僕らの日常。
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
※轟→ヒロインで爆豪との三角関係あり。
苦手な方はご注意ください。
昨日、勝己くんと轟くんが喧嘩した。
理由を聞いたけど勝己くんは教えたくなさそうだったし、あの2人が普段から仲がいいかって言われたらそれは…うん。
でも勝己くんも轟くんもあんなに本気で喧嘩してるの見たことなかったからびっくりした。
2人ともすぐに冷静になってくれたし喧嘩は私が預かってるから、勝手にしないと思うんだけど。
今日も学校で必殺技を考案する。
私は風を操れるけど、今までは救助先行で考えてて要救助者を風で安全に運べれば…って思ってたけど、神野の件でそれだけじゃダメだって思った。
戦える力があれば守りたいもの守れる。
だから私は風での攻撃力を上げるために思考中。
もっと風をギュッとしてバビューン!ってやりたい。
そうしたら攻撃力は上がるはず。
それでバビューンってした後にそのまま風を操れたら強くなる!
治癒に関してはひたすら体力作りだ。
課題はまだまだいっぱいある。
みんなに負けないように頑張るんだ。
よしっ!と気合いを入れると勝己くんが視界に入る。
勝己くん…轟くんの件もそうだけど最近イライラすること増えてるような気がするなぁ。
聞いても何も教えてくれないだろうし、私は話してくれるの待つことしか出来ないんだけど。
轟くんもなんで勝己くんに喧嘩吹っかけたりしたんだろう。
普段は割とおっとりしてて、そういう感じじゃないのに。
男の因縁ってやつかな。
今日の特訓が終わり寮に戻る準備をする。
コスチュームから制服に着替えると轟くんと一緒になった。
「あ。轟くん、昨日ほっぺ引っ張っちゃってごめんね。痛くなかった?」
「大丈夫だ。俺の方こそわりぃ。つい熱くなっちまって」
「ううん。でも珍しいね、轟くんから爆豪くんに喧嘩売るの」
「……そのことでみょうじに話がある。あとで時間くれるか?」
「うん、大丈夫だよ」
なんだろう。昨日の喧嘩に私が関係ある…の?
心当たり全くないんだけど。
それか仲直りしたいから協力してくれ!的な感じかな!?
あ、それかも!
勝己くんと轟くんを仲直りさせよう大作戦だね!!
クラスのみんなが帰った教室で轟くんと二人。
最近轟くんと2人になること多いなぁ。
「轟くん、話って?爆豪くんと仲直りしたいとかかな!?」
「いや…あ、爆豪とは仲直りしてぇんだけど、その話じゃないんだ」
「?」
轟くんがふぅと短く息を吸い込むと顔付きが真剣なものに変わった。
「みょうじが好きだ」
彼の口から発せられた言葉を理解するのに数秒かかった。
え、今好きって言った?私を?
私轟くんに好きになってもらう要素あったかな!?
「えっと、あの、」
顔が熱い。
こんなに真剣に気持ちを伝えてもらえるのはすごく嬉しい。
けど。
「好きなやつ、いるんだろ?」
「…うん。大好きな人が、います」
自分を好いてくれた人にごめんなさいを言うのってこんなにつらいんだ…。
でも私に自分の気持ちを伝えてくれた轟くんの方がつらいと思う。
「どんなやつか聞いてもいいか?」
「うん。すごく優しい人。すごく周りに気を遣ってるし、周りを見てる。でもすごく不器用で、素直じゃないからその優しさも全部わかりにくくて、伝わりにくい。だからすごく損をする人。でも負けず嫌いで、自分に真っ直ぐでいつでも上を見て努力してて、諦めなくて、人としても尊敬できる人、です。」
勝己くんのいいところなんてたくさんある。
態度や言葉遣いが先に来て印象悪くするけど、本当はね、すごくすごく優しい人なんだよ。
私だけが知ってるあの優しくて穏やかな顔も好きなんだ。
「そっか。愛されてんな、爆豪は」
「うん…え!?」
「爆豪のことだろ?」
「な、なんで!?」
まさか感が鋭いのに鈍い轟くんが的を得ている!!
ナチュラルに勝己くんの名前が出て来たから頷いちゃった…。
「昨日、爆豪もみょうじもお互い名前で呼びあってた」
「う、嘘!気を付けてたのに…」
「俺が爆豪にみょうじが好きだから譲らねぇって言ったから喧嘩になった。巻き込んですまねぇ」
あ、そうだったんだ。
ってなにその喧嘩!
私を取り合うみたいな…。
「な、なんかその喧嘩は私が恥ずかしい…」
ある意味で一番の被害者は私なんじゃないかな!!
でもそれだけ2人は真剣に私のことを好いてくれてるってことだよね。
だとしたら、私はしっかり轟くんに返事をしなきゃいけない。
「轟くん、私は勝己くんが好きです。轟くんの気持ちに応えられなくてごめんなさい。でもこんな私を好きになってくれて、気持ちを伝えてくれてありがとう」
それは私の本心で、轟くんを傷付ける。
私には勝己くんじゃないとダメなんだ。
「なんでみょうじがそんな辛そうな顔するんだよ」
「ごめんなさい…。轟くんを傷付けた。」
「気にしなくていい。それは仕方ないことだろ」
この人は、この人もすごく優しい人なんだ。
ごめんね、ごめんね、轟くん。
「気まずいかもしれねぇけど、これからも今まで通り仲間として接してくれたら嬉しい」
「も、もちろんだよ!そんなの!こちらこそ、これからも仲間として、よろしくお願いします」
そうして私たちは今まで通りの友達として寮に一緒に帰った。
寮の扉を開けて靴を脱いでいるとズカズカと勝己くんが私に向かってきた。
え、なに?また機嫌悪い?
「ツラ貸せ 」
「な、なに?」
轟くんを置き去りにして腕を引っ張られてそのまま連れて来られたのはみんなが談笑してる談話スペースだった。
私が勝己くんに腕を引っ張られて登場したのでみんな困惑の表情を浮かべてる。
「どうした爆豪 」
「今日はみょうじと喧嘩でもしてんの?」
な、なに?何事?
どういうこと?
勝己くん何する気?
「こいつ、俺の女だから手ェ出したヤツはもれなく殺す」
「え!?」
「は!?」
一気に全身の体温が上がるのがわかる。
クラスのみんなは少し固まってからすごく驚いていた。
ちなみに私もすごくビックリしてる。
気遣わせるから黙ってろって言ったご本人のお口から俺の女って!!!
恥ずかしすぎる、なんなの今日は。
「勝己くん!?何言ってるの!?」
「変な虫が寄り付かねぇようにするには丁度いいだろ」
しれっと言う彼。
轟くんの件のせいかな…と心の中で思う。
そしてみんなの視線が痛い。恥ずかしい。
穴があったら入りたいってこういうことか…!!
「まじかみょうじ!!」
「え!?いつから!?」
「どっちから!?」
「爆豪のどこがいいんだよ!?性格も口も悪いぞ!?」
し、質問攻め…!
勝己くんじゃなくて私に!!
「良いとこだらけだわクソが!!」
「そういうとこだよ」
「だから昨日爆豪とみょうじはお互い名前で呼びあってたわけね。納得」
やっぱりみんなも気付いてた!!
そりゃ轟くんが気付くくらいだからそうだよね!?
「付き合ってんだから名前で呼ぶだろ」
「爆豪が惚気!?」
「恥ずかしい…」
そこに轟くんが来たのに気付いた勝己くんは彼の方に向き直る。
「てめェとの勝負は俺の勝ちだ、半分野郎」
「ああ。勝てねぇよ、爆豪には」
「二人ともこれを機に仲良くしたらいいよ」
「もう仲はいいだろ」
「どこがだ!頭沸いてんのか!」
ほら、息ぴったりだ。
何だかんだ2人はコンビネーションいいんだから。
仲良くなってくれるといいなぁ。
その後もしばらく逃げることも出来ず、みんなからの質問攻めにあってやっと外に出ることが出来た。
なんか静かでほっとする…。
「轟くんとの喧嘩の原因私だったの?」
「自惚れんなや」
「轟くんが教えてくれたもん」
だから勝己くんは喧嘩の原因を話したくなかったんだね。
私が原因を知ったら気にするし、なにより轟くんの気持ちを勝手に私に言ってしまうことになる。
あんなに怒りながらも轟くんのこと考えてたんだよね。
本当に勝己くんの優しさは不器用でわかりにくい。
「私は勝己くんに愛されてるなぁ!」
少しおどけてそう言うと勝己くんが私のことを後ろから抱きしめてきた。
「勝己くん…?」
「うぜぇけどすげぇ惚れとるわ。誰にも渡すつもりもねぇ。好きだなまえ」
なんだかその声は切羽詰まってるように聞こえて。
縋り付くような、なぜだか少し苦しく聞こえた。
いつもの自信満々な勝己くんではないように思えた。
「私はずっと勝己くんのそばにいるよ。私が勝己くんじゃなきゃ嫌だもん。私だって勝己くんのこと大好きなんだから」
「…もう少しこのままでいさせろや」
「うん」
顔の近くにある彼の頭に触れてそのまま撫でる。
硬そうに見えるのに柔らかい髪が好きだ。
「何しとんだ」
「すごく優しい勝己くんをいい子いい子してるんだよ」
「ガキ扱いすんじゃねぇ」
「彼氏を甘やかしてるんだよ」
そう言いながらも勝己くんは撫でることをやめろとは言わなかった。
「大丈夫だよ、勝己くん」
何故かその言葉が口から出た。
大人しくしてる勝己くんに言ってあげないといけない気がした。
「なにがだよ」
「なんだろ。でも大丈夫」
私を抱きしめる腕に力を抜き、開放されたと思ったら今度は勝己くんの方に体を向けられて、腰に手を回されるのと同時に顎をクイッと上げられて唇に優しいキスをされた。
「俺を甘やかしてくれんだろ?足りねぇなァ」
「ちょっと待って、外だよ!?見られちゃう…」
「見せつけてやれや」
「ん…」
何度も勝己くんがくれる口付けは甘くて、とろけそうで、なにも考えられなくなる。
甘やかされてるのは私なんじゃないかなって思う。
「勝己くんと、キスするの…力入らなくなっちゃう…」
「エロい顔しとんぞ…」
「やめて、恥ずかしいから見ないでよ…」
「俺だけが見れる顔だろ」
そうイタズラっぽく笑う勝己くんはいつもと同じだった。
「やっぱ部屋行くぞ。てめェのそのツラ見たら男共が興奮しやがる」
「へ!?」
そんな変わり者勝己くんだけでしょ…って言いたかったけど、轟くん私のこと好きだって言ってくれたんだった…。
強引に手を引かれ、男子棟のエレベーターに乗って4階の勝己くんの部屋に入ると内鍵を閉めてそのままキスが落とされる。
私は勝己くんからの甘いキスに溺れて動けなくなるんだ。
「もう、ばか!」