僕らの日常。
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「んっふふ」
授業が終わったあと外出届を提出して駅前の新しく出来たケーキ屋さんにお茶子ちゃんと梅雨ちゃんと向かう。
「なまえちゃん笑い方怖いよ」
「すごく楽しみにしてたから!それにさ、なんかこうやって出かけるとヒーロー科じゃなくて、普通の女子高生って感じしない?」
「たしかにそうね。普段は個性の技術を上げるために訓練ばかりで普通の女子高生とはかけ離れてるわね」
今日をずっと楽しみにしてた。
ケーキも好きだからそれもあるけど、こうして友達と一緒に行けるって言うのが何より楽しみだった。
それに最近はヴィランに狙われたこともあって外出禁止だったし。
「あ!ここだ!お店可愛い~!!」
全面ガラス張りのアンティーク調の落ち着いたお店だ。
店内にはいろんな種類のケーキや焼き菓子が陳列されている。
イートインスペースもあっておしゃれ!
すごい女子高生っぽい!!
「これだけあると目移りしちゃうなぁ」
「うんうん。全部食べたいくらいだよね」
「私はこれにしようかしら」
「梅雨ちゃん決めるの早っ!」
結局私とお茶子ちゃんは悩みに悩み抜いて、私は白桃のケーキ、お茶子ちゃんはいちごのタルト、梅雨ちゃんはフルーツゼリーを注文した。
イートインスペースで待っていると運ばれてきたケーキたちは宝石みたいにキラキラしてる。
食べる前に記念に写真も撮っておいた。
「いただきます」
1口食べると白桃の甘みとスポンジに使われた紅茶の香りが広がって一気に幸せな気分になる。
ケーキってすごい。
「そういえばなまえちゃん、爆豪くんとは話せたん?」
お茶子ちゃんに勝己くんの名前を出されてむせそうになる。
この前のお礼ちゃんとしてなかった…。
「うん、話せたよ。お茶子ちゃんのおかげ!ありがとう」
「あの日は爆豪ちゃんの機嫌が悪かったみたいだけど」
お茶子ちゃんにも梅雨ちゃんにも心配をかけてしまった。
「何があったん?」
「私が気に触ることしちゃったみたい。でも仲直り出来たし大丈夫!」
ごめんね。
これ以上は言えない。
『モブ共には付き合ったこと言うんじゃねぇぞ』
『どうして?』
『同じクラス、ましてや寮生活だ。俺たちに気ィ遣うだろーが』
勝己くんがみんなが気を遣わないようにって配慮して考えたことだ。
ほんとわかりにくいけどすごく優しい人。
いつも人のこと考えてるのに、損しちゃってもったいない。
お茶子ちゃんと梅雨ちゃんにはいつかちゃんと話すからね。
「それより、お茶子ちゃんは?緑谷くん?」
「で、デクくん!?なんでデクくんが出て来るん!?」
「あら、違うのかしら?」
「ちゃう!ちゃうよ!ちゃう!!」
「そっかぁ、違うかぁ」
「…デクくんは人として尊敬しとる。いつも頑張ってて、諦めなくて、すごいなって思っとる」
「うん!緑谷くんかっこいいよね!」
緑谷くんの話をする時のお茶子ちゃんは可愛い。
恥ずかしがって言わないけど、好きなんだなぁってすぐわかるよ。
2人が上手く行きますように。
頑張れ、お茶子ちゃん!
「楽しかったかよ」
お風呂上がりにキッチンで飲み物を用意してたら話しかけられた。
みんながいる時間に話しかけて来るなんて珍しいと思ったけど、みんなは談話スペースでテレビを見たり、喋ったりしててこっちに意識は向いてないみたいだった。
で、勝己くんにはお茶子ちゃんたちとケーキ屋さんに行くって話してたからその事だろう。
「うん!女子高生って感じで楽しかった!」
「よかったな」
「ケーキも美味しかったから今度は勝己くんも一緒に行こうよ」
「ンな甘ったるいの食うわけねぇだろ」
「たしかにそっか」
勝己くんは甘いの得意じゃないもんなぁ。
辛い物は私が苦手だし。
今度一緒に行きたいけど難しいなぁ…。
「なまえ」
「ん?」
名前を呼ばれて顔を上げると勝己くんの顔が近くて。
唇になにか触れて。
すぐに勝己くんの顔は離れて、にやりとイタズラっぽい顔を向けて。
「こっちの方がいいわ」
何事もなかったかのように談話スペースに戻って行った。
その後ろ姿を見て、唇に触れたものが勝己くんの唇だと理解した。
「~~~~っっっ!!!」
理解したら一気に体が熱くなって蒸発しちゃうんじゃないかってくらい恥ずかしくなった。
この恥ずかしさをどう逃がしていいかわからなくて、しばらくその場にフリーズしていた。
「みょうじどうした?」
お風呂上がりの轟くんと上鳴くんと瀬呂くんという、なんともまた珍しい組み合わせが来て、フリーズする私に声をかけて来た。
「な、なんでもない…!私、お風呂入って来るッッ!!!」
「え、みょうじ風呂上がりじゃねーの!?」
持っていた飲み物を轟くんに押し付けてその場から逃げるようにお風呂場に向かった。
こんなん恥ずかしすぎてどうしたらいいの!勝己くんのばか~~~!!!!
Side 爆豪
風呂上がりの上気したなまえがやけに色っぽく見えて、でも丸顔たちと出かけたことを楽しそうに話す表情は幼さが残って見える。
表情をコロコロ変えるなまえを見てたら触れたくなった。
モブ共の意識がこっちに向いてねぇことを確認して、なまえの唇にキスをした。
何されたかわかってねぇ、呆けたアイツの顔に笑っちまう。
ソファに座って切島たちが付けてるテレビをテキトーに見てると「私、お風呂入って来るッッ!!」っつーなまえの声が聞こえた。
やべぇ、やりすぎたか?
「ちょっと俺今の顔ダメだ…」
「わかる…男ならみんなだろ…」
アホ面としょう油顔が何か話しながらソファに来やがった。
一緒に来た半分野郎は飲み物持ってやがるが、おい、そのコップなまえのだろ、なんでてめェが持ってんだ、ああ!?
「なんでてめェがそれ持ってんだよ」
「今みょうじに持たされた」
何してんだあの女は!よりによって半分野郎かよ。
クソ、コイツ来んならあのタイミングでキスしなきゃよかったわ。
「そんなことより今のみょうじの顔、爆豪にも見て欲しかった」
「あの顔は男ならくるものがあるよな」
「ああ!?」
ざけんじゃねぇぞ、人の女の顔見て興奮してんじゃねぇわ!!!
「みょうじって元々可愛いし、それであんな真っ赤にして目も潤んでて、あんな顔向けられたらなぁ。なんとも思わねぇ男いねぇって」
「轟も見たっしょ!?」
「ああ、みょうじは顔整ってるからな」
「うっせぇんだよ、てめェらさっきからァ!!!!」
「何キレてんだよ、爆豪」
切島がキレた俺を止めに入るが、イライラしてしょうがねぇ!!
コイツらに言ってないとはいえ、俺の女に手ェ出したらタダじゃおかねぇ!!
「くだらねぇんだよ、てめェらの話は!」
「ど、どうしたの?」
「このクソ女!来いや!」
「え、ちょ、か、爆豪くん!?」
ちょうど二度目の風呂と言いつつ、逃げていただけだと思うが、戻って来たなまえが俺がキレてんのを見て驚いたように声をかけて来やがった。
その手を強引に引っ張ってエレベーターに乗り込み部屋に連れてく。
「勝己くん手痛い…」
今は切島も談話スペースにいて隣の部屋には誰もいねぇ。
「…てめェは俺の女だろーが」
「うん」
「なんでモブ共に顔赤らめてんだ!ああ!?」
「それは勝己くんのせいでしょ!」
また一瞬にして顔を赤らめやがった。
「だって、あんなとこで、き、キス…するから…勝己くんが悪いよ…」
コイツはここが俺の部屋で、俺も男だってことわかってんだよなァ?
俺は試されてんのか?
「それに私初めてだったんだもん!!」
恥ずかしさに顔を赤らめながら涙目になっとる。
この顔はたしかに男ならくるもんあるが、モブ共は許さねぇ。
あーこんな独占欲強ぇし、嫉妬するし、クソだせぇ…。
こんなだせぇヤツだったんか、俺は…。
「…てめェは隙だらけだし無防備すぎんだよ」
「そんなことないと思うけど…だって私ガード固いよ!」
どこがなんだよ。
全然説得力ねぇわ。
「なまえのそういう顔、見ていいのは俺だけなんだよ」
「…勝己くん」
俺に抱きついてくる。
小せぇし細ぇ。
「私だってね、勝己くんの優しい顔は他の人に見せたくないなぁって思ってるし、他の人には絶対に渡したくないよ」
一緒だね、とへらっと笑うコイツは本当に好きだらけで無防備だ。
俺を見上げるなまえの頬に手を添えるとそこは一気に体温が上がったように感じる 。
逃げねぇなまえに一応聞いてやる。
「…いいんかよ」
「うん…勝己くんならいいよ」
唇を合わせると柔らけぇ。
ずっと触れていてぇ。
唇を離すと恥ずかしがりながらも笑顔を向けてくる。
「へへ、恥ずかしいけど嬉しいね」
なまえはそう無邪気に笑う。
「あ、まっ、んっ」
1度じゃ足りねぇ。
何回も何回もキスしてやった。
キスだけで耐えた俺を褒めてやりてぇわ…。