NO.1の仕事を近くで見て盗めるモン全部俺のモンにして上に行ってやる。
「私も決めたよ!ラーカーズ!」
「あァ?ラーカーズ?」
ラーカーズってエッジショット、シンリンカムイ、Mt.レディでチームアップ組んだとこだろ。
瀬呂と上鳴もそこ行くっつって行ってたか?
職業体験の時ァ玉も巨大化女ンとこ行ってたはずだ。
そこになまえも行くンかよ。
「エッジショットのところ行きたくて。勝己くんと行った被災地でヴィランが襲って来た時も九州の荼毘の時もだけど、風を攻撃に転用させて足止めしたり迅速に制圧出来てたらって思って。それが出来るようになったらもっと出来ること増えるし!」
エッジショットの真似して忍者のポーズしながら「だから勝己くんたちに訓練付き合ってもらってるんだけどね」って付け足した。
……神野ン時、エッジショットの戦い方を目の前で見た。体細く伸ばしてヴィランの体ン中イジって気絶させとった。一瞬だった。
個性的にあれは出来んでも被害なく制圧っつーのがなまえの理想とするとこなんだろ。
誰でもそうなるンが一番いいに決まっとるが、後方支援が得意ななまえが制圧っつーのは一筋縄じゃいかねぇ。
「高い目標だけど出来れば私1人でも制圧したいの。強い風は大人でも立っていられないから出来るかなって。やれそうなこと、全部やってみる!勝己くんにも負けない!」
「ハッ!上等!」
俺とは個性も得意分野も何もかも違ぇのに俺にも負けねぇって言い放つとこ、やっぱ俺が惚れた女だわ。
インターンでデクと轟にもなまえにも差ァ付けてやる。
そーやって話して、机に目ェ向けっと紙袋が視界に入った。
あー、そーいや忘れとった。
「これやる」
「私に?」
「他に誰がいンだよ」
インターンの話から急に俺が物差し出したンで困惑した表情浮かべとって笑いそうになる。
紙袋を受け取ると「開けていい?」っつって中から包みを出してそれを丁寧に開いてく。
なんだこの開けんの待ってる間のソワソワすンの。破ってでも早よ開けろや。
「わぁ!マフラーだっ!可愛い!」
「今のやつずっと使ってるっつってたろ」
「うん…!ふわふわぁ!」
いつだったか上鳴たちに無理やり買い物付き合わされた時に見付けたもんだった。
そろそろ新調すっか悩んでたな。なまえ、似合うだろ。
そう思って買うこたァ決めとったが、あいつらの前で買うとまた茶化して来やがってめんどくせぇから仮免講習終わりに店に寄った。
「クリスマスプレゼントってやつか?俺もみょうじに何かあげてもいいか?」
「いいって言うと思ってンのか!?つーか早よ諦めろや!俺の女だわ!」
「それはわかってる。みょうじにちゃんと振られたしな」
「イカれとンのか、てめェ!そもそもついて来てンじゃねぇぞ舐めプ野郎!!」
別日に外出許可もらって買いに行きゃァよかったって心底思ったわ。
まじで何でついて来たんだ半分野郎。
なまえに言うなって口止めはしとったけど、あの野郎ぽやってっから期待はしてなかったが、目の前の嬉しそうな表情見たら何も知らんかったんだとわかった。
「勝己くん、ありがとう!すごく嬉しい!」
すげぇ大切そうにマフラー握りしめて「サンタさんだね」っつって柔けェツラして笑うなまえが愛おしい。
本気で悩んでたンだろーが自分に興味がねェ、魅力ねェっつーなまえの悩みはくだんねぇ。
俺がこんだけ惚れてンだからそれが答えだろーが。
「あの…勝己くんからプレゼントもらったあとですごく出しづらいんだけど…実は私も用意してて…」
さっきまでのテンションはどこ行ったんだか。
自信ねぇのか言いにくそうに段々声もちっさくなりながら隠し持っとったらしい薄っぺらい封筒を出した。
おずおずと差し出されたそれを受け取って「開けんぞ」っつーと、不安そうなツラしながら何度も頷いとった。
中身よかなまえが準備したってことの方が重要だろーが。
そう思いながら封筒を開けて中身を出すが……ンだこれ…。
「……………」
「だから出しにくかったのっ!」
封筒にはカードサイズの紙っきれが3枚入っとった。
それにはどれも見慣れた丸っこい字で「勝己くんのお願いを叶えてあげる券」って書かれとった。
なまえを見りゃ耳まで真っ赤にしとって可愛いって思うンと同時にガキみてぇな発想に笑いが込み上げてくる。
「小学生の肩たたき券かよ」
「ち、違うもん!勝己くんのお願いを叶えてあげる券だもん!」
「ンでこの発想が出て来ンだよ」
「だってさぁ!勝己くん物欲全然ないんだもん!私の考え付く物全部持ってるし!だからこれで3回お願い叶えてあげます!」
顔赤くしたまんま開き直ったように言うもんだからおかしくてしょうがねぇ。
けど真面目に考えたンだろーなっつーのも伝わるから、そんでまたなまえを愛おしく思って離したくなくなンだわ。
柄でもねぇし言ってやらねぇけどな。
「ふーん。じゃァ、いいお願い考えとかねぇとなァ」
「ここぞと言う時に使うんだよ!」
「キスしてぇとかはダメなん」
「そ、れは…使わなくてもするもん…」
揶揄うと顔真っ赤にして照れとって可愛いヤツ。
使わなくてもするっつーから唇に軽くキスすっと「勝己くんはずるい…」ってちっせぇ声で文句言ってくっけど、それが照れ隠しなんだってのはツラ見りゃわかる。
なまえ以外もう考えらんねぇだろ。
だからあんな悩みはクソくだらねぇんだわ。
せっかくの願いも考えとかねぇとな。
